平成24年10月1日より東京都最低賃金が13円引き上げられる | 人事のブレーン社会保険労務士日記

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東京都の最低賃金が平成24年10月1日から13円引き上げられ850円になります。
月給制では年平均月間所定労働時間が173時間とした場合
173時間×850円=147,050円
となります。
2,249円の引き上げです。

運送業、建設業、小売業、外食業などは大変です。

最低賃金が上昇しても、そのコストを価格転嫁できません。

小売業や運送業の経営者の方々から「何でこの時期に・・・」といわれます。

極端な話、昨日まで中学生であった高校生のアルバイトでさえ850円の最低賃金を支給しなければなりません。

一人前に仕事をこなせるアルバイトの賃金をそのまま据え置く訳にはいきません。
ですから人件費は上がります。

運送業も拘束時間が長く、最低賃金の上昇によるコストを価格転嫁出来ない業種です。

結果として正社員の賞与は下がります。
最低賃金の上昇→価格転嫁できない→売り上げが上がらない→人件費を増やせない
ですから最低賃金や残業手当と関係の無い賞与が減るのです。

下請け企業は経済状況が厳しい中、また国内の製造業については円高や新興国の労働市場と競合している為に仕事量の確保が難しいのです。
下請け企業はこの上昇コストを価格転嫁出来ません。
これが非常に厳しい。

円高、製造派遣の規制強化、社会保険の適用拡大、最低賃金の上昇、消費税増税。

どれをとっても経済対策をしているように感じられません。

企業の足を引っ張る政策です。

最低賃金の問題点はこの引き上げに関して政治の場で議論されないこと。
政令で決められますから。

円高は我が国だけではどうしようもない。
国内の雇用を守る為には、円高から企業を守り、製造業の海外移転を防ぐことが何より重要です。
生活保護費の水準が適正かどうかの議論はせず、この生活保護費を基準に最低賃金の上昇額を決めていることが問題なのです。
社会保険料は年々上がりますから、常に逆転現象をする余地がある。
そうすると毎年生活保護費の実質的水準が上がるのです。
保護費として受け取る金額が変わらなくても、免除されている社会保険料が上昇していますから、最低賃金との比較するベンチマークは上がるのです。
この比較により最低賃金額を決定する事はそろそろ見直さなければなりません。

そもそも経済対策をしている中で、最低賃金を上げるという判断は適切なのか。
地方自治体においても経済対策をしています。
国会や地方議会で最低賃金額を決める仕組みにしなくてはなりません。
経済対策の効果がなくなります。

今の経済環境の中で黒字決算を出すことがどれだけ大変か。
決算を黒字にする為に経営者はどれだけ自らにノルマを課しているのか。

最低賃金、労働者派遣、雇用均等、社会保険
厚生労働省の政策は企業経営と密接なものが多いのです。
政府全体で優先順位を決め、雇用を増やす為には今何をすべきか、しっかり考えるべきでしょう。
今度お話ししますが、労働者派遣の規制強化、社会保険の適用拡大、5年以上の有期雇用者の無期雇用化。これらは絶対に「格差」を生む政策です。

労働者保護というスローガンの下、広い視点で議論をせず、弊害を考慮していません。

確実に正規雇用の数を減らし、非正規社員でもフルタイムで働ける労働者は減ります。
このお話はまたすることとしますが、労働者保護とは逆行する結果となるでしょう。

それを検証するのが政治の場であり、マスコミの役目だと思うのですが、残念でなりません。

雇用の拡大とは、市場の拡大であり、市場を拡大する企業を応援することです。
理想で生きてはいけません。

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