陸上自衛隊海田市駐屯地(広島市海田町)で、当時の上司からパワーハラスメントを受けて適応障害になったとして、防衛技官の女性3人が1日、国と元上司に計990万円の賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。原告側はいずれもきゅうしぃくしており、「人生を壊された」と訴えている。

 

 訴状などによると、3人は海田市駐屯地業務隊に所属。2018年夏〜22年夏ごろ、業務上のミスについて全体の朝礼で「どうしたらちゃんとできるんだ」「開き直るな」「などと責め立てられた。「誰の許可を得て残業しているんだ」などとも怒鳴られ、繰り返し叱責された。

 

 体調を崩した3人は適応障害と診断され、22年6月以降相次いで休職。2人は約1年後に復職したが、1人は職場復帰できていない。訴えでは、職場での違法なパワハラを放置した安全配慮義務違反があると主張している。3人は業務隊のトップらに相談したが、対応してもらえなかったという。

【中村清雅、井村陸】

 

「毎日新聞」2024年7月2日付け朝刊  引用