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 フランス国民議会(下院、定数577)選挙は7日、決戦投票が行われ、即日開票された。左派連合「新人民戦線」がトップに立ち、マクロン大統領率いる与党連合が続いた。極右政党として戦後初の第一党となるかが注目された「国民連合」は3位で、政権を獲得できない見通し。

 

 仏内務省が8日発表した最終結果によると、左派連合が182議席、与党連合が168議席、国民連合が143議席だった。

 主要3グループは選挙戦で、移民政策や物価高対策などを掲げて支持を求めたが、極右政権誕生の是非が最大の争点だった。

 

 6月の欧州議会選で与党連合が国民連合に大敗したのを受け、マクロン大統領は「反極右」を訴え、解散・総選挙に踏み切った。

 選挙は小選挙区2回投票制で、6月30日の第1回投票で有効投票の過半数を得た候補が当選を決め、その他の選挙区では、上位2候補と、登録有権者数の12、5%を上回った候補が決戦投票に進んだ。投票率の上昇で3人以上が決戦投票に進んだ選挙区が激増し、反対票が分散するため国民連合に有利と見られた。

 

 だが、左派連合と与党連合は国民連合の過半数獲得阻止を狙い、3位以下となった候補者を辞退させるなど選挙協力を進めた。

 決戦投票の結果、どの政党グループも過半数に達しなかった。大統領は通常、過半数に達した政党グループから首相を指名する。過半数に達する連立が実現しない場合、第一党の政党から首相を指名するか、イタリアで2021年に発足したドラギ政権のように、政治家ではない専門家を指名する可能性がある。

 

 憲法の規定で解散による総選挙から1年以内に、新たな解散を行うことはできない。

【パリ宮川裕章、岡大介】

 

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