ドラえもんというアニメを皆さん知っていますか?日本で生まれ育った人なら名前は聞いたことがあると思います。ドラえもんは凄く人気で、小学館学習雑誌やコロコロコミックで連載されてコミックスの国内累計発行部数が2億5000万部を超えました。アニメや映画も大ヒットし、アニメも映画も何十年も放送や公開されている。

 

 ドラえもんが2005年に大山のぶ代という伝説的な声優から水田わさびへ声が変更され、映画もあえて1年休んで、新シリーズの声の浸透を待って2006年に堂々映画を公開した経緯があります。

 

 さて、皆さん、ドラえもんの映画はリメイクやリブートが多いと思わないですか?2006年ののび太の恐竜2006は2004年の7月に月間コロコロコミックで2005年にドラえもんの映画をお休みを発表。その後、声優交代や2006年の映画は原点回帰でタイトルを「のび太の恐竜2006」と発表した。これはあり得る。素晴らしい作品で、記念すべき時に記念すべき作品をリメイクはどこの作品でもある。問題はその後だ。

   

   リメイク(リブート含む)     完全オリジナル

   のび太の恐竜2006        緑の巨人伝

   新魔界大冒険          人魚大海戦

   新のび太の宇宙開拓史      奇跡の島

   新のび太と鉄人兵団       ひみつ道具博物館

   新のび太の大魔境        宇宙英雄記

   新のび太の日本誕生       南極カチコチ大冒険

   宝島              月面探査記

   のび太の新恐竜         空の理想郷

   宇宙小戦争2021         地球交響楽

   新のび太の海底鬼岩城      絵世界物語

 

 2026年の段階で20作品中10作品がリメイクかリブートです。なぜそもそもこんなにリメイクが多いのでしょう。 

 

 その前に、藤子F不二雄先生はどんな形で映画を作っていたかを考えよう。ドラえもんの映画はまず、コロコロコミックに9月号から3月号にかけておおよそ5回から6回に分けて漫画を連載される。(公開年度によって変わる)そして毎年3月に映画が公開される形をとる。

 

 おおよそ5月ごろから藤子先生は次回作の映画の構想に入る。芝山努監督と打ち合わせをしながら7月あたりから漫画の執筆に入る。完成脚本はない。藤子先生の大まかなイメージと前半の漫画のネームを芝山監督は見せる。芝山監督はそこから映画のコンテを作る。しかし、映画の制作の都合上、漫画の連載より映画製作のほうが早く超えてしまう。そのため、文字だけのストーリーを見せられたり、後半のストーリーが藤子先生と芝山監督が違うのはそれである。9月から12月は映画作画制作、1月は声優による声撮り、1月から2月初旬は編集、2月中旬は映画フィルム印刷、2月下旬は全国の映画館に映画フィルム配布と試写会。3月公開である。

  リメイクがなぜ選ばれているかの理由を山口監督。まず、「テレビシリーズをやらせてください」を自分から手をあげる。テレビスペシャルや映画の演出を手伝い、「自分はこんなスケジュールで出来ますよ」とアピールした。「5か年計画と言いながらね」。実際何年かかったか分からない。「劇場版やってみますか?」と言葉をいただけた。スケジュール的にオリジナルが難しいとなって「じゃあ原作が何がいいですか?」と聞かれて自分はすぐに「宇宙小戦争が良い」と言いました。実は海底鬼岩城も勧められたのですが、バギーちゃんが死んじゃうじゃないですか。人間ではないとはいえ、メインキャラが死んで感動につなげるのは自分としては抵抗がありました。(アニメージュプラス 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021 監督が明かす「夢の五カ年計画」

 

 のび太の新恐竜のエンディングのおまけ映像で宇宙小戦争が分かっていた。ドラえもんの映画が完成するのは2月中旬。おまけ映像をどんなに速く完成させても2月中旬ごろには山口監督に来年の映画の依頼が来て、「宇宙小戦争がやりたいです」と答えたはずだ。「スケジュール的にオリジナルが難しい」というのは、どういうことだ?製作期間が1年以上あるはずなのに。もしくは、山口監督の今ある仕事を終わってから宇宙小戦争に取り掛かるので、それから見るとスケジュールが厳しいかもしれん。その一方で、高いクオリティの映画は毎年作れないというのがある。少年ジャンプのアニメ映画を一手に引き受けているのが、東映だ。東映は東映アニメフェアなど夏休みなどの3か月おきの大型連休に少年ジャンプのその時の大人気作品を映画化していた。しかし、一時的なヒットはあるもののドラえもんのような安定して大ヒットする映画は何ひとつ出なかった。これは凄いことで、あの少年ジャンプや東映アニメーションの作家さんや大ヒットさせるノウハウがあるはずなのに、すべて興行収入が激減し打ち切りとなった。あの大人気アニメワンピースですら、東映アニメフェアもしくはワンピース映画としていろんな手段で映画を公開したが、興行収入が9億円で打ち切りになった。つまりあの集英社や東映の力を持っても毎年公開大ヒット映画は作れなかったのだ。

 

 しかし、ここで原作者の尾田栄一郎先生がドラえもん方式と同じく製作総指揮とるワンピース映画、「ワンピースフィルム ストロングワールド」を作り、映画の制作に尾田先生がガッツリ関わることになった。興行収入は48億円で、ワンピース史上の大ヒットとなった。ワンピースフィルム レッドは203億円の大ヒットした。しかし、4年から6年製作期間がかかり、しかもガッツリ作者が関わらないといけないほど面白い作品が出来ないのである。 

 

 それを考えると確かによく東映アニメフェアで3か月おきに40分程度の映画を作っていたら、あんな出来になると思うよ。(ただし、あれはあれで面白かったが、万人ウケは無理だと思った)。作家さんもドラゴンボールやワンピースなど依頼が来てもどこまでいじっていいか分からないし、予算も少なかったと思う。

 

 のび太の恐竜2006と新魔界大冒険のヒットもリメイクに拍車をかけたのだと思う。今でこそ、興行収入が少ないと言われるドラえもん映画30億円台。もともとドラえもん映画は30億円クラスなのだ。30億円というのは素晴らしく、20億円で大ヒットと言われる日本映画で30億円を2本連続だした。毎年新作を作るのが難しいブランドになったドラえもんを高クオリティで作るためには、どこかで時間稼ぎをしてくれる作品が必要それがリメイク。しかし、2009年に新のび太の宇宙開拓史でこけた。初週2日間で33万人で3.7億円だ。最終興行収入が24.5億円でドラえもんにしては失敗である。ドラえもんのび太の恐竜2006は初週38万人、興収4.3億円、最終興収32.8億円。新魔界大冒険初週50万人、興収5.6億円、最終興収35.4億円。緑の巨人伝が初週46万人、興収5.1億円、最終興収33.7億円

 新のび太の宇宙開拓史の失敗でリメイクは最終作になると思っていた。なぜならドラえもんの映画は興行収入が落ちると同時上映でテコ入れをしていたからである。ドラえもん映画本編が主役なのでここは変えられない。1作目ののび太の恐竜はゴジラを再編集のリバイバルなので置いといて、この頃藤子アニメをテレビでやっていた怪物くん、忍者ハットリくん、パーマンを映画化をしていた。

 海底鬼岩城まではどんどん興行収入が落ちる。ここで、同時上映のテコ入れが始まる。魔界大冒険で忍者ハットリくんとパーマンの夢の競演をする。ここで興行収入が上がる。(興行収入は同時上映だけの理由ではないが)。パラレル西遊記までは興行収入が上がったり下がったりしていて同時上映も色々変えている。

 

 日本誕生で同時上映が藤子不二雄AとFの別れ、藤子不二雄Aのアニメが使えないので、満応じてドラミちゃんが映画化される。日本誕生は藤子f不二雄脚本では過去最高の配給収入で過去最高の観客動員数を誇る。ドラミちゃんをメインの同時上映でありながらもう一本を同時上映を変えながら興行収入が落ちていく。創世日記からドラミちゃんが卒業した。ゲームソフトのキャラクターであるドラえもんズを登場させつつドラえもん誕生という新しい形の同時上映が始まった。

 銀河超特急の同時上映としてドラミ&ドラえもんズの映画を製作。興行収入を好調の時期まで戻した。南海大冒険からドラえもんズを同時上映の2本目まで下げて、同時上映の主役がドラえもん感動劇場というシリーズものに変わった。これが極めて好評だった。ドラえもん感動劇場やドラえもんズの効果もどんどん落ち興行収入も落ちていく。ふしぎ風使いから再び同時上映でパーマンを持ってきた。この子供たちに効果があるか分からないが、興行収入が上がる。ひょっとしてこのころの子供たちからは新鮮な新作に見えたかもしれん。

 

 ドラえもんのメインメンバーの声優陣が全員変わる。それと同時に同時上映がなくなる。なぜなら、ドラえもんという作品がすでに十分浸透し興行収入の上がり下がりは、同時上映で決まるものではないからだ。同時上映も作るのは簡単ではない。どんなに安く見ても1本1000万円はかかる。監督も用意して、それなりにお金がかかる。同時上映を作るくらいならそのお金をドラえもん映画本編にかけたほうがいいと判断した。そもそも同時上映は、お子様映画を人気アニメを2本から3本まとめて見られるというお得感から始まった慣習があったからだ。ドラえもんの映画という作品では同時上映はもう意味がないと制作陣が判断した。それは、ポケモンも同時上映をやめて、ドラえもん、ポケモン、クレヨンしんちゃん、名探偵コナンの映画は興行収入は本編の作品のクオリティと宣伝手法のみである。同時上映はいらない。

 

  僕は新のび太の宇宙開拓史が24.5億円は「こけた」と言っていい。のび太の恐竜2006は32.8億円、新魔界大冒険は35.4億円からみると約10億円減少だと今はシネコンなので、配給割合がどうなるか分からないが、昔の配収計算で言うと5億円がドラえもんの映画製作の関係会社に行き、5億円が映画館に行く。5億円が直接利益が減る形になる(興収24.5億円では赤字は出ないと思う。)5億円が高いのか安いのかを見るとお菓子会社のロッテの利益が150億円。ロッテが利益を150億円稼ぎ出すのに、売上高が4700億円で従業員が4900人の会社である。それを考えるとドラえもん映画一本だけで10億円下がるのがいかに大変かが分かる。映画会社関係者は毎年ヒットし続けるのは無理だし、40本以上映画を毎年公開して24.5億円なら十分許容範囲だし問題ない。あとは宣伝手法を変えたり興収をどう上げていくかを考えるのが重要であると言うと思う。その通りだ。

 これはリメイクだ。リメイクというのは完全新作出ない。過去の人気作という遺産を食いつぶす現象である。皆さん考えてほしい。ポケモンで20周年記念作品や30周年記念作品で1作目のミュウツーの逆襲はポケモン映画としてとても大切な作品であらためてリメイクします。というのはポケモン映画ファンもわかるし製作スタッフもそう思う。しかし、ミュウツーの逆襲2027。その来年は完全新作、その来年がルギア爆誕2029,その来年は完全新作、その来年が結晶塔の帝王2031をやりますと言われたらみんな「え?」と思うはず。その「え?」が重要でリメイクは過去の遺産を食いつぶしているだけで、将来性がないからである。

 

 僕が新のび太の宇宙開拓史が「こけた」時点で、「リメイクシリーズは僕は好きだけどもうなくなるかな?」「さすがに限界かな?」と思ったからです。だから2011年に僕の大好きな作品、新のび太と鉄人兵団が公開決定した時は凄く嬉しいし楽しかった。一方で、興収はどうなるんだろう?と。結果はこけた。2011年3月5、6日の計2日間で動員40万人、興行収入4.4億円。新のび太と鉄人兵団は東日本大震災の影響があるのではないかと言う人もいるが、東日本大震災は2011年3月11日である。初動はよくはないが、悪くもない。おそらくは地震がなければ30億円は行った可能性は高い。しかし、結果が重要で24.6億円である。結果はこけた。ちなみに、前作の人魚大海戦が31.6億円で初週が動員50万人、興収5.5億円。案の定、のび太と奇跡の島が36.2億円で来年は2作連続オリジナル映画であるのび太のひみつ道具博物館である。(興収39.8億円)。

 

 しかし、来年の映画で驚いた。新のび太の大魔境のリメイクをやると言うのだ。新のび太の宇宙開拓史と新のび太と鉄人兵団で20億円の純粋な利益が失ったのに、「なぜリメイクをするのかが分からなかった」(製作費などはすでに回収済み)。私は20億円の純粋利益を失うのは凄いこと、かつ、新大魔境はこけると思っていた。しかし、こけなかった。新大魔境は35.8億円(初週興収6.3億円、動員53万人)、さらに、2年後には新のび太の日本誕生は41.2億円(初週興収6.3億円、動員54万人)の大ヒットで、リメイクが完全オリジナルを超えて興収ではドラえもん映画1位のヒットになったのである。これは考えられないことで、リメイクで完全新作を超えて、しかも第1作の記念作品ですらない。リメイクももうやり過ぎで飽きられていると思っていたからである。なぜこんなにリメイクをする?と僕は疑問に思った。

 

 その答えが少年ジャンプの映画ワンピースだ。ワンピースは世界販売部数6億冊という異次元の漫画で、日本1位の大人気漫画だ。ワンピースは東映アニメフェアで初登場(2000年から2002年)して、のちにワンピース映画(2003年)として独立した。しかしどんどん興収が落ちて9億円で打ち切りになった。しかし尾田先生がガッツリ関りワンピースフィルムが2009年に公開され48億円で大ヒットした。ワンピースフィルムは日本国内興収が203.4億円だ。映画雑誌、メディアで東映や集英社などのコメントを総合すると「高いクオリティを保つためには毎年公開が無理で一定期間制作に時間が欲しい」というコメントだった。鬼滅の刃の映画も制作期間が1作目から2作目の間が2020年から2023年と約3年近くかかっている。ドラゴンボール映画も2年から4年と製作期間がかかっている。つまり藤子F不二雄先生亡き今、藤子プロではリメイクなしの高いクオリティでの完全新作で映画が作れないのだ。さらに、その後のリメイクは凄くて(リブートを含む)のび太の宝島が53.7億円、のび太の新恐竜がコロナの感染症が流行った中で33.5億円。宇宙小戦争2021は26.9億円でコロナで公開して1年延期して、きちんと宣伝できずによくここまで26億円まで興収を売り上げたのが凄い。