昨日に続いて、タイガー
同社のビジネスモデルにも注目が集まっており、
販売方法は「売切れご免」。
世界500~600社に及ぶ多様な取引メーカーから
中間流通を介さず商品を買い付け、
ヒットしても追加生産などで深追いせず、
新商品にシフトするのが原則。
ヨーロッパでは2,000~3,000品目を扱うが
200~300品目は毎月入れ替わる。
商品の高回転はキャッシュフロー確保に貢献し、
来店客側からは「気に入った商品はすぐに買わないと
2度と手に入らない」との印象が植え付けられ、
購買意欲を刺激して販売を拡大させる循環を生む。
大阪の場合、常に売り切りで商品を回すため、
デンマークにも、取引先にも余剰在庫は無く
必要な商品確保に思わぬ時間がかかり、
開店時の混乱に拍車をかける一因となった。
極限まで商品回転を突き詰めると
緊張時の脆さとなり、
利益確保へ在庫圧縮を進める日本の小売業にとって
対岸の火事と言えなくなる。
また、物流面ではタイガーは当初、拠点を
出店計画のある上海に構え
日本と中国、更に欧州も視野に入れた
統合的な拠点とする構想であったものの
大阪店の販売が予想を大きく上回ったため
頻繁に追加発送を求められる
異常事態に対応出来なかった。
なお、同社は急遽8月、大阪府内に
物流倉庫を賃借する結果となった。
日本の小売業にも世界規模での
物流統合は不可避の課題で
国際化を図る企業にとってはタイガーの失敗から
学ぶべき事も多い。
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国内の小売業、多くは「売れない」で困っていますが
売れ過ぎた時のような非常時の為に、
如何に強力な後方支援体制が
敷かれているかも重要ですね。