satooの半分は読書で出来ています。

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 今までに読んだ本の個人的な感想です。本を選ぶ時の参考にでもしてくださいな。

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ラットマン (光文社文庫)/道尾 秀介
¥620
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特に楽器とかをやっていたわけではありませんが、音楽を聴くのは好きです。カラオケも好きです。僕は普段声が聞き取れないくらい小さいことで定評があるので、カラオケとか行くとびっくりされることがしばしばあります。そんなギャップが大切ですね。


【内容紹介】


結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは―。


道尾秀介氏の作品は今までにもそこそこ読んできました。この作品はその中でもトップクラスに入る作品だと感じました。ちなみにちょっと前にテレビの特集で道尾氏が出演していたのですが、結構なビックマウスでびっくりしました。


今までの道尾作品の例に漏れず、この作品もジャンルとしてはミステリーに分類されます。そして、これも例に漏れず、読者を驚かす仕掛けがあります。この量、といいますか、どんでんがえしの回数が今まで読んだ作品とは比べ物にならないくらい多いです。それがタイトル『ラットマン』にもつながってきています。


そういったミステリーとしての楽しみがありつつ、何よりも個人的に好きだったのは主人公・姫川の内面を描写したシーンですね。物語全体の雰囲気が暗く、自然内面描写なんかはさらに陰鬱な雰囲気が漂うのですが、どこか共感と言いますか、感じ入る部分が多かったです。


そうした総合的な面で、道尾秀介氏という人の作品をより一層好きになった作品でした。


満足度・・・88%

空色勾玉 (徳間文庫)/荻原 規子
¥720
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最近週1のペースで寿司を食べているような気がします。別にリッチになったわけではないのですが、つい行ってしまいますね。昔とは好みが変わってきて、アジとかイワシをおいしく感じるようになりました。エンガワは最強ですけどね。


【内容紹介】


国家統一を計る輝の大御神とそれに抵抗する闇の一族との戦いが繰り広げられている古代日本の「豊葦原」。ある日突然自分が闇の一族の巫女「水の乙女」であることを告げられた村娘の狭也は、あこがれの輝の宮へ救いを求める。しかしそこで出会ったのは、閉じ込められて夢を見ていた輝の大御神の末子、稚羽矢。「水の乙女」と「風の若子」稚羽矢の出会いで変わる豊葦原の運命は。



この頃はファンタジーを読むことは少なくなってきました。別に苦手とかいうわけではないのですが、なかなか機会がめぐってこない状況です。そんな中、伝説のファンタジーが文庫化されました。それがこの『空色勾玉』なんです。


初めて世に発表されたのは20年以上も昔の話になります。ジャンルとしては、児童書に属するのでしょうが、大人が読んでも面白い作品となっています。


古代の日本を舞台としており、神々も交えた壮大なスケールで物語は描かれています。それだけで、ファンタジーとしての魅力は十分なのですが、主人公の心情もとても綿密に表現されていて、舞台は古代でありながら、現代にもつながる繊細さを感じます。


そんな主人公たちの成長を感じながら、物語は加速していきます。一度読み始めたらその世界観に一気に引き込まれますね。多くの人がこの作品に感銘を受けるのは納得です。


この作品を第1作として『勾玉三部作』というシリーズになっているようなので、機会があれば残りの2作品も読んでみたいと思います。



満足度・・・87%



ピストルズ/阿部 和重
¥1,995
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まったくもってどうでもいい情報なのですが、最近は「3冊同時読み」にはまっています。以前ほど自由な時間が少なく、それでも読みたい本が次から次へと出てくることへの苦肉の策として始めたのですが、これはこれでなかなかいい感じですね。


【内容紹介】


「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている―」。田舎町の書店主・石川は、とあるキッカケから町の外れに住む魔術師一家と噂される人々と接触する。その名は菖蒲家。謎に包まれた一族の秘密を探るべく、石川は菖蒲四姉妹の次女・あおばにインタビューを敢行するのだが…。そこで語られ始めたのは、一族の間で千年以上も継承された秘術にまつわる、目眩めく壮大な歴史だった。史実の闇に葬り去られた神の町の盛衰とともに明かされていく一子相伝「アヤメメソッド」の正体と、一族の忌まわしき宿命。そして秘術の継承者である末娘・みずきが引き起こしてしまった取り返しのつかない過ちとは一体―?やがて物語は二〇〇五年の夏に起こった血の日曜日事件の隠された真相を暴きだしてゆく…。読むものをあらゆる未知へと誘う、分類不能の傑作巨篇。


たまにはフロンティア精神を発揮しようとして、たまたま書店さんで目にとまったってジャケ買いしたのが、この作品です。装丁もさることながら、帯が絶賛の嵐だったんですよね。「早くも2010年最高傑作」って書いてありました。出たの3月くらいなんですけどね。僕の好きな伊坂幸太郎氏『今年はこの本を読めたからもうそれだけで良い、と思えました』って言ってるし。これは否が応にも期待が高まるというものです。


そんなわくわく感を胸にいざ読み始めたわけですが、これがまあなかなか読み進まない。そろそろノリ始める頃だろうという経験則がまったくあてはまらない。終始独特の雰囲気の中、スローリーなテンポで読み進めていきました。


誤解しないでいただきたいのは、この作品が決してつまらないというわけではないということです。つくりこまれた世界観は圧巻の一言ですし、ひとりひとりの登場人物について相当深くまで掘り下げており、物語の隅から隅まで完成されていると言えると思います。「文学的に」は相当なレベルの作品なのでしょう。


ただ、いかんせんページをめくる手が重かったです。読み手の問題で合う合わないはあるでしょうが、個人的には少し読みづらい感じはありましたね。もう少し、いろんな作品に触れたらこの作品のすごさが改めてわかるかもしれません。


満足度・・・82%