夫婦問題・離婚カウンセラー 山咲みき
自己肯定感の低さがもたらす不幸
最近、ご相談の中で多く見受けられる「自己肯定感の低さ」が悩みの原因を作っているという問題について。
自己肯定感とは?
ウィキペディアによると、自己肯定感とは「自らの在り方を積極的に評価できる感情。
自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり(自尊心)、自己存在感、自己効力感と同じ意味あいで用いられる感覚」とあります。
これは、物事に取り組む意欲(モチベーション)や幸福度にも大きく関わってきます。
夫婦問題で悩んでいる人は、この自己肯定感が低いことが問題を生んでいるケースが多く見受けられます。
自己肯定感が低いとどうなる?
自分を愛し、自分を認めることがなかなかできない人の代表的なふたつの特徴として
- 何でも「どうせ自分は」と考えてしまう
- 褒められても素直に喜べないし、褒められている自覚すらないこともある
- できる人と比較して落ち込む
- 必要以上に自分を追い込む
- 何にでも不安や心配を抱える
- 人の目が気になる
- 人に流されやすく依存しやすい
- 自分の力量以上に頑張り過ぎる
このように消極的で自分の気持ちより他人軸で行動するタイプ。
もうひとつは・・・
- 見栄っ張り
- 自慢話をしたがる
- 人を批判したり貶めたりする
- 自己顕示欲が強い
自分を認めることができないことの弊害の裏表
夫婦のお悩みの典型的な例として、この自己肯定感の低いもの同士の悩みが挙げられます。
夫婦共々、自分を認めてあげる意識が低くても、消極性の強いタイプと攻撃的なタイプが夫婦になると、いわゆる「DV,モラハラ」の悩みへと発展していくことが多く、その代表的な例が「モラハラ夫に耐える妻」という図式です。
このふたつのタイプ同士は、磁石のように引き合ってしまう傾向にあります。
攻撃型タイプは自分の自信の無さを認められないので、それを見せまいと攻撃的な態度で威圧し、消極型タイプはその理不尽な態度を、自分の自信の無さから受け入れてしまうという需要と供給が合致した関係性が成り立ってしまいます。
消極型タイプは、パートナーの理不尽な攻撃性に耐えられないと思いながらもそこから離れられないのは、自分に自信がないという事が大いに影響しています。
消極型のご相談者さまにとっては、威圧的なパートナーも自己肯定感が低く、自分に自信がないからトラの皮を被っているだけと説明しても、にわかには信じられないと言います。
「弱い犬ほどよく吠える」です。
ご相談者さまの中には私から見れば十分に努力家で忍耐強く、能力も決して低くはないと思えるのに、日常的に威嚇され批判されて感覚が麻痺してしまっているとても気の毒な奥様、旦那様が多いのです。
自己肯定感を正しくもっていれば、例え否定や批判されても反論することができるし、そんな理不尽なパートナーの態度を毅然と撥ねつけることもできるのに、人の習慣というものは理屈では分かっていてもなかなか変えることができないものなのでしょう。
理不尽だと思いながらも、無意識レベルで従ってしまう。
たとえ嫌だと思っていても、従うことでそこに自分のアイデンティティを見出しているかのようです。
自己肯定感が高まるとどうなる?
ところが、カウンセリングを続けているうちに少しづつ自己肯定感を取り戻していくと、今までの自分の間違った認識を認め、しない方がいいこと、すべきことが見えてくるのです。
自分の間違いを受け入れることができると、不思議な事に物事がどんどん変化していきます。
今までどんなアドバイスにも消極的な反応しかしなかったご相談者さまが、積極的にアドバイスを受け入れ行動し、それによって状況が少しづつ変わり始める。
今まで悩んでいたことにこだわらなくなり、目的意識を持って前向きな発言が増えて来たのです。
ここ最近、似たようなお悩みでご相談されていたお二人のご相談者様が、どんどん変わっていくのを目の当たりにして「自己肯定感がこんなに人を変えるのか」と、嬉しい驚きを感じています。
夫婦関係にお悩みの方は、もしかしたらそれは「自己肯定感の低さ」から来るものかも知れないと考えてみて欲しいと思います。
「結婚生活と離婚に悩む人の伴走者」
山咲みき
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