ポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の作品、

「カティンの森」を見ました。

12月20日(日)神保町「岩波ホール」


いつだってXTC


<解説>eiga.comより


1943年にソ連国内の森で数千人のポーランド将校の遺体が

発見された「カティンの森事件」を、巨匠アンジェイ・ワイダ監督が、

実際に遺された手記や手紙を基に描き出す歴史ドラマ。

1939年、西からドイツ軍に追われる人々とソ連軍に東から追われ

た人々が、ポーランド東部にあるブク川の橋の上で偶然出くわす。

西側からはソ連の捕虜となった夫・アンジェイ大尉を探すアンナと

娘のニカ、東側からは大将夫人ルジャがおり、彼らはそれぞれの

目的地へ向かうため川を渡る。


<僕の感想>

こんな救いがないように見える映画をなぜ、撮るんだろう?

映画を見終わったとき、そんな疑問をもった。

それほど、沈痛な思いにさせられる映画だった。

でも、ここで思考停止になったら、

それこそ、この映画を見た意味がなくなるのではないか。


僕は考えた。


ドイツとソ連の中間にあるポーランドの悲劇がこれでもか、

これでもか、と次々に描かれる。

夫を待ち続けるアンナとニカという母と娘の主人公はもちろん、

兄の本当の消息を知って、国家に反逆する妹アグニェシュカ。

国家の意図を無視して、ポスターを破っただけの若い学生とそれを

助ける女子学生。そこに芽生えた淡い初恋。

唯一の救いになると思われた出会いも、あっという間に夢と消える。

そして、機械的の殺されていく捕虜になった兵士たち。


いつだってXTC


戦争は悲惨だ。

それはわかっているつもりだ。

でも、戦争が終わり、一見、安定を保っているようにみえる社会にも、

実際は大きなタブーが横たわっている。

そこに描かれた普通の人たちが、当たり前に、真実を語れない世界。

語った瞬間に、国家に反逆したことになってしまう恐ろしさ。


でも、ほんとうに恐ろしいのは、現代に生きている自分にあるのでは

ないか。

こんな映画は見たくない。救いようがない映画だ。

この映画のことを絶対見ちゃだめだよ、後味が悪すぎるから。

とアドバイスをくれた女性がいた。


アンジェイ・ワイダ監督は問いかけているのではないか?


そういったいわば飼いならせれた感性に。

そのことに、疑問を持たなくてはいけないのではないかと。

アンジェイ・ワイダが、なぜこの映画を作ったのかという問いかけ、

それは、僕自身への問いかけにつながっていくのだと思った。