14時00分~15時00分は、富士塚幼稚園空手道教室の稽古でした。

 

 19時00分~20時45分は、大和道場(下福田中学校武道が)の稽古でした。「組手模擬試合」をしました。

 

 さて、タイトルの件ですが、昨日は「お互い様スーパー」とコープのお店について書きました。しかし、読み直して見て、舌足らず、説明不足だと思いました。

 「お互い様」というのは、コープそのものの成り立ちだったのです。決して店舗に限らないという事です。そのコープの最初がイギリスの(ロッチデールという町で)労働者達が設立してロッチデール公正開拓者組合なのです。コープというのは通称で、正式名称(法律上の名称)は「消費生活協同組合」です。大きな意味では、労働運動の一部でもあります。

 

 その協同組合の歴史は、19世紀のイギリスにさかのぼります。皆さんご存知の通り、イギリスでは世界に先駆けて産業革命が起こり、生産が飛躍的に増大しました。しかし一方で、工場で働く人々は低賃金・長時間労働を強いられ、常に失業の不安にさらされていました。

 また、混ぜ物の入った商品や目方の足りない商品を高い価格で売り付けられるなど、みじめな生活をしていました。(この辺りは、エンゲルスの「イギリスにおける労働者階級の状態」に詳しいです。ほんの紹介は最後に注にあります。)

 

 そんな厳しく惨めな生活に耐えかねた労働者の間で、お互いに手をつなぎ自らの生活を守ろうという協同組合運動が生まれました。

 1844年にイギリスの工業都市マンチェスターの北東にあるロッチデールという町で、織物工など28人の労働者が、自らの手でより良い社会を生み出そうと「ロッチデール公正開拓者組合」を設立しました。

 彼らは、1年がかりで1人1ポンドを積み立てました。会社で言う資本金ですし、コープで言えば出資金です。皆(組合員と言います。)が少しづつお金を出し合って、必要なものを買って、適正な値段でこれを買うという方法(共同購入)になります。

 1848年12月、倉庫の1階に最初の店を開きます。このとき、売場に並んだのは小麦粉、バター、砂糖、オートミールの4品だけでした。しかし、混ぜ物がない、しっかりと計量された商品でした。

 

 同組合は、運営の為に決まりを定めました。「ロッチデール原則」と呼ばれるものです。

  1 購買高による剰余金(利益)の分配

  2 品質の純良

  3 取引は市価で行う

  4 現金取引

  5 組合員の平等(一人一票制)

  6 政治的・宗教的中立の原則

  7 組合員の教育促進

 

 このロッチデール公正開拓者組合に影響されて、イギリス国内では各地に協同組合が設立され、連合会も結成されました。この協同組合運動は、1800年代後半にヨーロッパ各国に広がっていきます。1900年代に入ると、当時のソ連などの社会主義国、アメリカ、アジア、オセアニアなど、世界中に広がり、協同組合は世界的となりました。その象徴が、国際協同組合同盟=ICAです。同連盟は1895年ロンドンに設立された世界の協同組合の連合組織で現在の本部はブリュッセルにあります。世界各国の農業、消費者、信用、保険、保健、漁業、林業、労働者、旅行、住宅、エネルギー等あらゆる分野の協同組合の全国組織が加盟しています。

 

 日本においては、明治初頭に経済書や新聞でロッチデール公正開拓者組合のことが紹介されたのが始まりで、1879年東京に共立商社・同益社、大阪に共立商店といった消費組合が誕生しました。しかし、これらの組合はマスコミのリーダーや実業家が組合員であり、出資金も高く、社会実験的なものであったことから短命に終わりました。

 現代につながる生協の歴史は大正時代に始まります。1921年に現在のコープこうべの前身となる神戸購買組合と灘購買組合、1926年に現在の大学生協の前身となる東京学生消費組合、1927年に東京に江東消費組合などが次々と設立されました。

 

 コープの大本・元祖はロッチデール公正開拓者組合ですが、その考えは「お互い様スーパー」と繋がっています。運営原則は組合員が「出資し、利用し運営する」です。

  出資:組合員となり出資金を出します

  利用:お店やその他のコープの事業を利用します

  運営:「経営」に役員(理事)になって参加したり、商品やお店や運営に意見や提案をします

 

 当道場もこのコープに考え方をベースに運営しています。

  出資:会費を支払います

  利用:道場の稽古やイベントに参加し、当道場を通して各種大会に参加します

  運営:道場の役員になり、また各種役割分担をします

 実はこれが書きたかったのです。(笑)

 

注:この辺りは、エンゲルスの「イギリスにおける労働者階級の状態」に詳しいです。

 

 

                   

 解説:一八四二年,父親の経営するマンチェスターの工場で働き始めたエンゲルス(一八二〇‐一八九五)は,資本家による苛酷な労働者搾取の現実を目のあたりにして,労働者の生活状態についての実態調査と研究を重ねた.本書はこの成果をまとめたもので,資本主義の原罪を明らかにしてゆく若きエンゲルスの情熱がほとばしる労働者生活史の古典.