『できればムカつかずに生きたい』田口ランディ著 晶文社 発売日:2000/10/20
を読みました。
ランディさんの若い頃の気持ちなどを回想しながら、その時代に起きた事件やご自身のことなどについての考え、意見をまとめたエッセイ。
これが出たのは2000年。私はちょうど就職した頃で、本を読むという気持ちの余裕を全て無くしていた時期でした。
就職してから何年も、仕事関連以外の本を楽しむということができなかったように思います。
でも、今回読んでみて、私はずっと、本を読むのが大好きで、そのことで世界を認識してきたのだから、そういう余裕を持てない時期にこそ、なにかのヒントを得るために、こういう本を読むべきだったなあ、と思いました。
でも、その頃の私は、目の前のことにいっぱいいっぱいで、さらにプライドとか反抗心とかで気持ちがねじくれていたので、読んでもあまり活用できなかったかもなあ。
メンヘラっていう言葉も当時はなぜか毛嫌いしていて自分とは無関係と思っていましたが、この本を読んで、そういった人達が持っている感情がとても理解できるし、そういう側面は私自身の中にもたしかにあったなと感じました。
ランディさんは世間一般の意見の逆の意見でも、自由にどんどん書いているのが伝わってきて、それが面白いです。
なんで世間で言われている意見と違うことを言ったり思ったりするのがこんなに苦しいのかな、どうして変わってちゃだめなんだろう。
そう思っていた若い頃の気持ちを思い出しました。
今の世代の若者がこの本を読んでどう思うのかわからないですが、苦しい時に読んでみてはとおすすめしたくなるような本でした。