●不人気車種のSUZUKI バンディット1200に惚れ込んでしまった | FUTA

●不人気車種のSUZUKI バンディット1200に惚れ込んでしまった

2020年7月13日(月)〜15日(水)

今月は毎週のようにナゴヤブランチに行っている。
いつもは新幹線で通っているのだけど今回はバイクで行くことにした。



今回は愛知県のクライアントとの打ち合わせと
浜松にあるWEB制作会社に新規依頼の相談で訪問するのだけど
そちらの社長がボクの古い知り合いでかなりのバイク乗りなので
オートバイで訪問したら喜んでいただけるかなと思い
しつこい梅雨の中をバイクで出掛けたのです。




ロージンZの車検がまだ上がってこないので代車のバンディット1200です。




浜松のWEB制作会社に訪問した後は高崎を抜いて
餃子消費日本一になった浜松でも有名店らしい「福みつ」でランチ。
このお店は餃子以外にメニューがないという潔さ。

ランチ時は市街地から離れた郊外にもかかわらず行列ができるほど。
名物というか唯一のメニューの餃子は揚げ餃子といってよく
カリッとモチモチの合わせ技が人気なのだろうな。


愛知県岡崎と静岡県浜松でふたつの打ち合わせを終えて。

往路はフツウに新東名で名古屋に向かったのだけど
復路はバンディットを楽しみたくてちょっと遠回りだけど中央道を走って帰る。

SUZUKI バンディット1200。
これはちょっと惚れ込んでしまったかも。

先日の箱根・伊豆ツーリングで初めて乗ってそのバランスのよさに驚いたのだけど、

※その模様はこちら。

今回は高速道路を往復700kmほど走ってみてますますコイツが気に入ってしまった。

おそらくバンディットが不人気な理由はこのデザインなんだろうね。
たぶんSUZUKIもGSFを発売後にそのことに気付いて
オーセンティックなデザインのイナズマ1200を出したのだけろうけど
これもまた他社のビックネイキッドには及ぶことがなく
再び初志貫徹と思ったのかGSFの路線を継ぐバンディットとなった。

ちなみに国内では不人気車種となったけど海外での評価はとても高く
バンディットは人気車種としてロングセラーとなったようだ。
これは後述するけど日本人のオートバイに対する考え方の違いなのかもしれないね。


実はボクは当時からあの油冷エンジンを搭載したネイキッドのGSFには関心があって
雑誌のインプレッションを読んでSUZUKIらしい過激なマシンなんだなと思っていたのだけど
乗る機会はなくようやく車検代車で後継機のバンディットに乗ってみて
SUZUKIのオートバイに対する設計思想を感じるくらい感心してしまったのだ。

1995年に発売されたGSF1200からイナズマを経てバンディットは2000年にリリースされた。
ボクの愛車であるZ1000Jは1982年製で18年もの歳月を経ているので
単純に比較はできないしむしろ最新マシンと言えるほど進化しているのだけど
バンディットはちょうど現代とZ1000Jとの中間の年代のマシンということもあり
空冷全盛の時代と現代のハイテクマシンにつながる過渡期のバイクなんだね。

SUZUKIが世界に誇った独創的な油冷エンジンはハンドルとステップに
番手の細かいヤスリのような振動を伝えてきて
4気筒エンジンに乗っているんだということを思い出させてくれる。
ささいなことだけど、この感触はボクのようなオールドライダーには大切なポイント。

そして加速する時のキュイーンというエンジン音はまるでジェット戦闘機に乗っているかのような高揚感がある。
例えば重厚なF15イーグルではなくF16や空自F2のような軽快感のある戦闘機のような。


不人気なこのデザインも乗りこむうちに悪くないと思えてきた。

いまは当たり前なのかもしれないけどネイキッドとはいえ空力も考えられていて
メーターやバックミラー、さらにタンクの形状も
ライダーへの風圧を和らげている。

なんといっても400ccと大きさが変わらないコンパクトなフレームに
1200ccのエンジンが収まっているというギュッとしたプロポーションを
前後17インチの太いタイヤが支えている姿が力強くみえて
このSUZUKIらしいユニークなマシンがことのほか素晴らしいと思えてきたのだ。

この当時のネイキッドはスタイリングを重視していたのか
2本サスが主流だったのだけどバンディットはあえてモノサス。
これは現代で超人気車種となったZ900RSと同じレイアウトで
言ってみれば20年も先取りした次世代のネイキッドだったのかもしれない。

これらがコンパクトな油冷エンジンを活かした設計なのだとしたら
当時のビックネイキッドとは明らかに違うコンセプトを持っていて
SUZUKIのオートバイに対する考え方の独自性を感じてしまうのです。

独特のデザインにしてもヨーロッパで人気があったという事実に納得させられるね。
近年はBMWやドカ、トライアンフ などヨーロッパの車種が日本でも人気だけど
2000年の頃はゼファーに代表されるオーセンティックなネイキッドか
レーサーレプリカの流れをくむSSのどちらかというのが日本のバイクマーケットだった。
その頃のヨーロッパメーカーは新世紀の新しいバイクのありようを模索して
様々なチャレンジを試みていたように思う。
いまようやく日本のライダーもそれを受け入れるようになったのではないのかな。
バンディットはそんな時代に誕生した日本では珍しい一台なんだと思う。


職業ライダーを除くとオートバイって趣味の世界なので
車種によって人気不人気がはっきりしている。
この頃は中古のZ1000MkIIが200万円を下らなくなってきたし
先日はレッドバロンでもZ1のレストア車に500万円の値がついていた。
希少なビンテージはそもそも高額だけど70〜80年代のクラシックも高騰している。

MkIIのカスタムは確かにカッコいいけどそれがどうなんだってこの頃よく思うんだよね。
オートバイの楽しさって人それぞれだし楽しみ方もそれぞれだけど
MkIIのカスタムに乗っている「カッコいいライダー」はあまり見たことがないという。。。

これは偏見かもしれないけどマシン偏重はオートバイ本来の楽しみを見逃しているのかも、
なんてことを不人気車であるバンディットの素晴らしさに気づいて考えさせられたのでした。

ボクのZ1000Jもクラシックではそれなりに希少で人気車種なんだけど
これを手放してバンディット1200に乗り換えるかブルブルと思案中です (^◇^;)

※バンディット1200のフアンも大勢いらっしゃると思います。
不人気車種と決め付けて申し訳ありません (^◇^;)