この本は原著「The Real Anthony Fauci」の日本語翻訳版です。2021年11月9日に米国で発売された本書は書店に置かれず、主要メディアに無視され、様々な妨害を受けながらもまもなくミリオンセラーになりました。その後、ドイツ語、ノルウェー語、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、スロバキア語に翻訳され、とうとう日本語の翻訳版が出ました。

原著の名称は「The Real Anthony Fauci」、直訳すると「本当のアンソニー・ファウチ」となります。アンソニー・ファウチ博士(略してファウチ)は、米国のトランプ、バイデン両政権で新型コロナウイルス対策の指揮を執った人で、米国の感染症対策医療行政の第一人者です。日本でいうと、尾見茂氏に当たる、というとわかりやすいかも知れません。そのくらい有名な人ですから、以下のように、日本のマスコミも取り上げています。

 

日本のコロナ対策の基本は、マスク、ロックダウン、ソーシャルディスタンス、そしてワクチンでしたが、この対策は基本米国と同じです。というよりも米国のやっていることを日本が真似ているといっても過言ではないでしょう。特にワクチンは本来の試験が終えていないにもかかわらず米国は緊急承認し接種を開始しましたが、日本もそれにならい接種を始めました。米国で承認されたコロナの治療薬は、しばらくすると日本でも十分な検査がなされないまま承認されました。このようにみていくと、日本のコロナ対策はファウチによって主導された、と言ってもおかしくないでしょう。

 

そのファウチが、コロナ対策で実際どのようなことをやってきたのか、この本には詳細に記されています。その一部を簡約化してお伝えします。正確さよりもわかりやすさに重点を置いて書きましたから、正確に知りたい人は元の本を読んで下さい。Amazonで買えます。

 

『ヒドロキシクロロキンという薬があります。マラリアの予防薬として有名で、アフリカの人たちの多くが週に一度服用しています。65年の歴史があり、マラリアだけではなく多くの病気に対して効果があり、しかも、安全です。そのため、多くのアフリカの国々、インド、フランス、カナダ、イランなどでは市販され、普通の薬局で購入できます。米国でも、米国疾病対策センター(CDC)の情報誌が、妊婦、授乳中の女性、子供、乳児、高齢者、免疫不全の人、健康な人すべてに安全であるとしていました。

ところで風邪のウイルスの多くは、今回問題になった新型コロナウイルスの仲間のウイルス(新型ではないコロナウイルス)です。パンデミックの前に、ヒドロキシクロロキンがこの「新型ではないコロナウイルス」に対して有効でしかも安全であることが明らかにされていました。2002年SARSサーズ)という感染症が中国で広がり問題になりましたが、このSARSウイルスも、「新型ではないコロナウイルス」の一種です。米国のCDCは、「クロロキン(ヒドロキシクロロキンと化学的によく似た物質)はSARSウイルスに対して強い抗ウイルス作用を示す」ことを明らかにしました。また、2012年に主として中東地域で問題になった感染症のMERS(マーズ)も原因となるウイルスは、「新型ではないコロナウイルス」の一種です。米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)はMERS(マーズ)ウイルスに対してヒドロキシクロロキンが有効であることと述べていました。

そのため、米国の多くの医師たちは今回のパンデミックの初期(2020年2~4月)に、新型コロナウイルス感染症の患者や家族に対して、ヒドロキシクロロキンを与えて、優れた結果を得、医師自らも予防的にこの薬を服用しました。米国以外でも、中国、フランス、サウジアラビア、イラン、インド、などで効果が確認されていました。新型コロナ感染症以前には、安全性への懸念からヒドロキシクロロキンの使用を否定する証拠を示した研究は1件もありませんでした。しかし、パンデミック発生後、ヒドロキシクロロキンは「危険な薬」とされました。その根拠となる試験を行ったのが、ファウチやその仲間(ビル・ゲイツら)の配下の病院です。彼らの行った試験の内容の一つは次のようなものでした。

ヒドロキシクロロキンは標準的な治療では1日あたり400mg投与しますが、1日あたりの投与量として1日目2400mg(致死量に近い量)、2日目以降は800mgを与えました。この研究の対象となった人は4500人以上です。結果はヒドロキシクロロキンを投与したグループは投与しなかったグループに比べて10~20%死亡率が高くなりました。薬は多く与えすぎると普通毒になりますので当然の結果といえます。しかしこの試験結果からの結論は、「ヒドロキシクロロキンは危険である」であり、試験での「薬の多すぎる投与量」は無視されました。そして、2020年6月、この薬はコロナの治療薬として承認されなくなりました。なぜこんな馬鹿げた試験が、医療行政を決定する根拠になるのでしょうか?さらに驚くべきことに、この試験のイギリスでの責任者はピーター・ホービーという医師でしたが、彼はその後異例の昇進を続け、最近(2021年?)エリザベス女王からナイトの称号を授かりました。

この実験を主導したのはファウチです。ファウチは、なぜヒドロキシクロロキンを否定しようとしたのでしょうか?

ヒドロキシクロロキンは特許の切れたジェネリック医薬品です。安い薬なので患者にとっては非常にありがたいです。しかし、製薬会社にとっては逆です。いくら売れてもあまり利益になりません。製薬会社が売りたいのは、特許が切れていない高い薬(たとえばレムデシビル)やワクチンです。これらが売れれば、巨大な利益につながります。

ファウチは、長年米国アレルギー感染症研究所(NIAID)の所長を勤めました。彼は50年間という長い期間を通じて、米国大手製薬会社とつきあいを深め、NIAIDを製薬会社御用達の研究所にしました。製薬会社にとって有利な実験結果を出す研究所ということになります。もちろん大きな見返りがあるでしょう。さらに、年間60億ドルの予算を利用して、多数の公的機関や影響力の大きい民間団体を支配し、管理しています。つまり製薬会社に不利な研究を発表しないように圧力をかけている、と考えられます。

ファウチらの力は巨大IT企業にも及びます。米国のある医師が2020年3月に「ヒドロキシクロロキンが新型コロナに有効である」とツイートしそのなかでGoogleドキュメントへのリンクを公開していましたが、Googleはそのドキュメントを削除しました。Googleには、製薬会社の利益に反する情報を抑制してきた長い歴史があります。Googleの親会社のアルファベットは複数の製薬企業(ワクチン関連会社)を所有しています。ヒドロキシクロロキンの有効性をうたうコンテンツを禁じたソーシャルメディアはGoogleだけではありません。Facebook、Instagram、YouTubeなど巨大IT企業のプラットフォームはヒドロキシクロロキンの有効性をうたう情報を削除し、ファウチとその仲間(ビルゲイツら)が支配する公衆衛生機関(米国国立衛生研究所(NIH)、世界保健機構(WHO)など)が作成した大手製薬企業のプロパガンダに置き換えています。』

 

ファウチは現在83歳、2022年12月にようやく政府職を退任しました。

 

「ヒドロキシクロロキン」をご存じの方はあまりいないのではないでしょうか?パンデミックの初期(2020年4~6月ごろ)、日本の大手マスコミがこの薬を取り上げることはなかったと思います。しかし、櫻井ジャーナル(以下のサイト)は取り上げていました。

 

この薬は、以下のサイトを通じて購入可能です。

 

 

また、以下のサイトにはヒドロキシクロロキンとよく似た効果を示すキニーネの作り方が載っています。