コミュニケーション能力や問題処理能力と触れてきて、
今回は違う切り口『企業の志望理由』について考えていきます。
エントリーシートでも、面接でも、『なぜ当社なのか』というのは向こうにとってとても大事なことです。
意識する人はあまりいないかもしれませんが、向こうの立場を考えてみてください。
確かに企業の中には、
10000分の30、本当にそれくらいの倍率の企業もあります。やはり企業のほうが圧倒的に選ぶ立場にあります。いくら志望動機がしっかりしていても、自分より優秀な人材はいっぱいいるし、そこに入りたくても入れない。
だからする志望動機を固めるより自己PRを盛ろう。 そう考えがちです。
しかしこうも考えられます。
『優秀な人材』というものは他企業からも引く手数多、果たして内定を出しても当社に来てくれるのだろうか?
内定蹴りという言葉があるように、多く内定を持つ人はそれだけ選ぶ権利があります。
そして人事の新卒担当の評価は、内定蹴りに強く左右されます。向こうとしてはこう思うはずです。『内定を出したら本当に来てくれる人を最終面接にまで上げたい。』それを確かめられるのが志望動機なのです。
つまり、志望動機が明確であればあるほど、向こうとしては選考を進めたいと思えるのです。
ここでいつものように二つの例を出します。
あるメーカーの志望動機
1.貴社の技術力で、日本を含めた世界を豊かにする事に貢献したいと考え、貴社を志望している。
2.
3.職種としては、特に自身の強みが活かせる生産管理部門に携わり、的確な意思決定で貢献したいと考えている。
4.「先端技術で世の中を変える」という経営理念のもとに挑戦し続ける貴社だからこそ、製造業全体を底上げできると考え志望している。
1.貴社の技術力で、日本を含めた世界を豊かにする事に貢献したいと考え、貴社を志望している。
2.新興国への留学を通じてその貧しさに触れ、経済環境が異なることで人々の生活があまりにも違う現状を目の当たりにし、非常に心苦しく感じた事がその思いの源泉になっている。
3.具体的な職種としては、特に自身の強みが活かせる生産管理部門に携わり、的確な意思決定で貢献したいと考えている。
4.「先端技術で世の中を変える」という経営理念のもとに挑戦し続ける貴社だからこそ、製造業全体を底上げできると考え志望している。
どうでしょうか、青く塗った2番こそ重要な点です。
①と②では何が違うか、それは『その人である必要性』です。
①を見ると『メーカーに入って日本を変えたい』とありますが、なんで??となるわけです。
この子は本当に自社を志望してくれているのか、そこが分からないのです。
逆に②の2はそれこそ本人にしか書けないものです。逆にいえばこの部分こそ、他志望者との差別化をするために自分が最もアピールしていかなければならない部分です。
この2のような経験を原体験と言います。
この点で家庭教師のアルバイトをしている人は、そのような原体験を多く得ており有利と言えます。
生徒さんの為を思ってしてあげていた事を思い返してみてください。
その動機を掘り返してみると、自分が大切にしている何かが見えてくると思います。
例えば、宿題をやらない生徒に自作プリントを作る事で対処した先生がいるとします。
生徒が自分の作ったプリントを大事にしている様子を見た先生は、もっとその生徒のために作ってやろう思います。この時の先生の心情は『嬉しい』『誇らしい』など様々なプラスの感情を抱いたでしょう。
その事は、例えば『自分が作ったもので人に貢献できる』メーカーへの志望理由になり得ます。