18時00分~20時45分は、横浜道場(上矢部地区センター体育室)の稽古でした。「組手模擬試合」をしました。

 

 さて、タイトルの件ですが、重大な災害や感染症等で「非常事態」に陥った場合の国・地方の関係を示した地方自治法改正案の概要が1月17日に判明し(私の記憶では共同通信が同日に配信)、マスコミ各社が報道しました。

 

 これは、昨年12月21日に首相の諮問機関、地方制度調査会が、新型コロナ対応の課題を踏まえ昨年末にまとめた答申に沿ったものです。

 その答申については、朝日新聞の記事を転載します。

 タイトル:非常時に「国が地方に指示」規定創設 コロナ禍の混乱踏まえ答申

 掲載日:2023年12月21日

(転載開始)

 岸田文雄首相の諮問機関「地方制度調査会」(地制調)は(2023年)12月21日、全国規模の感染症や大災害などの非常時に、国が自治体に必要な対応を指示できる規定を創設するよう求める答申を首相に手渡した。政府は、新たな規定を盛り込んだ地方自治法改正案を早ければ来年の通常国会に提出する。

 地制調は、コロナ禍で行政の対応が混乱したことを踏まえ、国と地方の関係のあり方について議論してきた。答申では、コロナ禍の初期に集団感染が起きた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」のケースに言及。当時の法令では患者の搬送は自治体の責任だったが、多くの患者をどこの医療機関で診察するのかで混乱が生じ、国が調整に乗り出す想定外の事態が生じた。

 答申では、こうした事態が起きた際に、国が自治体に直接対応を指示できるよう、地方自治法に新たな規定を設けることを求めた。指示を出す要件は、国民の生命などの保護のために特に必要な場合で、閣議決定を経ることが適当とした。

(転載終了)

 今回の地方自治体法の改定(改悪)案は、将にこの答申を受けてのものです。改悪のポイントは、以下の通りです。

(1)非常時であれば、個別法に規定がなくても、国が自治体に必要な指示が可能

(2)上記指示については閣議決定を経るのが条件

(3)自治体は指示に応じる法的義務を負う

(4)が非常時への対処方針を検討する際、自治体に資料の提出を求める事が可能

 

 

 時事通信の記事では、以下の通りとなっています。

 現行の自治法では国から地方に「是正の指示」「是正の要求」は出来ますが、自治体の事務処理に法令違反がなければ行えない事となっています。そこで先の答申は、非常時の国の指示権を定める事を要請しており、総務省は同法改正を含め検討していたのです。

 非常時の対応を平時と明確に区分するため、現行の国・地方関係の章とは別に新たな章を設け、特例的に規定する事となります。国が指示する際は、事態が全国規模または局所的でも被害が甚大な場合など、規模や状況を考慮して判断します。発動には閣議決定を必要とし、一定のハードルを設けるとされています。

 

 しかし、その様な「緊急事態条項」を追加しなくても、現行災害対策基本法で既に、非常災害対策本部長(首相)はもとより、特定災害対策本部長(防災担当大臣)でも地方公共団体の長その他の執行機関に指示が出来ます。新型インフル特措法でも政府対策本部長(首相)は都道府県知事に指示出来るのです。

 

 地方自治体側が、「指示が乱発されれば地方の自主性を損なう」と懸念を示すのは当然です。ネットでは「能登地震のどさくさに乗じて政府に権力を集中させるショックドクトリンではないか」「この改正自体が『非常事態』だ」など政府の動きを危険視する声が上がっているのも当然です。また「発動には閣議決定を必要とし、一定のハードルを設ける」とされていますが、閣議決定は少しも「ハードル」にはなりません。「ハードル」を云々するのであれば、内閣とは違う機関である国会の関与を規定すべきです。

 

 結論です。

(1)この改定(改悪)を許す事が「非常事態」とも言えます。

(2)今回の能登半島地震でも、こんな改悪をしなくても現行法で幾らでも出来る事があったのに、岸田政権がそれを怠って来たのです。

 

 やるべき人(トップ)がやるべき事を行えば、「緊急事態条項」等は一切不要なのです。反対にこれを許せば、民主主義や地方自治の破壊に直結するのです。

 改悪に断固反対です。