青少健柏町地区 市民公開研修会
19日、こぶし会館で、『立川市青少年健全育成柏町地区委員会 市民公開研修会』が開催されました。
「伝えていますか? 性のこと」と題して、子どもと女性の虐待専門の絵本作家、人権ファシリテーターの安藤由紀氏より講演がなされました。「世界で人権活動をする1000人の女性たち」の1人として、かつてノーベル平和賞にノミネートされています。
日本の性教育の現状について話されました。2021年、文部科学省の「生命の安全教育」が一部でスタートしています。自分の体を大切にする、性暴力の被害者・加害者にならない等の教育プログラムです。
他人が勝手に触れてはいけないプライベートゾーン、カップル間で起こる暴力、デートDVの危険性、SNSで人と出会うことのないリスク等がありますが、肝心の”性行為”については教えていません。
いわゆる”はどめ規定”と呼ばれるものです。国が定める学習指導要領に、「妊娠の経過は取り扱わないものとする」という一文があるためです。率直に何故に?と
思います。
世界の性教育を紹介されました。世界一実践的な国として、オランダを紹介されました。思春からでは遅いと考え、幼児期から取り組みを始められています。スウェーデンでは1955年に必修となり、13~25歳の若者のユースクリニックがあり、避妊や感染症、デートDV等の相談ができます。
一方、概ねアジアの国々は後ろ向きで、中国は社会的に性の話がタブーという傾向が強く、韓国もコンドームを使用する割合が低いとされます。
ユネスコが2009年から性教育の指針、包括的性教育(CSE:Comprehensive Sexuality Education)を発信し、性教育を伝えた結果、全世界で初交年齢上がった(37%)、初交年齢下がった(0%)となっているそうです。
CSEの目的は、下記の通りです。
・健康とウェルビーイングの実現
・個人が尊重され、性的な関係を育てること
・自分の選択の他者への影響を考える力
・一生を通じて自分の権利を守れることを励ます
CSEのキーコンセプトは、下記の通りです。
・人間関係
・価値観・人権・文化
・ジェンダーの理解
・暴力と安全確保
・健康とウェルビーイング
・人間の体と発達
・セクシュアリティと性的行動
・性と生殖の健康
性交同意について、性行為の時に、互いに積極的に行為を望んでいるか確認することで、手をつなぐ、身体にふれる、キスをするも含まれます。先進国に比べ、これが、日本人は弱いのです。例えばカナダ、”キスして良い”等を、必ず相手に聞くそうです。
性的同意チェックリスト(ウィングス京都 GENDER HANDBOOK)を示されました。一つでもあてはまるなら、”性的同意”は取れていないということです。
こどもへの性暴力は深刻です。被害にあった子どもの相手は、7割が知っている人間です。子どもは性暴力の被害を言いたがりません。親に心配される、噂が流れて恥ずかしい、叱られるかもしれない、、、 一番深刻なのは、”自分が悪かったかも・・・”と。
避妊、感染症予防、このことについて、日本はどれくらい教えているのでしょうか。”日本の避妊はないものだらけ”として、帰国子女らが中心となって、日本でも承認するよう運動を起こされているそうです。私もほぼ知りません。
多くの性感染症の感染経路は、相手の血液、精液、膣分泌液、母乳、便、尿から自分の傷ついた粘膜に侵入します。感染すると、ほかの性感染症にもかかりやすくなります。主な感染症は下記の通りです。
・HIVウィルス
・B型肝炎
・C型肝炎
・梅毒
・淋病感染症
・性器ヘルペス
・尖圭コンジローマ
・クラミジア感染症 他
とても勉強になりました、ありがとうございます。そして、とてもショッキングでした。学校での教育が大事であるとともに、親、保護者の考えが、とっても影響をすると思います。厳格な人も、割り切った人もいます。子どもたちにきちんと教えるとともに、大人にこそ、性教育は必要と思います。