どうも、チームザイビクス隊長のnobleです。

 

祝・グランツーリスモ7発売1周年!!!

おめでとう!

一時期はあまりに不評すぎてサービス終了か?なんて噂を聞いた事もあったり色々ありましたし、未だ不満な点は山積みですが、まぁ、プレイ人口が多い限りは急に終わったりする訳無いですよねw

 

…そんな事より、早くメラクのブレーキキャリパー直せやwww

 

そして、それはチームザイビクス本格活動開始1周年でもあります。

つまり、この画像も1周年です。

コレはまぁ全体的には好評でしたが…

「クルマのセッティングというものは、理屈を理解した上で考えないと形にならない」

「こんなインチキ信じちゃいかんぞ」

…等という専門家様の意見も数多くいただきました。

 

 

…そんな事、私もわかっていますよ!!!!!

ただ、コレは初心者のためのアドバイスなんです。

何も知らない初心者にいきなり理屈を説明しても、

「はぁ?セッティングむっずwwwきもwww GT7やめるわwww」

となるじゃないですか!

だから、完全解説にならない事を承知の上で、簡素化したのです。

 

しかし結局は、後から自分で見て思いましたよ。

「コレ、正直あんまり参考にならんな…」と。

何故なら、理屈やらインチキやらという理由もありますけど、

何より「"曲がる様にする"と一口に言っても様々な方法や方向性があり、例えばフロントのグリップを増やすのとリアのグリップを削るのとでは、シチュエーションによってどちらが相応しいかが違ってくる」からです。

 

だから、ずーっと考えていました。

いつか、本格解説をしようと。

それも、出来るだけ初心者の方々にもわかりやすく。

 

で、ずーっと考えてたのですがね…

もっと早くブログにするはずだったのですが、

色々やっている内に…

どんどん後回しになって…

 

…いつの間にか、祝!1周年!!!!!

かえって丁度いいじゃないですか!

だから、発売1周年記事です!

おめでとう!

という訳で、今回はサスペンション、ディファレンシャル、ダウンフォース、ブレーキバランスコントローラー、ステアリングアングルアダプター、の、主にクルマの挙動に関するセッティング項目の解説をしていきたいと思います。

 

 

 

 

1.まず知っておかないといけない事

 

最初に、セッティングをする上の考え方の土台として、

「荷重移動」について知っていただきます。

ちなみに、以下の荷重移動に関する解説は、「週刊東京EXランナー#1「乗りやすいセッティング」とは?」での解説の改訂版です。

 

〈基礎知識としての荷重移動について〉

荷重とは、簡単に言うと

「クルマが減速または加速した際にタイヤを下に押し付ける力」です。

まず、クルマを「中心に棒が立っていてその先に重い物が付いており、四隅ににタイヤが付いている長方形の板」と考えましょう。(車種によってはこの通りにならない事もありますが、ここでは割愛します。)

これが走っている途中で減速すると、重い物の付いている棒は前に倒れます。こうなると、前タイヤに上から下へ向かって力が加わり、下へ押しつけられますよね。電車の中で立って乗っている人が、電車を停車されると前に倒れそうになるのを想像するとわかりやすいと思います。

逆に、加速した際に棒は後ろに倒れ、後タイヤに力が加わります。

これが、「荷重移動」です。

 

これらは、サスペンションの「固有振動数」と「減衰比」、そして「車高」によって大きさを調節する事ができます。

例えば固有振動数を硬くすればする程荷重移動が小さくなりなり、柔らかくすれば大きくなります。

そして、タイヤにはどんなものにも「これ以上の力が加わると、盛大に滑り出しちゃうよ!」という、いわゆる"限界値"があります。

タイヤの能力を最大限引き出したいなら、走っていてその限界値を超えないギリギリの数値を探る事が必要なのです。

そして、タイヤは限界値を超えなくとも、曲がっている際には常に少しづつ横に滑っているものです。その滑っている量の前後のバランスが、車が曲がりやすいか曲がりにくいかを左右します。

 

…以上が、荷重移動に関する基礎知識です。

 

 

 

 

2.ここからがセッティング解説本編

 

荷重移動をしっかり理解した上で、やっとメインコンテンツです。では、詳しく解説していきましょう!

 

※注意:以下の解説では「曲がる」は「安定する」の対義語とします。

 

1)サスペンション

(全項目をセッティングするためにはフルカスタマイズを装着しておく事)

 

・車高

先程の「棒の先に重い物が付いてる」の図からわかる様に、てこの原理的な要領で、車高が上がれば上がるほど荷重移動は大きくなります。そして前後で高さに差を付けてあらかじめ車体を傾かせておくと、その傾いた方向に傾いただけ荷重がかかりやすくなります。つまり話をまとめると

「全体的に低くすれば荷重移動量小、高くすれば荷重移動量大、フロントを低くすれば曲がる、リアを低くすれば安定する」となります。

後、重要なのが、GT7には「タイヤのフェンダーへの干渉」の概念がある事です。なのでサスで車高を落としすぎると色々と支障が出ます。例えばコーナリング中に車体が小刻みにカックン、カックンと揺れる様な動きをすれば、フロントタイヤがフェンダーに当たっているサインです。そうなった場合は全体的に車高を上げて解決しましょう。

 

 

・アンチロールバー

固有振動数や減衰比が前後の荷重に関係する物なら、アンチロールバーは言わば左右の荷重移動に関係する物。基本的に柔らかいとその部分のグリップが高くなり、硬いとグリップは逃げていきます。ですが柔らかければ柔らかいだけグリップするかと言われると一概にもそうとは言えず、特に硬くすればそれだけその部分の操作に対するクイック感、ダイレクト感も高くなります。ただ車種によってはフロントを硬くしすぎると急減速時にハンドル操作が効かなくなったりする事もあるので、注意が必要です。

 

 

・減衰比

所謂ダンパーの数値。ダンパーは本来、スプリングに力が加わった後にその反動で車体が揺れたり跳ねたりするのを防ぐ部品。これらの数値のセッティングにより、荷重移動の速さや量等をコントロールする事ができます。

 

a).縮み側:数値が低い程その部分に荷重がかかりやすくなり、高い程荷重がかかりにくくなります。また数値が低い程荷重移動のスピードが速くなります。例えば減速時に曲がらなかったらフロントの数値を下げ、逆に不安定になるなら上げてみましょう。さらに、固有振動数と合わせてセッティングを考えれば、「フロントの固有振動数は高めだけど減衰比の縮み側は低め>>安定性がありつつも荷重移動はクイック」なんて事も可能です。

 

b).伸び側:数値を低くすればその部分に荷重がかかりにくくなり、高くすれば荷重がかかりやすくなる上にその部分から荷重が抜けにくくする事ができます。例えばフロントの数値を高くすれば、加速時にフロントが浮いた際にグリップが失われにくくする事が可能です。

 

 

・固有振動数

所謂スプリングの硬さ。柔らかくする程車体はその方向に大きく傾きやすくなるので、荷重移動は大きくなります。全体的に硬くする程挙動変化が少なくなり、柔らかくする程挙動変化が大きくなり車体の動きも大きくなります。

スプリングにおいて「もっと曲がる様にしたい」となる場合は大きく分けて2パターンあり、

「減速時(つまりフロントに荷重が乗った時)に曲がる様にしたい」という場合はフロントを柔らかくし、

「加速時(つまりリアに荷重が乗った時)に曲がらなくなるのを解消したい」という場合はリアを固くしましょう。

また、基本的に柔らかい(要するにグリップ力の高い)タイヤを履く時程固有振動数は全体的に高く、逆に固いタイヤを履く時程低くする様に心がけましょう。

 

 

・キャンバー角

正直一番厄介なやつ。コーナリング中に車体が左右に傾いた際にタイヤも一緒に傾きますが、その際にあらかじめ傾く方向と逆に角度を付けておく事により、コーナリング中のタイヤのグリップ力の適正化を図るための設定。

…なんですが、適正値が車種や走りたいコース、さらにはややこしい事に他のセッティングの数値によって変わってきます。いや、本当の事を言えば全部の項目がそう、といってしまえばそうなのですが、特にキャンバーはそれが顕著に出ますし、コレを間違うと全てがダメになってしまいます。とりあえずわからなかったら全後2.0程にしておく事をお勧めします。

しかも、ですよ。角度を付ければ付ける程、直進安定性(真っ直ぐ走っている時の安定性)が失われます。なので基本的に、挙動変化の大きい旧車等はあまり付けない様にしましょう。

 

 

・トー角

パッと見、何が何だかわからん!となりがちのトー角ですが、とてもわかりやすい考え方があります。

「コーナリング中に、上から見た外側のタイヤの角度」です。

コーナリング中は、曲がっている方向の外側のタイヤに力がかかります。この時にあらかじめタイヤの角度をコーナリング方向と同じ又は逆に舵角を付けておく事により、車体の挙動をコントロールしよう、というものです。

例えば、GT7では大抵クルマの初期値としてリアに少し安定方向(所謂トーイン)に付いていますが、これは「加速時にリアタイヤが滑り出すのを防ぐための設定」です。

また、フロントに安定方向(所謂トーアウト。前述した図でわかる通り、トー角はフロントとリアとでは同じ方向だと主な効果が逆となる)に付けておけば、「減速時等、フロントに荷重がかかった際に不安定になるのを防ぐ」効果があります。

ただ、トー角は付けすぎると直進時の加速の妨げになったり、タイヤの消耗が設定された場合にタイヤが擦り減りやすい、と言ったデメリットがあるので、バネ系のセッティングで解決出来なかった際の最終手段、と考えるのが妥当です。

 

 

 

〈箸休めとして美しいマセラティ・メラクの画像でもどうぞ。メラクは2022年10月20日のアップデートver.1.25にて追加されましたが、当初からブレーキシステムをアップグレードしても外見に反映されない不具合があり(しかも、純正のブレーキ部分の描写がすごく雑)、以後全く修正される事もなく放置されているのです。悲しい!〉

 

 

 

2)ディファレンシャルギア

(全項目をセッティングするためにはフルカスタマイズを装着し、4WD車は駆動力配分式センターデフを装着しておく事)

 

 

・リミテッド・スリップ・デフ

現代のクルマの駆動輪(エンジンからパワーを路面に伝えるタイヤ。例えばFR車の場合は後輪にあたる)は基本的に、コーナリング時や片輪が路面から浮いた場合に左右のタイヤに回転差が生まれ、内側又は浮いた側のタイヤが空転する構造となっています。この際、構造的に空転した側のタイヤへ駆動力が集中してしまい、路面へ伝わらず逃げてしまいます。これを防ぐのがこの項目で設定できる「リミテッド・スリップ・デフ」というパーツです。

 

a).イニシャルトルク:後述する加速時/減速時が作動していない時に最初からかける事のできる力。ここで設定する数値より加速時/減速時が低い場合に作動時に切り替わりにくくなり、高い場合に切り替わりやすくなります。ドリフトマシン等、駆動力を強く伝えたい場合は強くし、減速時のハンドルの切りやすさ(所謂ターンイン時の挙動)を重視したい場合は逆に弱くしましょう。

 

b).加速時の効き:アクセルを踏んだ際の効き。強い程加速力も強くなりますが、前輪を効かせる程曲がらなくなり、後輪を効かせる程逆にスピン(曲がりすぎて車体が回ってしまう現象)しやすくなります。初心者で運転技術に自信が無い…という場合は、とりあえず弱めておく事をお勧めします。

 

c).減速時の効き:アクセルを離したりブレーキを踏んだ際の効き。減速時に曲がらない、もっと曲がる様にしたいのであれば、とにかく弱めましょう。逆に強めれば減速時に安定するので、ブレーキング時等に不安定になる場合は強めてみましょう。

 

 

・駆動力配分式センターデフ(4WD車のみ)

前後輪全てに駆動力の伝わる4WD車の、前後に割り振るパワーの配分を設定できます。

前輪側を増やす程加速時の安定性が増し、後輪側を増やす程車体が回りやすくなりFR車に挙動が近づきます。スピンしやすい場合は前寄りにしましょう。

 

 

 

3)ダウンフォース

(GT AUTOでカスタムパーツのエアロパーツを全て装着、特にリアのパーツはディフューザー[黒い羽状のパーツ。用意されていない車種もある]を装着しておく事。)

 

全体的に数値を大きくする程コーナリングに強くなり、小さくする程最高速度が上がります。フロントを増やせば曲がりやすく、リアを増やせば安定します。最高速度を重視しないのであればまずは全上げで走ってみて、その場合にハンドリングに不満がありもっと曲がって欲しい場合には、少しずつリアの数値を下げて試してみましょう。逆に不安定でも、フロントを下げる事は基本的にお勧めしません(極端に不安定な車種を除く)。その場合はダウンフォースで対処せずにサスやディファレンシャルで解決した方が、より速いクルマを作りたければ最適解です。

 

 

 

4)ブレーキバランスコントローラー

ブレーキの効きの前後配分を調整できます。フロント寄りにすればブレーキング時に安定志向、リア寄りにすればコーナリング志向となりますが、車体全体の制動力自体はフロント寄りの方が高く、逆にリア寄りにする程効かなくなります。

 

 

 

5)ステアリングアングルアダプター(設定項目は無く、装着/非装着のみ)

装着するとハンドルの切れ角を増やせます。本来はドリフト用車両のためのパーツですが、グリップ用車両でもハンドリングが上がり、性能が上がる事があります。ただし車種によってはかえって乗りにくくなる事もあるので、とりあえずまずは他のセッティングが整った上で装着/非装着でそれぞれ走って比べてみましょう。

 

 

 

 

3.最後に

 

…なんか、

 

その、

 

コレ全部読んだら、めっちゃ長くない?www

こんなので、「初心者向けにわかりやすく解説!!!」なんて言えるのか!?

 

あぁもう、どうすりゃわかりやすいかがよくわからんわwww

 

とりあえず、やるべき事は尽くしたと思うので、

後は皆さんのリアクションを待つのみです。

 

もしこの記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

 

…そんな事より、

 

運営は

 

早く

 

メラクのブレーキキャリパー直せやwwwww

 

 

では、次回、

あるいはGT7の東京エクスプレスウェイでお会いしましょう!