”日銀、マイナス金利解除”(公明新聞から3月20日付)
下記は公明新聞からの抜粋です。
17年ぶり利上げ決定
賃金と物価の「好循環」確認
金融政策、正常化へ
日銀は19日、前日に続き金融政策決定会合を開き、大規模金融緩和の一環として実施してきたマイナス金利政策の解除を決めた。会合後に記者会見した植田和男総裁は、2%物価上昇目標の持続的・安定的な達成について「実現が見通せる状況になったと判断した」と強調。2013年4月から11年続いた異例の大規模緩和は「役割を果たした」とし、金融政策正常化へ大きく踏み出した。
日銀決定会合ポイント
●マイナス金利政策を解除
●長短金利操作を撤廃
●短期金利を0~0.1%程度に誘導
●国債の大量買い入れを継続
●上場投資信託(ETF)の新規買い入れを終了
●2%の物価目標の持続的・安定的実現が見通せる状況になったと判断
●当面、緩和的な金融環境が継続
日銀による利上げは07年2月以来、17年ぶり。長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作(YCC、イールドカーブコントロール)の撤廃も決定した。植田氏は「短期金利を主たる政策手段とする普通の金融政策に戻る」と説明した。
マイナス金利は16年2月に導入。金融機関が日銀に預け入れる当座預金の一部に、マイナス0.1%の金利を適用してきた。今回の修正で、金利を0.1%に引き上げ、短期金利(無担保コール翌日物レート)を「0~0.1%程度」に誘導する。
YCCは撤廃するが、企業の設備投資などに影響を与える長期金利の急騰(債券価格の急落)を避けるため、大量の国債買い入れは当面継続。事実上、株価を下支えしてきた上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の新規買い入れも終了する。社債などの購入は段階的に減らし、1年後をめどに終える。
日銀が政策修正を見極める上で重要視した24年春闘では、大企業の満額回答が続出。植田氏は「判断の大きな材料にした」と述べ、賃金と物価がともに上昇する好循環の達成に自信を深めたことを明らかにした。
■デフレ完全脱却へ前進/山口代表
公明党の山口那津男代表は19日、国会内で行われた記者会見で、日銀のマイナス金利解除の決定について「政府・与党で進めてきたデフレ完全脱却への道が一歩一歩、前進している」と強調した。
その上で、デフレからの完全脱却を成し遂げていくための課題として「中小企業・小規模企業、非正規で働く方々への賃金上昇の広がりを進め、定額減税なども重ねていくことによって、可処分所得を増やしていく。これらを確実に実行して効果を表していくことが重要だ」と力説した。