前回の続きです。

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海についた俺たちは、ミイラになったフグを発見。変な細菌感染とか怖かったので棒で軽くつついてみると石みたいにカチカチになっていて、海の塩分が混ざるとここまで固くなるのかと驚いた。

海も浜辺もずっと見ていれたが、まだこの街のことを知らないので、惜しみながらも海をあとにした。


電車で駅に降りた時、俺たちが降りたのと反対側にいい感じの喫茶店があったのを思い出し、そこに向かってみることにしたが、目の前についてみると残念ながら定休日。

仕方ないので、一旦そのまま喫茶店に面した道を歩くことにした。

しばらく進むとコンビニがあったので、スイカバーを買った。


口が麻痺してうまく回らない滑舌で話をしながら、また歩き始めた。



道中、怖すぎる家があったり



すごい場所から生えてる綺麗な花があったり



優しすぎるレモン売り場があったりした。


歩いていた道の脇に、鳥居が見えたのでそちらに進むと




神社と、その横に廃墟になっている家があった。

家の中まで蔦が生えていて、その空いた部屋から差し込む光が神秘的だった。


また元の道に戻り、少し進むとまた鳥居がある。山の方に行く道には神社が立ち並んでいるようだ。





この奥の道は一度進んでみたが、あまりにも山道だったので、今日の格好だとヒルや蛇が怖かったので、少し覗いて引き返した。


そのあともポケモンのトロピウスに生えてる木が突然あったり



この下に強い武器があると思われる階段もあった



また元の道に戻ると、立て看板にこの紙が貼ってあった。俺たちがさっきまで歩いてきた道が、1729年にはゾウが歩いていたらしい。しかも八代将軍吉宗が所望、との記載もある。約300年前に、ここを吉宗とゾウが通ったかもしれないと思うと、感慨深い。


駅周辺の散策を終えたので、隣の蒲原駅まで歩くことにした。途中、「資料館はこちら→」という案内板にしたがってその方向に歩くと明らかに行き止まりだったり、ペットボトルの飲み物を飲み切った後20分くらい自販機が道のどこにもなくて焦ったりしたが、歩き続けて駅前までつくことができた。

蒲原駅の前には「蒲原食堂」という定食屋があった。ラストオーダーが14時半、時間はまだ14時10分だったので中に入った。店内は冷房が効いていて、他にも2組くらいの客がいた。俺は長考の末、ラーメン+ミニマグロ丼の食感を買った。

注文が届くまでの間、サービスの水を飲んだ。とても冷たくて、体温が下がるのを感じた。

疲れた足を伸ばしたり、友人とここまでに見たものを振り返ったりしていると、程なくしてラーメンが届いた。



俺たちは会話もすることなく、一気に完食した。

ラーメンは昔ながらの醤油ベースで、死ぬまで忘れない味がした。丼も、ご飯にまでタレ味がしっかりついていて、ちょっとあり得ないくらい美味しかった。


食べ終わって店を出ると、もう店じまいが始まっていた。あと15分、いや、あと10分ここに辿り着くのが遅ければあのラーメンを食べることもなかったと思うと、今食べた味を思い返して、より一層ありがとうという気持ちになった。


俺たちはそのまま電車に乗って帰ることにした。

友達のApple Watchでは、歩いた距離は14キロとなっており、2年前に買ったらしいApple Watchで最高距離を記録した。

電車の窓から外の景色を見ながら、次に散歩する街はここもいい、ここもいいなどと言っていたら、友人の最寄り駅までついた。

俺はそこから何駅か駅を通り過ぎ、最寄駅から徒歩で20分ほど歩いて自宅に帰宅した時にはヘトヘトで、シャワーを浴びたらすぐに寝てしまった。


知らない街に行くと、当然その景色は初めて見るものばかりで、そしてその街はもう用がなければ来ないかもしれない。何か思い立って、また来ることがあったととしても、街は変わり続ける。そうすると、今日見た景色ももう見ることはないかもしれない。

初めて見る景色、もう見れない景色、そういうものを見た1日を少しでも記憶に刻んで生きていければいいなと思う。