DVやモラハラから逃れたいと思ってもそれができない本当の理由とは?
旭川 夫婦問題 離婚カウンセラー 山咲みき
DVやモラハラの相談を受けていると、どうすればDVやモラハラを受けずに済むかという解決策よりも、被害を受けている側に強い心理的錯誤が生じていると感じることが多々あります。
一般的にはその心理的状態を「共依存」と言われていますが、私は「ストックホルム症候群」の心理状態に似ているのではないかと感じるようになりました。
ストックホルム症候群(ストックホルムしょうこうぐん、英語: Stockholm syndrome)とは、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人との間に心理的なつながりを築くようになることをいう。名前に反して症候群ではなく、心的外傷後ストレス障害に分類される。(Wikipedia参照)
最近では、DVや虐待を「家庭内ストックホルム症候群」と呼ぶ傾向もあります。
日常的にDVやモラハラを受けたり、何かのきっかけで強いショックを受けることで恐怖心に支配されてしまうと、そこから逃げることすら恐怖の対象となってしまいます。
通常の心理から考えると、一緒にいることが恐怖ならそこから離れることが一番手っ取り早くDVやモラハラから逃れることだと思うのですが、それだけでは解決しない被害者側の複雑な心理が働いている場合、被害者の心理はストックホルム症候群と同じような状態になっていることが多いようです。
日常的な心的ストレスを回避するために、加害者に対して擁護するなどの心理的つながりを持つことで理不尽な関係性を正当化し、ストレスを回避しようとしているのかもしれません。
普段は自分を痛めつける恐怖の対象でも、何かのきっかけに優しい態度や弱さを見せられて「本当は優しい人だから、私が理解してあげなければ」という擁護的心理が働き、暴言や暴力から逃げることは「相手を理解せずに拒否すること」「逃げる自分は卑怯な人間」というような加害者を擁護して自分を責めるような間違った認識に囚われてしまうのが特徴といえるでしょう。
はたから見れば「どうしてそんな状況に我慢しているのか」と思いますが、本人は我慢しているというよりは加害者を擁護しなければならない使命感のような感情を抱いているのです。
恐怖やストレスに堪え続けるより、相手を擁護するで自分は必要な存在と希望的な展望を見出すことでストレスを軽減させようとしているのかもしれません。
そんな状態に陥ってしまている場合、第三者がどんなに説得しても被害者本人が加害者側を擁護する使命感に囚われている以上、問題解決は被害者自身が間違った認識に縛られていることに気づかなければ何も解決しないのです。
自分はそうではないと思っている人の中にも、この例に当てはまる人は少なくないと思います。
なぜなら、ストックホルム症候群は自分で認識しないうちにその心理に陥ってしまい、自覚がないままそれが当たり前になってしまっているからです。
そしてもっと厄介なのは、それを認識することに拒否反応を示すことです。
これらの心理状況は夫婦間のDVやモラハラに関してだけでなく、学校や職場、ママ友などの付き合いの中にも様々な形で存在していると思います。
「もしかしたら自分は・・・」と、思い当たることはありませんか?
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