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 女性より男性に厳しい受給要件を課している労災保険の遺族補償年金の規定は法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとして、妻を労災で亡くした東京都内の男性(54)が9日、国に年金の不支給処分取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 

 男性側は「『男は仕事、女は家事』とのステレオタイプに基づく規定で、差別だ」と訴えている。

 

 問題とされたのは労働者災害補償保険法の規定。夫を労災で亡くした妻は夫の収入で生計を維持する関係であれば遺族補償年金を受給できる。一方、妻を労災で亡くした夫は妻の死亡時に55歳以上に達しているか、同法が定める障害があるか、いずれかを満たしていなければ受給できない。

 

 訴状によると男性は2019年6月に妻をくも膜下出血で亡くした。妻は労災と認定され、年金の支給を求めたが男性は妻の死亡時に49歳で障害もなく、八王子労働基準監督署から不支給処分を受けた。

【菅野蘭】

 

「毎日新聞」2024年4月10日付け朝刊  引用