公明党東京都本部・山梨県本部合同 夏季議員研修会 | 立川市議会議員/公明党 高口やすひこブログ

公明党東京都本部・山梨県本部合同 夏季議員研修会

21日、新宿京王プラザホテルで、『2024年 公明党東京都本部・山梨県本部合同 夏季議員研修会』が開催されました。

 

はじめに”政治とカネ:有権者の厳しい評価をふまえたゲームチェンジを”と題して、麗澤大学教授の川上和久氏より講演されました。

 

先の国会の衆院・政治改革特別委員会で、党から支給される「政策活動費」について、公明党が推薦して参考人質疑をされた方です。

 

今回の政治資金規正法改正について、語られました。政治家を規制する法律であり、自分自身を縛る法律には、熱心になれない。できれば、改正は最小限にとどめたい意識があると思うが、その中で公明党は、いち早く1月に政治改革ビジョンを発表していることを評価されました。

 

民主主義の「劣化」を憂うる異常事態が、東京で多発していることについて、話されました。

 東京15区補選「つばさの党」の選挙妨害

 ネット時代に、「当選を目的とせず」、アクセスを稼ぐための選挙を悪用した行為

 ポスター貼付権の「販売」

 政見放送における不適切行為や商業目的の連呼 等

 

公職選挙法を改正して規制しなくてはなりません。また、東京都の財政力があれば、「実験的」に、投票所のポスター掲示板をデジタルサイネージ化することは、じゅうぶん可能なのでは? 離島にまで貼りに行く必要もなくなり、組織力による差もなくなる、と話されました。

 

Public Opinion と Popular Sentiment を通して、話されました。投票行動は、ある意味「世論」の発露と言えると思いますが、政策を吟味する「合理的選択」としての「世論」を形成する必要があります。

 

「大衆感情」が行き過ぎては、「デマゴーグ(煽動)政治」に陥る危険があります。近年では、ネットの普及により、独善的な主張や虚偽情報などが拡散されやすくなっています。

 

「コミュニケーション理論」の第一人者である、ドイツのユルゲン・ハーバーマスを紹介されました。ハーバーマスは、近代社会の発達を合理的な見方から説明することを目指し、社会が発達する合理的なやり方を「目的合理性」と「コミュニケーション的合理性」の2つに区分されます。

 目的合理性:成功しようとする志向

 コミュニケーション的合理性:相互理解への志向としてのコミュニケーション的行為

 

自己中心的な行為の合理性を重視する近代の社会システムの認識を覆し、「コミュニケーション的合理性」を新しい合理性として提起されます。

 

政治はコミュニケーションが基本で、選挙で言えば、「地上戦」の重要性でしょうか。現場の声を聴き、政策に反映させることが大切です。

 

ネット上のフィルターバブル、エコーチェンバー等について、話されました。

 

フィルターバブルとは、アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境を指します。(総務省:フィルターバブル)

 

エコーチェンバーとは、ソーシャルメディアを利用する際、自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくるという状況を、閉じた小部屋で音が反響する物理現象にたとえたものです。(総務省:エコーチェンバー)

 

いづれの場合も、情報取得における思考の偏りを防ぐために、日頃から正確な情報、多様な意見や考えに触れるようにするなど個人のネットリテラシーを高めることが大切です。

 

民主主義社会における”双子の危機”を克服する必要性について、話されました。

 政治的無関心、冷笑主義 --> 投票率の低下 民意が政治に反映されにくい状態

 合理的判断をともなわないセンセーショナリズム --> 投票質の低下 民意が暴走している状態

 

最後に公明党東京都本部への期待として、下記のようにまとめられました。

 〇「東京都」の特質を活かした、公職選挙法改正にともなうIT社会にふさわしい選挙の形の実現

 〇冷笑主義の打破:コミュニケーション的合理性の追求、「小さな声を聴く力」の積み重ねを東京から

 〇主権者教育の在り方へのより積極的関与

 

次に、“能登半島地震 復旧・復興の先頭に 〜防災・減災について学ぶ〜”と題して、公明党参議院議員 塩田博昭氏より講演されました。塩田議員は、公明党災害対策本部事務局長を務められ、現地に20回以上赴かれています。

 

能登半島地震について、概要2つの大きな特徴として、下記を挙げられています。
 〇半島特有の地形から、大動脈の国道などの崩壊で奥能登が孤立
 〇被災地の高齢化とともに、住家の耐震化率の低さが家屋倒壊に

 

輪島市内、珠洲市内の住家の6割が半壊以上の被害を受けています。令和2年現在、高齢化率は、全国平均が29%であるのに対し、輪島市が約46%・珠洲市が約52%に上ります。その為もあると思いますが、耐震化率は、全国平均が87%であるのに対し、輪島市が42%・珠洲市が51%しかありません。

 

輪島市などで想定外の液状化が発生。7階建てのビルが倒壊、マンホールが1mも突出したりしています。

 

1981(昭和56)年6月1日から、「新耐震基準」が施行、震度6強~7程度の大地震でも建物が倒壊しないように定められています。2000(平成12)年6月以降、木造住宅は「新・新耐震基準」となりました。1995年の阪神・淡路大震災を教訓に制定され、柱と土台や筋交い接合部に金物の取り付けを義務化、耐力壁で安全性を高めています。熊本地震での建築時期別の木造建築物の被害状況が示されましたが、耐震化による効果が大きく表れています。

 

公明党は、発災直後、直ちに党本部に災害対策本部を設置。石川県内の公明党地方議員と連携し、被災地の市町担当の国会議員を決め、復旧・復興に全力で取り組んでいます。1月5日に第1回災害対策本部開催(8月8日までに28回開催)、6日に塩田議員が奥能登に、10日からは毎日、石川県とオンライン会議を開催、21日には山口代表が奥能登に入られています。

 

その中で次々と対応しています。
 感染症防止へインフルエンザワクチン無料接種
 応急修理制度を使っても公費解体を可能に
 フローチャートで分かりやすい支援一覧の作成
 輪島市内の危険個所に大量の土壌で対策
 全国の電力会社が保有する電源車を避難所に
 断水が続く避難所へ給水車の配備
 仮設トイレに加え、トイレトレーラーやトイレカー、ラップポントイレなどの迅速な導入
 下着や段ボールベッドなど支援物資供給の強化 等々

 

そのほか、下記のこと等について、話されました。
 出火防止対策として、「耐震ブレーカ」の設置の必要性
 大地震でも断水しない上下水道の耐震化

  (水道基幹管路の耐震適合率 令和4年度末 全国で42.3%)
 災害時の断水でも、安心できるトイレ環境が不可欠

 

研修が終了した後、活動報告、竹谷とし子参院議員、河西宏一衆議院議員、岡本みつなり衆院議員が挨拶されました。

 

最後に山口なつお代表から、「さまざまな分野で地域にアンテナを張り、人と人をつなぎ、政策を具現化している公明党の役割は一層重要になる」と力説されました。その上で次期衆院選と来夏の都議選、参院選の三つの政治決戦に向け「全議員が各地域で信頼を広げ、国民の期待に応えていきたい」等、挨拶されました。

 

今回の研修会もとても充実していました。しっかりと頑張っていきたいと思います。