一日(いちじつ)作(な)さざれば、一日(いちじつ)食(く)らわず (五灯会元三・百丈大智章)
一般によく知られているこの語は、百丈慧海(ひゃくじょうえかい)禅師のお言葉で、禅門においては、古来、生活の基準となる金言として伝えているところのものであります。
百丈は、従来の僧侶の生活様式に改革を加え、禅の宗旨にふさわしい独自の規矩を制定し、すなわち有名な『百丈清規(ひゃくじょうしんぎ)』をつくり、そして、禅が禅宗という一つの宗派として独立する基礎を築かれたかたであります。
この『百丈清規』はただに禅門のみではなく、日本においては、武士道、茶道、小笠原流礼法など、多方面にわたって深い影響を与えております。
(つづく)
(※)
「茶席の禅語」(西部文浄著) から引用させて
いただきました。
「一日作さざれば一日食らわず」というのは、一般的な言葉で言えば、働かざる者食うべらかず、ということになるのでしょうか。
タダ飯食らいという言葉の逆のような意味でしょうか。
でも、禅の言葉ですから、そんな浅い意味ではないのでしょうね、きっと。