行政視察(高岡市) ものづくり・デザイン科推進事業 | 立川市議会議員/公明党 高口やすひこブログ

行政視察(高岡市) ものづくり・デザイン科推進事業

8日、公明党会派で、富山県高岡市へ『豊かな感性と郷土を愛する心を育てる ものづくり・デザイン科 推進事業』について、視察しました。

 

説明を受ける前に、はじめに横田誠二副議長より、お忙しいところ、ご挨拶を頂きました。ありがとうございます。

 

ものづくり・デザイン科とは、ものづくりの素晴らしさを感じ取り、よりよく生きようとする心情を培うことを目的とされています。

 

高岡市は、加賀藩二代藩主・前田利長公により奨励された銅器や漆器の伝統産業をはじめとした「ものづくりのまち」として発展してきました。しかしながら近年は、伝統産業に従事する方々の高齢化、後継者不足等、地場産業の低迷が問題となっています。

 

そこで、歴史的、産業的、教育的な背景のもと、2006(平成18)年、国の構造改革特別区域計画「高岡市ものづくり・デザイン人材育成特区」の認定を取得し、2009(平成21)年度より、「教育課程特例校」として、実施されてきました。

 

令和2年度からは、市内全ての小・中・義務教育・特別支援学校で小中一貫教育を実施することにより、新たに教育課程を編成し、年間授業時数等を見直されています。

 

小学5年生、6年生の「総合的な学習の時間」と「図画工作」を再編成し、「ものづくり・デザイン科」を新設し、5年生は年間20時間、6年生は年間25時間の授業が行われます。また、中学1年生の「総合的な学習の時間」を再編成し、「ものづくり・デザイン科」を新設し、年間25時間の授業が行われます。

 

地元の工芸技術者、デザイン専門家の方々らを非常勤講師として招き、実技指導や伝統工芸の歴史などの講義をされます。また工場や工房、美術館、博物館、デザイン・工芸センター、財団法人高岡地域地場産業センターなどの関係施設を活用して、実際に作品も作られます。

 

講師の方らは”興味を持って、その仕事に就いてくれる人が1人でもいれば嬉しい”と言われています。素直な気持ちと思います。また、児童・生徒らも、出来上がりを楽しみにしています。これも、素直な気持ちと思います。

 

児童・生徒らは、高岡市の”ものづくり”の歴史や伝統を調べ・触れ・作ることで、学習を深めています。そして毎年、年末から年始にかけて、児童・生徒の作品展「クリエイティブ・たかおか」が開催されています。

 

教員の意識の向上にも努められています。なんのためにするのか分からないと、多忙化意識になってしまいます。市教育委員会では、教員研修を重ねられ、また実際に体験された教員が増えていく中、やる気になられた教員が新たな教員へ、良さを伝えていく等の結果、「ものづくり・デザイン科」の授業が”楽しかった”とアンケートに応えられている教員の割合は96%になっています。(令和5年12月アンケート) このこと、本当に素晴らしいと思います。

 

保護者らの意識も、導入当初は、“英語や算数等をやった方が良い“との意見が多かったそうです。現在は、保護者自身が新たに高岡の良さを知ることで、本授業の良さを認識されているそうです。これも素晴らしいことと思います。

 

ある年の成人式で、アンケートを取られたそうです。小中学校時の「ものづくり・デザイン科」で作った作品を今も所持していますか? と。

 

87%もの方が、今も所持していると応えられたそうです。驚異的な数字と思います。それだけ大切なものということでしょう。

 

立川市にも、「立川市民科」の授業があります。将来の成果を期待したいと思います。

 

本日はとても勉強になりました。私たち公明党会派の視察を快く受けて頂き、丁寧にご説明をして頂いた、教育委員会教育次長の津田久氏をはじめ関係者の皆さまに心からの感謝を申し上げます。