仕事と戯れ言と小説の日々 -8ページ目

仕事と戯れ言と小説の日々

何気ない日々や小説を綴っていきます

「全くお前というやつは…」


その言葉に、机に向かったショートカットの少女、上村雷架(ウエムラ ライカ)はうつ向いた。


「ごめん……」



「そうそう、あんなやつの小言を聞くのも嫌だしね」


雷架の正面の机に腰掛けて足を組むのは、癖のないセミロングの髪の園田水希(ソノダミキ)だ。



顔は笑ってはいるが、細められた瞳はなんとなく笑ってないように見えた。



「今度から気をつけてね」



雷架の隣に立っているロングヘアーの藤沢風美(フジサワ カザミ)が笑顔で優しくそう言った。



にこにこと穏やかな笑顔で雷架を見つめていた。



「うん」


雷架が笑って言うと、水希はやれやれとため息をついた。



「風美、ちょっと甘いんじゃない?」



「そんなことないよ~」


「だって、雷架いっつも」


「いい加減やめたらどうだ、水希」


水希の言葉を遮ったのは、寄りかかっていた壁から背中を離し、腕組みを解いた新川火冴(アラカワ ヒサエ)だった。

腰まである長い髪をポニーテールにして、無表情で水希を見つめていた。


「………」


水希は多少不満げな顔をしていたが、すぐにまっいっかと呟いた。


「そんなことより、夏休みはどうするの?」


足を組み直した水希が身を乗り出す。


「まだ早いだろう、二週間はあるぞ」


火冴が渋い顔をする。



いいじゃないの、善は急げよ」

雷架が便乗する。



「雷架、ちょっと使い方間違ってるわよ」


風美が少し困り顔でたしなめる。


「そういう問題か・・・・・・」

火冴が半ば呆れ顔で嘆息する。


「はいはい、私海行きたい!」


雷架が元気よく手をあげて宣言した。



「いいね~」


「海か、そう言えば去年行きそびれたし、いいかも」


にっこり水希は笑って机から降りた。


無言で微笑む火冴。異議は無いようだ。



雷架は心底嬉しそうに笑い、ポンと手を打った。



「じゃ決まりね!そうだ、今度の日曜日水着買いに行こうよ」



「体育で使ってるやつじゃだめなのか?」


「もう、火冴ったら遊び心がないんだから」


水希がやれやれと首を振る。


「やっぱり水着は別に用意しないと」


「そうか?」


水希と雷架に押されながらも、火冴は渋々納得した。

「じゃ決まりね」


風美がおっとりと笑って言う。



「それじゃ日曜日の10時に駅前ね!」



最後に雷架がそう締めくくったところで、授業開始の合図が鳴り響いた。