息子はトランプの神経衰弱が得意でした。

自閉症特有の覚え方なのか
一度見たものは正確に映像として記憶されるので
息子の一人勝ち状態でした。


息子は
なかなか言葉を覚えなかったのに
喋り始めたら吸収がとてつもなく早くて
幼稚園の年中さんの頃に
カテ入院するに当たって
息子の大好きなウルトラマンのトランプを買ってあげて
入院中に色々なトランプの遊び方を教えて一緒に遊んだのですが

その時に
ちょっとまだ早いかな〜と思いながらも
神経衰弱を教えたら
とてつもなく強くてびっくり
それはそれは物凄く驚きました。

息子が得意だと知ったきっかけでした。

それからは
家族とやっても
友達とやっても
親戚とやっても
学校の先生とやっても
気持ち悪いほどの圧勝でした。

発達検査では
凸凹な結果になってしまうのだけど
だからこそ
得意な事は超得意。
得意な事だけで見たら
ギフテッド状態。

苦手な事はとことん苦手だから
ギフテッドではないけれど。

でも息子は割と
得意な事が多めの子でした。



という前置きがあって
今回話したいことは…

先日、私、夫、次男で
神経衰弱をやったんです。

息子がいた頃は
次男がまだ小さかったのもあって
神経衰弱をやっても
息子が圧勝すぎて
次男が必ず泣くっていう
めんどくさい感じになっていたのですが。

でも息子は優しいから
「〇〇ちゃんもう一回引いていいよ!」
とか
「あー、ここらへんじゃないかなぁ〜」
とか教えてあげながら
次男が当てた時には
オーバーリアクションで
「すごいじゃーん!」とか言って。
めちゃくちゃ優しいお兄ちゃんしてました。



次男は息子が神経衰弱が得意なのを覚えていて。
「この3人ならいい勝負になりそうだね笑」
なんて言いながら。

奇跡的に次男が勝って。
何度も初めてめくるものがヒットして。
息子かな?って。

次男めちゃくちゃ楽しそうに
そして嬉しそうに笑ってました。

終わった後
「あーー楽しかったぁーーおねがいおねがいおねがい
と言って満足気だったのに
その後しんみりしながら
「……あー、〇〇帰ってこないかなぁ…」
とボソッと言ったんです。

楽しい事があると
反動で寂しくそして悲しくなること
私はよくあるんですけど
(皆さんもそうですよね)

次男もそうなんだなぁと知って
なんだかすごく可哀想になってしまいました。

だって普通なら
楽しいことがあったら
満足したまま終わるのに

楽しい瞬間にはプラスαの感情が付いてきて
そうやって生き続けていかなければならない
きょうだい児の過酷さを
まざまざと見せつけられた瞬間でもありました。

その事実がまた、悲しかったのです