18時00分~20時45分は、横浜道場(上矢部地区センター体育室)の稽古でした。「形模擬試合」は来週の西が岡小学校体育館で行います。
さて、タイトルの件ですが、全空連の機関誌『ナイスカラテライフ』2023年秋号での記事中に二つご紹介したいのがあります。
一つ目は、競技規定の改定(新ルール)です。こちらは、既にご存知の方が多くて、既に実施している大会もあります。当地神奈川県では、11月26日(日)の県少年少女大会(小学生大会)から正式採用となります。
二つ目は、性的マイノリティーについてです。二つ記事がありまして、一つ目は森優太選手によるトランスジェンダーのフェンシング選手杉山文野選手へのインタビューで、「こまったときの道しるべ 空手安心ガイド」で性的マイノリテイーについてです。
記事の掲載順に、今日は競技規定の改定(新ルール)のご紹介です。と言っても同誌の「ほぼデッドコピー」(注)状態です。私自身の確認/勉強という意味で書かせて頂きますので、ご了解の程、宜しくお願い致します。
まずはルール改定です。こちらは組手と形の両方あります。今日は組手ルールの変更点をご紹介します。
1 ウオーニング及びペナルテイーの区別
<新ルール> C1とC2の区別が無くなり、全ての罰則が累計される
注意1 → 注意2 → 注意3 → 反則注意 → 反則
<旧ルール> C1とC2の区別ががありそれぞれで加算された。
<解 説> 旧ルールは、空手道を知らない人達にとって理解しにくい面もありました。
更に選手が違反行為を多く積み重 ねたにも関わらず勝敗に何らの影響もないのは、空手道に対する悪い印象を与える為に変更しました。
<小林感想> 考え方に賛成です。ただ、最初は反則負け(反則勝ち)が多くなるかも知れません。
2 ウオーニング及びペナルテイーは主審の判断で与える
<新ルール> ウオーニング及びペナルテイーは全て主審一人の判断で与える事が出来る。
<旧ルール> ウオーニング及びペナルテイーは主審が提起した場合で、副審2名以上の同意が得られたときに、与える事が出来る。
<解 説> 新ルールでは、主審と副審の役割分担が明確になります。副審はポイントを探す事に集中し、副審は違反行為について責任を持つ事になります。
<小林感想> 主審の役割は重大です。一人で反則負け(反則勝ち)という大きな決定をしなくてはなりません。自分的には負担に感じます。
3 終了時の同点の場合の判定基準
<新ルール>終了時に同点で先取がない場合には、次の手順で勝敗を決する。
① 一本の多い選手が勝ち
② ①で同じ場合には、技ありが多い選手が勝ち
③ ②で同店の場合には、副審4名による判定で決める
④ ③で副審の判定が2対2の場合には、主審の判定で決める
<旧ルール>終了時に同点で先取がない場合には、主審を含めた5名の多数決で決める。
<解 説>新ルールでは、難易度の高い技を奨励しています。また、判定では副審4名のみで判定し主審は加わりません。2対2の同点の場合のみ、主審が決めます。主審の役割が違反行為を見つける事に在る為、判定において主審が多数派の意見と異なる判定となるリスクを避ける為の措置です。
<小林感想>まずは、難易度と言いますが、手技と中段蹴りを比較して、中断蹴りの方が難易度が高いというのは「ちょっとね」という気がします。そもそも上限蹴り1本、中断蹴り技有り、そして全ての手技を有効としたのは、観客が理解し易い「外形基準」によるものだと思います。
更に、確かに主審の時に「1(主審)-4(副審)」をやると恥ずかしい所があります。そういう点では、この部分は主審の心理的負担が軽減されると思います。また、主審の役割がポイントを探すのでなければ、そういう対応が良いと思います。
4 直立以外で有効打が決まれば一本(3ポイント)
<新ルール>相手の足裏以外がマット(床)に触れていた場合の有効打は1本(3ポイント)とする。
<旧ルール>相手の胴体がマット(床)に触れていた場合の有効打は1本(3ポイント)とする。
<解 説>相手が直立でなければ、腹ばいや仰向け、更には片手を着いた場合でも無防備な状態と考えらえ、この様な場合での有効打には一本を与えるという考えです。
<小林感想>確かに無防備な相手への有効打は一本だと思います。しかし、形手を着いたとか片膝をついた場合まで無防備を言えるかどうか疑問に思います。しかし、無防備かどうかを主審や副審のある意味主観的な判断に任せるよりも「外形的基準」とした方が、審判、選手、コート及び観客に理解され易いとも思います。
5 副審の旗が同数の時
<新ルール>ポイントに対して、副審の旗が同じ色に対して例えば技り1本、有効1本が上がった場合には、高い方の技有りをポイントとする。(高い方のポイント)
<旧ルール>ポイントに対して、副審の旗が同じ色に対して例えば技り1本、有効1本が上がった場合には、低い方の技有りをポイントとする。(低い方のポイント)
<解 説>「副審2名の合意が最終的判断である」に更に「より難易度の高い技を奨励する」とする新ルールの原則により、変更しました。
<小林感想>論理的には、当然の結論だと思います。
6 開始から15秒は不活動を取らない(追加)
<新ルール>残り15秒に加えて、開始後15秒も不活動を取らない。
<旧ルール>残り15秒では、不活動を取らない。
<解 説>戦術を決定する為に、試合開始時に相手の反応を見る時間を設けるのは合理的であるという理由から、開始後15秒も不活動を取らない様にしました。
<小林感想>私的には、「睨み合い」は駆け引きで空手道の醍醐味の一つだと感じています。ですので、不活動を取らない場面(時間)が拡大された事は良い事だと思います。
7 ビデオレビューの変更点
<新ルール>ビデオレビューで相手より後から出した技には得点を与えない。
<旧ルール>ビデオレビューで相手より後から出した技でも、主審の止めの合図の前であれば、得点を与える事がある。
<解 説>空手道は先取点を競う競技であるべきという考えに基づき「止めの前であれば両競技者の技が得点となる」という考え方はなくなりました。当該選手が相手より先に又は相手と同時に出した場合のみ、肯定的な結果(得点)が与えられます。
<小林感想>「止め」の合図の判断は、ある意味主観的でもあります。こちらも「前後」という「外形的基準」を明確にしたという事でしょう。
<注 デッドコピー >
(ウイキペデイアより転載開始)
デッドコピー(dead copy)とは、既存の工業製品、商品などの構造・仕様を、完全に、もしくは殆どの部分で踏襲して、元の製品・商品の権利者の適切な許認可を得ることなく複製した模造品のことを意味する和製英語。コピー商品、パクリ商品とも。海賊版も参照。
半導体業界におけるセカンドソース契約を結ばずに、オリジナル製品の仕様を元に造られた模倣品の蔑称。
ソフトウェアにおいて、正規の手続きをとらずに模倣・複製されたもの
(ウイキペデイアより転載終了)
自分的には「丸写し」という風に使っています。