仲間の皆様

 

 兵庫県の斉藤元彦知事ら県幹部を批判する文書を流布したとして元幹部職員が懲戒処分を受けた問題があり、県議会は文書に書かれた内容を検証すべく調査特別委員会(百条委員会)の設置を決めた。同県議会での百条委員会設置は1973年以来、半世紀ぶり。

 

 文書は元西播磨県民局長の男性職員)(60)が作成。知事が職員にパワーハラスメントしたり、企業から贈答品を受け取ったりしたという内容で、3月に県議会関係者や報道期間に配ったとされる。県は3月末に局長を解任し、内部調査を実施。5月に「核心的な部分が事実ではなく、誹謗中傷にあたる」とした調査結果を公表し、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。

 

 県議会は調査結果に対して「公平性、客観性に欠ける」と指摘。斎藤知事は第三者機関による再調査を表明した。

 しかし、より強い調査権限を持ち、虚偽証言には罰則規定のある百条委を求める声が高まり、県議会は6月13日、百条委設置案を賛成多数で可決。14日から審議が始まった。

 

 知事の政治資金パーティーや昨秋のプロ野球・阪神、オリックス優勝パレードの費用に関する疑惑など7点について調査し、知事も調査対象となる見込みだ。

 

 百条委設置を受け、斎藤知事は記者団に「重く受け止めている。適切な時期に自分の言葉で文書に関する考えを説明し、出てきた課題を改善していきたい」と語った。元局長の男性は「真実が明らかになっていくことを願っています」とのコメントを出した。

【中尾卓英、山田麻未】

 

「20メートル歩かされ部下叱責」

 

 車止めで下車して会場まで20メートル歩かされた知事は部下を叱責したー。元西播磨県民局長による告発について、斎藤知事側は「事実無根だ」と強気の姿勢を崩さなかった。しかし、そうした態度がかえって議会側の不信を招き、百条委設置につながった。

 

 「突然ですが、辞職しようと思います。だから、百条委だは・・・」。

7日、開会中の県議会の合間に、斎藤知事の右腕で議会との調整役を担う片山安孝副知事が懇願した。

 

 相手は自民党系の最大会派に所属する藤本百男・県議会議会運営委員長。突然の申し出に驚きはあったが、藤本氏は一蹴した。知事を守るために「副知事のクビを差し出す」では収まらないほど、議会の知事追及派の勢いは増していたからだ。

 

 元局長が作成した文書には、「パワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる」「知事のおねだり体質は県庁内でも有名」といった記述が並ぶ。斎藤知事は3月末の定例記者会見で「事実無根」「うそ八百」と全面的に否定した。

 

 だが、4月中旬には県産業労働部長が議会答弁で、県内企業からコーヒーメーカーなど6万円相当の商品を受け取ったと明かし、謝罪。部長は「(最終的に)知事は受け取りを辞退した」とし、「自分が受け取り、知事に使ってもらえば地元企業のPRになると思った」と釈明した。

 

 元局長が5月に懲戒処分となった後も疑惑はくすぶり続けた。6月に入ると、知事自身が文書の記述をしぶしぶ認める展開に。「出張先で車を降りて20メートル歩かされ職員を怒鳴り散らした」との記述について、知事は5日の会見でパワハラを否定しつつ「業務に必要な範囲内で注意した」と話した。

【山本康介、栗田亨、澤俊太郎、大野航太郎】

 

「毎日新聞」2024年6月17日付け朝刊  引用

 

(コメント)

 斎藤知事は、当初、パワハラ告発を全面否定

 だが、その後、事実は認めるがパワハラではない、とした。

 

 百条委での解明が求められる。