行政視察(堺市) 堺アーツカウンシル
6日、立川文化芸術振興議員連盟で、大阪府堺市へ『堺アーツカウンシル』について、視察しました。
堺アーツカウンシルとは、専門知識を有する人材が文化芸術に携わる人たちを支援することで、文化芸術の振興を図り、文化芸術を活用して、子育て・教育・福祉・観光・都市の活性化といった様々な分野の社会的課題の解決をめざす組織です。(堺市:堺アーツカウンシルについて)
東京にはアーツカウンシル東京があり、独自のコンセプトを持っています。アーツカウンシルは、全国で20程の自治体に広がっていて、堺市は2021年1月、比較的早い時期に設立されています。
組織体としては、堺市文化芸術審議会とアーツカウンシル事務局から成ります。堺アーツカウンシルの機能は、下記のとおりです。
〇文化芸術活動の支援
〇文化芸術施策の推進
〇調査研究・情報発信
〇公募型補助金の審査
また、アーツカウンシル事務局に、現在、PD(プログラム・ディレクター)とPO(プログラム・オフィサー)の下記6名、それぞれの分野の専門家が配置されています。この方々が、実際に推進されているということと思います。
PD 上田 假奈代 詩人・詩業家 ことば、存在の意義
PO 柿塚 拓真 アートマネージャー 音楽マネジメント、芸術団体運営
PO 川那辺 香乃 アートコーディネーター アートプロジェクト、ファシリテーション、身体表現
PO 中脇 健児 ファシリテーター コミュニティデザイン、ワークショップ、ソーシャリー・エンゲイジド・アート
PO 宮浦 宜子 食卓ディレクター 教育、地域コミュニティ、食
PO 大澤 寅雄 文化生態観察 文化政策、アートマネジメント
堺アーツカウンシルの主な活動は、下記の通りで、PD及びPOは、自分たちが直接主催するイベント等は開催されません。あくまで側面支援といった感じでしょうか。
〇文化芸術活動に関する相談対応
〇勉強会・交流会の開催
〇公募型補助金の伴走支援
〇文化施設の企画担当者等向けワークショップ実践研修
これから文化芸術活動を始める方、すでに活動されている方、他の分野で活動されていて文化芸術を取り入れた活動を考えている方等を対象に、概ね上記のことについて、取組まれています。あくまで市民の文化芸術活動の支援で、プロの支援は、一部を除き(音楽コンクール等)除外されます。
堺市文化芸術活動応援補助金(公募型補助金)は、対象活動内容に応じて、一般補助(スタートアップ支援・地域文化活動ステップアップ支援)と特別補助(市民文化活動推進・都市魅力創造)の2つがあり、補助上限額が10万円~300万円(補助率:補助対象経費の1/2以内)になります。回数制限はありません。補助金に関する実際の審査は、堺市文化芸術審議会が行います。
企画担当者等向けワークショップ実践研修を行っているのは、比較的珍しいものとのことです。
堺アーツカウンシルに係る予算は、例年、約700~800万円になります。
堺アーツカウンシルを推進するにあたり、大切な拠点の1つとなる、堺市民芸文化ホール(フェニーチェ堺)について、少し説明を受けました。老朽化した堺市民会館の建替事業により整備された複合施設で、2019年10月にグランドオープンしています。指定管理者制(フェニーチェ堺共同事業体)で運営されています。
「フェニーチェ」は、イタリア語で不死鳥を意味し、堺の悠久の歴史の中で常に前進してきた先人たちの想いと、それを受け継ぐ決意を表しているそうです。
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール等を参考に建てられたそうです。堺市役所から徒歩で数分の場所にあります。
敷地面積:14,333㎡
建築面積: 8,848㎡
延床面積:19,815㎡
規模:地下1階、地上6階
昨日伺った、東大阪市文化創造館を一回り大きくした感じでしょうか。
大ホールは、音響設計、壁や天井に反射を繰り返して響きあう残響時間に拘られて作られています。コンサートホール等の最適残響時間の目安、約2秒程になっています。
バリアフリー対応の1つとして、補聴器・人工内耳を装用されている方に、音声がはっきり聞こえる装置を大ホール・小ホールの全ての席に設置されています。
大スタジオの広さは、大ホール主舞台程度の大きさを確保され、オーケストラや吹奏楽など大人数の練習に対応できるようになっています。
一通りの説明を受けた後、実際に”フェニーチェ堺”に伺い、運営スタッフの方に施設をご案内頂きました。一番確認したかった大ホールは、団体使用が入っていた為、見られなかったのが残念ですが、ホワイエなど可能な範囲で確認させて頂きました。ありがとうございます。
本日はとても勉強になりました。私たち立川文化議連の視察を快く受けて頂き、丁寧なご説明、並びに館内を案内して頂いた、堺市文化課 課長の花木義幸氏、フェニーチェ堺 企画制作担当課 マネージャーの柴坂哲也氏をはじめ関係者の皆さまに心からの感謝を申し上げます。