TOK/トキエア2023年8月下旬就航予定はまたもや流れた。整備規程がどうたらという状況らしく、その後しばらく就航に関する知らせは無し。

 3度目の就航予定から3ヶ月を経た11月29日にようやく次の就航予定日が発表され、その期日は2024年1月31日(水)。既にダイヤ・運賃等は発表されてはいたが、予約開始は1月中とのこと。

 1ヶ月前とかではなくかなり就航が迫った頃の予約・発売となるが、この状況は6月30日が就航予定だった頃と同じではある。

 

 年明け後の1月10日(水)、CLUB TOKI会員且つNFT保有者への初便購入権について発表があり、1月31日新潟9:30発BV101便をトキビズ運賃で予約出来る、という権利を抽選で付与するというもの。応募期間は1月10日13:00~1月12日12:59、 抽選結果は12日(金)13:00に Discord 上で発表、購入権が与えられるのは4名。

 これは普通運賃相当航空券であり、予約変更可能運賃の中で空席が少ない時での最も高額な29000円のもの・・・初便搭乗者趣味者の足元を見たな!?

 初便とあらばすぐに満席になると予想されるのでこの額となったのであろうが、では残りの席の販売額は幾らになるのか?事前購入運賃枠設定は有るのか?そもそも一般が買えるのは何席あるのか??

 因みに1月31日の新潟~札幌JAL普通席セイバー運賃は30290円で、TOK/トキエアは最高値であってもJAL旧特便割引相当より安価。TOKは大阪でいうところのスカイマーク的存在か。ともあれ割引運賃で買いたければ「まともに」予約することが求められる。

 

 初便購入権抽選実施で月末にはいよいよTOKが客を乗せて飛ぶ雰囲気が高まった。この様子なら来週には一般予約が始まり、こんどこそデビューを果たしてもらいたい、というか私は1月31日に飛ぶものと決めつけていた。問題は来週めでたくBV101便を予約・購入出来て、そしていざ搭乗へとなった際に旅客には新潟まで、または札幌からの旅程に一考が求められようということ。冬場ゆえ天候不良という言葉がちらつく。

 このように私は実践場面を想定していたが、ところが初便購入権4名が決まっただろうという時に、またもや不安をもたらすニュースが。1月15日(月)の報道では「新潟~丘珠間のチケットについて、12日に販売日時を公表し、15日から販売を始める予定だったが、東京航空局による整備規程の審査が難航し、販売を延期した」と出て、おいおい。

 

 このぶんだとまた延期?私はTOK就航初便に合わせて新潟空港へ三たび行くつもりにしているが、こういうのが知らされるとまだ旅程を決められん。そういうところだった18日(木)の午後「19日(金)午前9:00から航空券発売」と発表。よしゃあ、こんどこそ予約画面にアクセス出来る!

 ただし9:00にアクセスを試みたところで、初便予約希望者が集中し過ぎて画面がすぐに開くか甚だ疑問。こういう時は有人カウンターで操作してもらうのが最善だが、就航日以前だとカウンターは開いていまい。よって電話かWEBとなり、すぐにつながるかは運任せ?

 

 そして1月19日午前8:55、私はTOKサイトを開けて予約がオープンとなる時を待っていた。時計を見て9時00分01秒に検索をクリック、お、1月31日101便の29000円トキビズのみならず19900円トキトクも空いてるやん。

 この次に私が取った行動は予約画面の撮影、って予約せんのかい!そう、私は従来方針通り初便には乗らない。いっぽう新規参入ターボプロップ機運航会社にはめちゃくちゃ関心があり、予約ウォッチも興味本位からであった。で、程無く101便は完売。

 この後エアー北海道ファンクラブWT執行委員からの連絡だと9:00少し前から予約画面へ入れたそうで、そこで取れたのがトキビズ・・・って、はて私が見たトキトクの空きって何?

 その時点ではそれより前に予約ボタンを押したけど、その後予約完了画面にまだ到達していなかったから私が見た時では空き表示だったと推測。仮に私が空きを見て予約操作へ移ったとしても、途中で他の予約者の予約完了で満席に達し自身は予約出来ずとなっていただろう。

 

 さて就航初日の予約経過だが、新潟発初便のBV101便が9:00から1分以内に満席、丘珠発初便の102便も午前9:27に満席。また新潟発の第2便となる103便も9:14に満席。けれども1月20日では101便以外の便は空きが出ているとのことで、まあそういうもんやろ。

 旅客機趣味者の多くは新会社とか新規導入機の初めての離陸にこだわり、よってTOKでも他便の初日予約は流動的でも初便である101便の動きは少ないだろう。

 

 1月31日(水)の新潟市東区の天気は、前々日辺りまでは降雨ありの予報だったが前日では雨の予報は無し。且つ気温も1月にしては日中は割と高そうで、恵まれた天気の中で初便は上がりそう。

 当日伊丹を発ったJL2241便・JA221J機内にて、先任CAへ私は今日の新潟訪問事由を説明。「ええっ、今日だったんですか!」「そうです。3度目の正直です」。

 降下したら午前8時台の新潟空港は晴れ、穏やかな空の下で2241便は8:13新潟空港に到着した。WT委員から知らされた就航行事は1階センタープラザにて8:15~8:45、いっぽう101便搭乗手続きは8:00からなので搭乗者なら早目に手続きを済ませて行事を見に行っているだろう。

 

 スポットインしたけれどエンジンが止まるまで数分を要し、よってボーディングブリッジ取り付けも停止後時間を要し、機外へ出たのは8:20頃。到着口を出たらすぐ左のTOKカウンターでは九十九折テープに沿って客が並び、JALグランドスタッフが搭乗手続きを担っている。その場で新潟市在住JAL trico会員DPさんと合流、私たちがセンタープラザへ達した8:25頃ではTOK社長の挨拶中であった。

 この場には同じく会員TBさんとLAさんがおり、ここにtrico会員4名が一堂に会してTOK就航セレモニーを見ることになった。なおTBさんが101便搭乗、LAさんはTOK就航を見に来ただけで乗らない・・・え~?? 私も同様だが。trico会員以外ではエアー北海道ファンクラブWT執行委員が予定通りこちらにおり、同じくKH顧問も東京からこちらへ。

 

 既にメディアを含めて大勢が就航行事を見ており、遅れて着いた私は人垣の隙間からその様子をうかがっていた。

 社長の前には新潟県知事・新潟市長が挨拶しており、そして社長の次に国交省新潟空港事務所所長が登壇して今日に至るTOK就航前の様子についても述べていた。

 そして社長への花束贈呈、続けて高校生が作成したポスターの贈呈が執り行われ、8:37に就航行事が終了。

 この後社長・知事の囲み取材があるが、私は周辺を徘徊。私を含む県外trico会員3人はDPさんからJAL新潟支店長・新潟空港所長を紹介され、さらにその場にいたTOK機長も紹介されたのだが、私は瞬時に機長へ「プロ野球の入団テストを受けた!」「もう知ってらっしゃる!」。昨日記事を見たばかりなのだ。

 

 JAL運航乗務員OBの機長へ私は持参のJALノートに印刷された機種リストを示して乗務機種を訊いたり、私のtricoネームタグを示してJAL tricoのアピール。周りのtrico会員が引いてしまう事態が生じてしまった、かも!?

 ところで時刻はまだ午前8時台でTOK就航初便が出発する前。その段階でtrico会員は既にTOKのことで盛り上がっており、もしこれで目の前にいる機長が初便乗務ならある意味どえらいことになったかもしれんが、幸い今日は乗務無し。よってこの先はひとまず101便が無事出発するのを待つことにした。

 

 2階でKH顧問と振り返るのは15年前の1月31日のこと。その日も我が国のターボプロップ機運航の節目に当たる日で、それはエアーセントラルフォッカー50定期便ラストフライトが予定されていたから。

 往時私たちやWT委員は仙台空港から当該便でセントレアへ向かうはずだったが、ところが私たちが乗り込んだJA01NVは仙台空港降雪のため離陸出来ず欠航。

 この件があるので今日のTOK就航はとにかく天候不良に巻き込まれんようにしてくれとの願いがあり、果たして先述の通り現在新潟空港の天気は穏やかである。目的地天候調査とか条件付きも出ていないので、たぶん丘珠へ降りられるのだろう。

 ところでKH顧問が来ているのはADK/エアー北海道ジャンパーで、「北海道」及び「ターボプロップ機ツインオッター」の意を含むこの服装に徹底したものを感じる。さらにオッターは新潟でも運航した実績があり、まさに今日これからの搭乗に相応しい服装といえよう。

 

 再度カウンターを見たがもう丘珠行きの客は皆搭乗手続きを済ませているようで、それでは出発を見ることにしよう。DPさん・LAさんとは別行動を取り、私は3階から駐機中のJA01QQを見られる所へ。

 展望デッキへ入れるのはメディアスタッフのみゆえ、一般は3階からか空港外周から。3階だと米まいテラスが良いが、9:05頃に私が行った時では窓際に人垣が出来ており、私は人の頭の隙間からでしか機体が見えず、しかも一部分だけ。スマホカメラを上に掲げてエプロンの様子を見ていた。

 

 米まいテラスに集う層は、エアバンドの音声も聞こえるので旅客機趣味者もいるにはいようが、子供連れ・お年寄りの割合が大きい。平日ゆえ小中高の生徒はおらず、いっぽうNHK取材陣がいた。

 9:11時点ではエプロンに乗客動線が用意され、9:12伊丹行きJA221Jがランウェイ28から離陸する時に1番に搭乗改札を通過したであろう客がJA01QQへ向かう。

 だがその後がぼちぼちと向かう状況で、60数名は何をしとるのか?後で知ったのだが、ターミナル前に出発を送るスタッフが並んでおり、たぶんそれを撮っていたんじゃなかろか。これはデッキからは見えていたようだが、米まいテラスからは死角に入って見えていなかった。

 ぞろぞろと機体へ向かう客が9:14以降増え、それらは01QQへカメラを向けてからステアへ歩く。9:23には何かの集団が固まってエプロンへ出て来て、その後ステア前で列を為すというオープンスポットでよくあるシーンが初めて見られた。

 

 動線指示が片付けられ9:32ドアクローズ、9:37時計回りでランプアウト。01QQはランウェイ28端へ向かいこの場からは見えなくなったが、まだ離陸を待たねばならない。

 NHKカメラもそれを待ち、そして9:46テイクオフローリングする01QQを視認、9:46ランウェイ28離陸。

 米まいテラスでは拍手の音が大きく響き、これには感動した。私はそこで退出したが、この後01QQは右旋回後新潟空港上空を通過してから北海道へ向かったという。

 

 1階では就航行事の後片付けが行われ、いっぽうDPさん・LAさんの姿が見当たらん。よって贈られた花とかを見ていたのだが、出発前にその贈り主の名を見て卒倒しかけたのがありそれを改めて眺める。

 さて午前10時台になったが朝食だ。コンビニで弁当を買い、復元されたセンタープラザの丸テーブルで食べていたのだが、そこへ機長が来て、私は神戸就航時にTOKユーザーになる予定、いやその前に仙台就航時には乗りに来ると伝えた。それからJAC ATR72-600が70席なのに対しTOKのものは72席等々。いやTOKの72席というのを私は昨日知り、それまでJA06・08JCと同じく70席と決めつけていた・・・。

 

 TOKは72乗りターボプロップ機で新潟を拠点とする地域航空会社・・・といっていいのかどうかは判らん。ただ仙台・佐渡へ飛び始めたらその要素は増えるが、本日時点の新潟~札幌を見たらFDAのようなリージョナルエアラインの感が強い。

 さかのぼれば私がTOKに関心を持つようになった2020年時点では、同社はLCCであるというのが私の認識だった。これはTOKI Aviation Capitalのサイトに「LCC地域航空ネットワークの設立」と載っていたからである。ところがそちらではなくてトキエアのサイトを見たらLCCとは載っておらず、さてどうなのかと思っているうちに「新潟~仙台1万円」と報じられ、この時「LCC」という考えは私からかなり消えた。

 

 LCCで1万円投じたら280マイルの関空から成田へ行ける日が多く、これを思えば99マイル1万円というのはLCCカテゴリーには入るまい。

 その通りというか、初日運賃も大人健常者の場合369マイルで19900~29000円要し、運賃を見たら先述のようにスカイマークかFDAに近い感覚を抱く。

 さすれば機内サービスにも関心が生じる。LCCならただ座るだけ、あるいは機内販売商品を買って飲食ということしか思い浮かばないが、さてTOKは?それをいうなら早く乗りなはれ、初日に新潟空港まで来るくらいなら初便搭乗を目指せばよかったのに、心の中に聞こえてくる。

 

 2020年から関心を持っていた旅客機趣味者である自分が、今日の101便に乗るのは自然の流れ。逆にそういうことまでしておきながら、初便はともかく初日を目指さないのは不自然・・・。

 その理由には丘珠へ行ってから天候不良に巻き込まれ帰阪出来なんだらどうするなんてのもあるが、6月30日就航予定だった時も乗らないつもりでおり、要は乗らないのが前々からの既定路線。

 あんた、天草エアラインやフェアリンクほかの初便搭乗者やろが。考えが変わったんか?・・・もし近畿圏での新規参入または就航なら初便搭乗を目論んだであろうが、今回は大阪から313マイル離れた新潟ゆえ「地元の旅客機趣味者が乗り、トキエアを盛り上げるところを見たい」という思想だった。

 AMX初便搭乗の頃から考えが変わったといえば変わったといえるが、それ以上に新規参入航空会社周辺状況へ関心が拡がったのである。

 

 また仮に初便に乗ってそこで好い思いをしたらTOKファンへと昇華し、以降事ある毎に新潟遠征なんてなりかねない。

 2000年以降既に天草・長崎・静岡・仙台へ行くようになり、これに新潟が加われば出費が多くなりすぎ。今日の静観は自身を敢えて抑えることもある。

 否、初日ここまでのtricoと機長の展開から私はTOKファンと化しているのが判る。航空スタッフの姿勢が新たな自社ファンを創る例でもあるが、早く新潟~仙台に就航してもらい、短距離ターボプロップ機都市間路線に乗りたいと気持ちが募る。

 

 就航行事会場に飾られていた花がカウンターへ移され、それまで置かれていたものに加わって園芸展示場のようになった。

 そして正午を迎え、私はNHKニュース後半を注視。果たして新潟ローカルのトップはトキエア就航だった。WT委員が映っており、また大阪から初便へ乗りに来た客もいた!

 12:45からBV103便搭乗手続きが始まり、TOKスタッフも見守っている。私の主観だが、出発2便目ともなれば趣味者色がかなり薄まったような気がした。また報道によると予約状況は満席ではなく、LAさんが折角東京から来たのだから103便で札幌へ飛べばよかったのに、と朝方勧めてみたが費用の都合でパス。

 

 DPさん・LAさんが帰って来てtrico会員3人で丘珠発102便到着を出迎えるが、到着口には観光スタッフのみならず複数の御当地キャラクターも登場。到着客歓迎・お土産等手渡し・横断幕掲示の準備に入っていた。

 13:53に丘珠発乗客が到着口から出て来て、スタッフは拍手で出迎えそしてお土産を手渡す。メディアも多く、何組かへインタビュー。私の近くにいた人のものは後刻オンエアされていた。

 また到着客の中にはTOK会長の姿もあり、いっぽうエアー北海道ファンクラブメンバーはおらず折り返しはやらなんだか。

 機長はこちらへも姿を見せ、遂に私を含むtrico会員3名とで記念撮影。こうしてtricoがTOKに知られていくと思うが、今後は搭乗して客室スタッフへも知らせたい。その前に101便に乗ったTBさんがそれを実行したかな。

 

 時刻は14時を回り、私はぼちぼち15:05発IBEXエアラインズ74便で帰阪する準備へ。大阪から76人乗りE170で来て、72人乗りATR72-600の離陸を見て、70人乗りCRJ700NextGenで帰るのだ。

 私たちはセンタープラザで解散、私は保安検査場へ。そしてJA10RJ機内で私はCAへ「トキエアの就航を見に行ってたんです」、「ええっ!今日だったんですか!」「仙台へも近いうちに来ますよ」。私はTOK勝手に宣伝員と化していた。