料理人さいつよ | ゲームと料理と趣味の話

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海上保安官出身の西村淳のエッセイ『面白南極料理人』が原作。
南極の基地の調理担当「西村」を主人公に、日々の食を進行の支点にして、基地の日常をユーモラスに描いた作品。

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1年3ヶ月、雪に閉ざされた南極の基地で同居生活をする男達。
しかし、男だけがぎゅっと集まるとどうしてこんなに「アホ」なのか。
さながらノリは男子校の部活か文化祭前夜か。


いい年こいたおっさん達が、火をつけた肉をもってはしゃぎまわる図

そんなおっさん達は気象庁の職員だったり、学会研究員だったり、車両メーカーの社員だったりと様々な経歴を持つ、立派な大人。この年になれば己一つの体だけの都合ではなく、組織や家庭や恋人との関係が働く上でしがらみとなる。

実はこの映画、料理人が主人公で、おいしそうな料理が出て来て、間違いなく「料理映画」ではあるんだが、どちらかというと「あ~、あるぅ……」と思わず呟いてしまう「仕事と家庭や私生活に関するちょっとしたリアルな嫌なこと」のほうが社会人としてはピンピンとレーダーが反応してしまう。

職場の決まりごとを守らない90%犯人だとバレバレなのに確定的証拠がないから放免されてるとか、あからさまにサボってるのに体調が悪いといって手伝わないとか、目の前で挨拶をしているのに挨拶をしないとか、どうしても自分の都合でしか動かない人がいたり。

パパがいなくなって楽しいことばかりだからずっと南極にいてと言われてしまったり、家庭を放って仕事ばかりしていると思われて離婚をほのめかされたり、1分740円もかかる衛星電話で恋人に電話をしなければ落ち着かないと、つきまとう「仕事と家庭・私」問題とか。

極寒の地へ進んできた人もいれば、命令で仕方なくやってきた人もいる。しかし、南極だから逃げ場がない。いやいや、南極でなくたって現実の会社もおいそれと辞められないんだから、結局同じく逃げ場がないようなもんだ。やりたくない仕事と望まない環境の中、愚痴をこぼして仕事を放棄することもある。誰だってそういうタイミングはある。

でも、この映画をみていて思ったのは「料理人って最強だなぁ」と。
閉じ込められてままならない空間で他の職種ならフラストレーションを抱えて「パチンコに行きたい」「渋谷とか行きたい」「ラーメン食べたい!!」と発狂する中、料理人ってのは大抵「料理が大好きという変態」であるため、料理だけしてればまったく問題がない。
手元で起こる刃物による造形、温度による形態変化、組み合わせ盛り付けによるプレゼンテーション、自分の興味がある一番楽しいことが、外部からもたらされるものではなく、常に自分の手元にあるというのは最強だと。

俺、南極行けるな(謎の自信

事実、仕事に自主性のない隊員が早々に根をあげるなか、料理人である主人公西村は仕事にまったく不満がないほうの人間なので、環境を自然体で受け止めているように描かれている。

しかし、そんな料理人西村でも、ある事件でついに「まずい料理を食べて」望郷の念を抑えがたくなり、号泣してしまう。やっぱり人間、ふるさとが必要だよね。



長々となんか嫌なことを書いてしまったが、しかし、映画中そんな嫌なことは少ないほうで、男達のアホと「南極でもここまでのメニューが出来るのか!」と思う、美味しそうな料理がでてくる、とぼけた、ファニーな映画なので、ウフフウフフと笑えること請け合い。腐女子受けしそうな?キモかわいい?おっさん達の生態を楽しんでください。
(「ラーメンの涙」でキュンキュンする女性っていると思うんだよね。え?いない?

あと、なんで裸で自転車漕いでるのか、最後でわかるからw