息子は年長の春に心不全が悪化して
再び入院をしました。

小学校入学に合わせて
お昼の投薬を無くしていきたいと
私が主治医に掛け合って
調整をしていました。

原因は、それ。

私が息子の心不全悪化の原因を作りました。

しかも
徐々に徐々に悪化していくので
変化になかなか気付けず
発見が遅くなりました。

当時は機嫌が悪いことが多くなり
自閉症の波だと思っていたのです。

敏感で自身を取り巻く変化に弱いので
季節の変わり目や気温の変化で機嫌が悪くなる傾向にありました(当時は)

「また荒れ始めたな〜」くらいにしか思っていたなかった私。

本当は息子からのSOSだったのに
気付けなかった私。
自閉症の影響だと決めつけて
気付こうともしなかった私。

病院に行った時には
かなり深刻な状態で
いつ亡くなってもおかしくない数値でした。

幸いにも
治療を開始し始めたら
みるみる良くなっていき
息子から消えていた笑顔も
日が経つごとに見ることができ
トイレにも歩いて行けるようになり
回復していったのですが

その時息子の心臓は
自分の力ではほとんど動いておらず
元々埋め込んでいたペースメーカーが
信号を送ってなんとか保っていたので
ペースメーカーの電池の減りが尋常ではなく。

このペースメーカー自体
息子が赤ちゃんの頃に
植え込んだ物だったので
あと数年で取り替え手術だと言われてはいたのですが

その残りの電池を使い果たしてしまいまして。

緊急手術でペースメーカー交換術も
ついでにやってしまったわけです。

退院できたのは
忘れもしない11/8

それから6年後の11/8
息子の命の灯が消える日です。

当時は誕生日(11/24)に間に合ってよかった〜
なんて思っていました。
お気楽な(…いや決してお気楽ではなかったけれど)あの時の「間に合った〜」と喜んで退院した日の気持ちがいつも蘇ります

退院したとはいえ
自宅療養に切り替えただけなので
幼稚園はもちろん、外出は病院の外来のみ!という厳しい約束があったので、しばらくはお家で静かに過ごしたわけですが。

年長さん。

…そう……ランドセル問題です。

(よくやく本題に入ります)

春に心不全が悪化して
外出できるようになったのは12月。

12月にランドセルを買う人なんて
今の時代そうそう居ないですよね。

当時息子は
ウルトラマンや戦隊シリーズが大好きで
ランドセルは黒地に「赤」が入っていて欲しいと常々言っていました。

息子はウキウキしながら
私は(残っているだろうかと)ドキドキしながら
ショッピングモールへ向かいました。

あった!黒地に赤!

息子「これこれ!これがいい!」

即決だったので
店員さんを呼んで
在庫を調べてもらったら
なんとこの店舗は売り切れてないとのこと。
全国の店舗を調べてくださったけれど
もうどこにもないと。

だったらちょっと傷ついてるけど
現品でもいいか、しかたないか…
と思ったら
こちらは売ることができないのだと。

「ここに置いといちゃダメですね。ごめんなさい、片付けちゃいますね」と見本のランドセルや値札などを片付け出しました。

それを皮切りに
在庫があるものないものを調べて
片付け作業をする店員さん達。

残った品の中から探さなければなりませんでした。

あ、これいいなと思っていたものは
見事になくなりました。

そりゃそう。
この時期ランドセルを買いに来てる人なんて
周りにいないし。

店員さんも
「皆さん早くから買いにいらっしゃるんですよ〜」
って言ってました。
でしょうね。私たちだってもっと早く来たかったよ。なんか、まるで世間知らずみたい。

息子は飽きてしまって
もうランドセルなんて見てないし
私がこの中ならこれかなーって感じで決めてしまいました。

黒地に青。

息子は
「えぇ〜〜ないのぉ〜」
と悲しそうにシュンとしてました。

その後は
「赤いのがないならもうなんだっていい」
というスタイルで

「うん、それでいいよ〜」っていう
適当な返答でした。


好きなランドセルすら
選ばせてあげられなかった…

この日の事を
息子はずっと覚えていました。
「本当は赤がよかったけどもうなくなっちゃってたんだよね」
「〇〇ちゃん(次男)早めに買いに行った方がいいよ」と。

本当は赤がよかったのに
息子は文句など言わず
ほぼ6年間(数ヶ月欠けるけど)
背負ってくれたランドセル。

中学は好きなのを買ってあげよう!と
(指定ではないので)
息子が亡くなる少し前に
リュックを買いました。
息子に選ばせて。
息子お気に入りのリュックが買えました。

…でも
そのリュックを背負うことは
ありませんでした

新品のまま
息子の部屋のクローゼットの中に。


ランドセルを見ても切ないし
リュックを見ても切ない。



でも
年長さんの心不全悪化の時に
もしも亡くなっていたら…

このランドセルを背負うことなど
なかったんですよね。

そう考えると
愛おしいランドセル

たくさん思い出の詰まったランドセル


よく頑張ったね、、、涙