最新のR 12 nineT。サンレモ・グリーンの美しい佇まいに惹かれ、購入寸前までいったが、結論から言えば「今の私には新車270万円は愚か、新古車200万円の価値もない」と断じた。
スペック表やYouTubeのレビューでは語られない、日本の夏と都内の渋滞という「地獄」で見えた真実をまとめたい。
【BAD】都内のストップ&ゴーには「耐えられない」
もっとも閉口したのは、エンジンとその熱管理だ。
• 「もっさり」したレスポンス:
ライド・バイ・ワイヤ(電子制御スロットル)の恩恵かと思いきや、アクセルを開けても閉めても反応が一歩遅れる。ロングストロークでもないのにこの鈍さは、操る楽しさを大きく削いでいる。
• 空油冷ボクサーの限界と熱:
都内の下道を走れば、またたく間にオーバーヒート警告が灯る。信号待ちのたびにエンジンを切る作業は、バッテリーへの負荷もさることながら、ライダーの精神を激しく消耗させる。
• 「重さ」と「大きさ」の弊害:
乾燥重量以上に感じるそのマスの大きさは、常に「気を使う」ことを強いてくる。セローのような「体の一部」になる感覚は微塵もない。⭐️
【GOOD】唯一無二の「魔法の足回り」
酷評したが、一点だけ感動したポイントがある。それはサスペンションの圧倒的な優秀さだ。
• 姿勢変化が極めて少ない:
強力なブレーキをかけても、ラフにアクセルを開けても、車体の姿勢が驚くほど変わらない。ノーズダイブを抑え、フラットな姿勢を維持し続けるそのサス性能は、BMWの真骨頂と言える。この足回りだけは、国産の凡百なバイクでは味わえない領域にある。
【結論】セローという「正解」への回帰
試乗を終えて自分のセロー250に跨った瞬間、その軽快さと素直な反応に安堵した。
200万円を投じて、重さと熱とレスポンスの悪さに気を揉む生活を手に入れるより、この信頼できる「ジャストサイズ」を徹底的にメンテし、磨き上げる方が、投資家としてもライダーとしても遥かに合理的である。
次はCB1000FやX-ADVの試乗を予定しているが、これらにR 12 nineTを超える「納得感」があるのか。あるいはセローが最強の相棒として不動の地位を築きフルスペック65万円の整備を実行するのか、或いはCRFへの乗り換えか?バイク選びの迷走はまだ続く。
