異常な人が多い方が笑える?…ディスコミュニケーションの醸成 | りおみーのブログ ニュースとお笑い芸人に不毛な突っ込み

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主にお笑いのネタに関して、時々ニュースに関して、「これってどういう事?」をロジカルに分析してます。

コミュニケーションの量的拡大による落差拡大も可能ですが、ディスコミュニケーションの量的拡大による落差拡大も可能です……?????

【目次】
・はじめに
・例題
・ツッコミ1
・ツッコミ2
・ディスコミュニケーションの量的拡大
・解答例

====はじめに====

前々号の逆バージョンです。

お笑い分析研究30号修正。

以前の投稿【何が面白いか?……色々と?「運動神経悪い芸人」】では、
ボケは1つでも、その中の複数の笑いのベクトルが総合的に笑いを作るって事を書きました。

逆に考えると、技術的に笑いのベクトルを加える事によって、より面白くする事も可能な訳ですね。

それを踏まえて、前々号の記事【普通の人がいる方が笑える?…コミュニケーションの醸成】では、
三段落ちという技術を使って、
コミュニケーションを量的拡大する事により、
笑いのフォーマットを追加して、
落差拡大出来る、
と言う事を書きました。(^_^;)

その反対に、ディスコミュニケーションを量的拡大する事によって、落差拡大する事も出来ます。f(^_^;)

====例題====

例えば、下記の例。

A:「この花瓶さぁ、デパートで何とか工房の作ですって1万2千円したんだけど、100均で100円で売ってそうじゃない?」
B:「いやぁ、100万円くらいするんじゃない。」(ボケ1)
A:「(ツッコミ1)」
C:  登場
A:「あ、Cさぁ、この花瓶いくらすると思う?100均とかにありそうじゃない?」
C:「お、これはすごい。100億は下らない。」(ボケ2)
A:「(ツッコミ2)」

勝手に、「東京03」をイメージして作ってます。

どう突っ込みますか?

突っ込みによって、潜在的なズレを引っ張り出して下さい。

====ツッコミ1====

ボケ1の表面に見える逸脱は、

< 基準 >:100円程度にみえる普通の花瓶にも拘わらず
< ズレ >:100万円の値付け

だけです。

それを指摘するならシンプルに

<ツッコミ>:「そんなしねーよ。」「そんな訳ねーだろ。」

で済みます。でもこれじゃおもしろくない。

ウケを獲るべきボケ自体が、ありふれたベタなものだから。

という事は、逆に、そのベタさ加減そのものが指摘に値する。
つまり、突っ込むことができる。

< 基準 >:ウケを獲るべきボケにも拘わらず
< ズレ >:ありふれていてウケる内容ではない、古臭い
<ツッコミ>:「面白くないわ!」「ベタやなぁ!」「そんなボケ久々聞いたわ。」

個人的には、解かりやすくするため、実体験をもとに、

<ツッコミ>:「昔、駄菓子屋のおやじによく言われたわぁ。‘これいくらですか?’‘100万円って。’」

とか付け加えたい。

この二つ目の落差は、潜在的には初めから存在しています。

でも、感受されていないかも知れません。

それを、突っ込みで顕在化させる事によって、笑いのベクトルに組み込む

突っ込みは大事ですよね。

====ツッコミ2====

ポイントはボケ2。

ボケ2の表面化している逸脱は、ボケ1と基本的に同じですね。

< 基準 >:100円程度にみえる普通の花瓶にも拘わらず
< ズレ >:100億円の値付け

という事は、上記ツッコミ1はそのまま成り立ちます。

でも、同じ突っ込みをして、面白い訳無いですね。

ボケ1が存在するから、同じ突っ込みは出来ない。
だからこそ、違う突っ込みで焦点を変える必要がある。

そうなると、どの要素に突っ込むかも問題になります。

どう突っ込んで、どのズレを指摘、顕在化させた方が面白いのか、ツッコミのセンスが問われます。

どんなズレがあるでしょう。

まず、ボケ1と数字が違います。

その数字の大きさそのものが、笑いを大きくする訳ではありませんが、
そこに違いがある以上、そのズレを指摘して、<落差拡大>を演出することができます。

< 基準 >:ボケ1の100万円と比較して
< ズレ >:100億円に増えた
<ツッコミ>:「あ、値段上がった。」「更に1万倍?!」「ゴッホのひまわり越える?」

これはあくまでも演出です。

【100→100万】より【100→100億】の方が面白い訳ではないでしょう?

演出による、ボケ1との違いを顕在化させる突っ込みで、
新たな笑いのフォーマットを感受させる事によって、
落差を拡大し、面白くすることはできるということです。(^^)b

====ディスコミュニケーションの量的拡大====

でも、それより大事な笑いがありますよね?σ(^_^;)?

こういうシンプルなボケでも、トリオだからこそ活かす事が出来ます。

ここにあるボケ1とボケ2の違いは、
おかしな事を言う人数が一人から二人に増えたというディスコミュニケーションの量的拡大です。

ボケの言葉の内容のズレではなく、新しいボケの発言、参加によって変わった状況のズレが面白い。

< 基準 >:ディスコミュニケーションが一人かと思ったら
< ズレ >:ディスコミュニケーションが二人

よってツッコミは

<ツッコミ>:「お前もかよ!」

人が増えるというただそれだけの事が、笑いの要素になり、落差を拡大する効果があるんですね。

やっている事は、笑いの技術的には「かぶせ」

上記の様な効果が期待出来るからこそ、そういう技術が存在する訳です。

因みにトリオコントの場合には、
「かぶせ」かどうかに係わらず、
ディスコミュニケーションの量的拡大が構造的特徴であるため、
大ボケ小ボケの役割分担がなされる事が多いです。

前々号で書いたように、実際に何に突っ込むにしても、その落差を「感受」させる事が出来ていれば、効果はあります。

でもこのネタの場合、基本のボケの内容がつまらないので、
突っ込みはディスコミュニケーションの量的拡大にフォーカスして、顕在化させる方が面白いと思います。

同じボケでもツッコミが何処にフォーカスするかによって、笑いのポイントは変わると言う事がわかりますね。

もう一度言いますが、ツッコミ大事です。

====解答例====

という事で、私の思う解答は以下。

A:「この花瓶さぁ、デパートで何とか工房の作ですって1万2千円したんだけど、100均で100円で売ってそうじゃない?」
B:「いやぁ、100万円くらいするんじゃない。」
A:「何でだよ!駄菓子屋のおやじか!そんなボケ久々聞いたわ。」
C:  登場
A:「あ、Cさぁ、この花瓶いくらすると思う?100均とかにありそうじゃない?」
C:「お、これはすごい。100億は下らない。」
A:「お前もかよ!」