ORC/オリエンタルエアブリッジのATR42-600は2023年内に所定の2機が揃い、それに伴って退役すると私が思っていたQ200・JA803Bは2024年に入っても運航継続。

 しかしそれも2024年夏までに運航が終了といわれ、ではそれはいつなのか。

 

 機材運用のことなど早々と判るものではないのだが、2024年1月23日のORCスケジュール発表ではJA803B運用も判るようになっており、それによると最終運航は6月16日(日)の壱岐→長崎のOC44便。

 こちらの予約はまず変更可能運賃のものからで、開始は1月31日0時。事前購入割引運賃は同日15時からで、私はまず1月31日0:00に6月16日OC44便を見たら空席有り。

 同日15:00、割引運賃最安値のものも空いているが・・・機材運用には変更が付きもの。6月16日がQ200ラストフライトとなるかは判らず、よって変更不可運賃ではなく変更可能運賃で購入したほうがよかろうかと思うが、はてさて6月はどうなるやら。

 

 ところで2月17・18日にセントレアで航空ファンミーティングが開催されるのだが、今回のそちらの出展及びステージスケジュールには目を見張った。

 ORCが18日(日)にブースを出し、同日12:35~12:55には同社がステージ登壇、そのタイトルは「退役目前!チャーリィ古庄さんと語る、DHC-8-200の魅力」・・・!!

 我が国のDHC-8シリーズに於けるQ200最後の1機の話であるが、当該機JA803Bにテーマを絞るか~!これには私はもうびっくり。しかも伊丹以西でしか飛んでいなかった39席DHC-8がセントレアにて語られるとは、否、それだからこそ「航空ファンミーティング」との思いを強くする。

 

 本件には「日本で3機しかなかったQ200のうちの最後の1機」という見方もあるけれど、「1997年以来3社で8機しかなかった39席DASH8の最後の1機」の話であるとも私は解釈しており、大きなイベントで語られる機会が少なかったと思われるこのタイプが、20分以下とはいえ皆の前で大きく扱われるのだ!

 この39人乗りが広く発信されたことといえば、2000年横須賀沖メガフロートの実験でRAC Q100が用いられたこと、東京発のテレビ番組で大きく取り扱われた2013年のAMX Q100塗装変更のこと、それ位しか私には記憶が無い。

 ORC Q200って旅客機趣味者にどれ程知れわたっていたのやら。いやいやその存在は知られるところだったと思うが、趣味者でも様々な層が集うであろう今回イベントでQ200が扱われることへ私は大きな意義を感じるのだ。

 

 かくして2月18日(日)、前日に続いて大阪からセントレアへ。4階航空ファンミーティング会場では中部就航の様々な航空会社ブースが設けられているが、この日のハイライトがORCであることに論を待たぬ。

 ORCスタッフにはCAを含む男性3名がおり、福岡空港空の日ベントで見たガチャポン機があった。この場で昨夏ATR就航時にも持参した2001年発行ちらしを本日スタッフへ私は得意気に示すのだが、それはオリエンタルエアブリッジにDASH8が長崎~壱岐~福岡へ就航するのを報せるもの。ORC趣味者にはこういう輩がいることをここでも誇示する。

 

 ORCステージの時間が迫り、私は気合を込めてそれの観覧へ。まず12:36にCAがソロで登壇してORC紹介から、その後チャーリィさん・もう1人のORCメンバーがステージへ上がり、上方スクリーンには様々なORC場面が映し出されていく。

 そこではQ200だけではなくATR42-600そしてORC旧塗装アイランダーも!セントレアでBN-2Aか2Bが大きく取り上げられるなんて、Q200同様初めてなんじゃなかろか。

 面白かったのは中部就航機種のQ400画像が無かったこと。機内のORCエンブレム画像は出たけれど、機体外観が見られなかったのだ。ORC同型機はANAウイングスとの共通事業機、その塗装はトリトンブルーであってORCオリジナルに非ず。ゆえにORC判断でANA塗装機は出せない、と解釈せざるを得ない。けどQ400掲出可能なら今日のステージテーマもQ200を前面に出すものではなかったかもしれんぞ。

 

 そして私は大型画面に映し出されるQ200に感心。我が国でこれ程までに39席ターボプロップ機が大々的に扱われるステージは、改めて記すがおそらく今回が初めてであろう。

 他で強いて挙げるなら2018年7月8日(日)天草市のホテルアレグリアガーデンズにて開催の天草エアラインノンフィクション出版記念講演、2017年12月23日(土)但馬空港で開催「ありがとうSAAB・こんにちはATR」イベントがあるけれど、広範な旅客機趣味者が集う所で39人乗りDASH8がバーンと出るのはやはり今回が初。

 我が国のターボプロップ機史上では、ここでYS-11に次ぐ存在になったといえる。

 

 話の内容の多くは私が知るものだったけれど、スタッフから退役時期が述べられそれは「5月か6月」。やはり流動的だが、スケジュール表に載ったのより早い5月に退役する可能性への言及は傾聴に値した。かくして旅客機趣味人にはORC発表を注視し続けることが求められるに至る。

 

 12:52に終了。短い時間だったが、けれども極めて貴重なものでもあった。惜しむらくは、39席DASH8が趣味人の前で大々的に紹介されるのは、これが最初で最後となるであろうということ。もっと早よやっとけやーとも思ったのだが、これとてORCがセントレアに就航したからこそ実現したものだ。

 この考えでいけば、2010年12月からAMX DASH8が伊丹に就航しており、大阪でこのようなイベントがあれば同社同型機が今日以前に大きく扱われていたかもしれない。

 

 大阪を何とかせんといかん・・・その大阪旅客機趣味状況に変革をもたらしてくれそうな2人の趣味人が近畿地方から今日はこちらへ来場していた。うち1名の方とはしょっちゅう顔を合わせ、もう1名の方は現下発信状況からQ200趣味の第一人者と私が思っている。

 ORCステージ終了後私が機内食弁当を買おうとした時、2人が私の眼前に現れ、さらにはこの場にチャーリィさんまで来て、遂に4人でQ200談義。ならばこれを見よ!とDASH8就航ちらしを披露、3人が刮目してくれてよかった・・・それにしても濃い業界人・趣味人が集ったものと後で感心する。

 

 ORC JA803Bの退役はORC Q200型機の退役であることのみならず、先述のように我が国に於ける39席仕様DHC-8-103及び201型機の完全退役、さらには36席仕様SAAB340B及び同-WTを含む30席台ターボプロップ機の完全退役でもあり、私は大きな区切りと診る。

 もっと拡げたら、三菱MRJの構想段階でMJと呼称されていた2004年時点では、座席数が30台という案もあったそうな。前年2003年にはDHC-8-103・JA8935がRACに入っており、まだ30席台旅客機が求められていた時代ともいえそうだが、その頃の輸送状況はどうだったのか、その後如何なる変化が生じたのか。本邦30席台旅客機最後の1機のリタイアに際し、これら振り返る意義もまた大きいのではなかろうか。

 この私の考えをまとめてくれる趣味人が現れるのを期待するところである。