今世紀に入ってから多くの年の3月23日には「就航記念日」である天草エアラインに乗り、それから「開港記念日」である天草空港へ行っている。

 よって今年2023年もAMXへ乗りに行くのだが、その今年の当日は熊本空港新ターミナル開館日でもある。こりゃ天草~熊本のMZ201便か202便を旅程に入れんとあきまへんなあ。

 

 さて午前の201便でターミナルが新装となった熊本空港へ降りるか、午後の202便でそこから発つか。両方という手もあるが、私の選択は搭乗出来る可能性が大きい202便。

 では201便搭乗可能性は低い?天草空港の天候が悪ければ福岡を発った機材が降りて来られず、その結果欠航というのも視野に入れている。ゆえに当日はまず伊丹からJ-AIRで行き、新ターミナルを見た後202便でそこを発つのだ。

 

 ところが!2023年3月23日(木)の伊丹発熊本行きJL2383便は熊本空港天候不良につき条件付き運航、という知らせが当日朝5:23と6:15に発せられていた。熊本空港が、新装オープンの朝にいきなりこれ・・・天草のみならずこちらまで、とは熊本空港の場所が同じである限りこの事態はあり得るのだ。

 ひとまず伊丹空港19番搭乗口で6:55に搭乗改札が始まり、私はJA222Jへ。19H席に座って待つ間、出発前なのにCAミラーの機内販売があった。その後7:10にドアが閉まり、7:19プッシュバック、7:19タキシーアウト、ランウェイ32Lから7:40離陸。

 

 平日である木曜早朝発便は、76席のうち18H・Kが空いているものの60席位が埋まっているようだ。7:49にベルトサイン消灯、機内サービスはこの先の揺れを見越して冷たいものだけ提供。それでもカートは前後ギャレイから出て来て、私はスカイタイムももぶどうを「アレルギーはございません」と宣言してから頂戴。

 7:59に入ったコックピットアナウンスでは、目的地天候は霧だけれど今のところは着陸できる見込み。加えて本日より新ターミナルの旨も告げられた。これを聴けば私の気分も盛り上がって来る。

 

 8:12ベルトサイン点灯、下は見えず。今日の状況なら金峰山回りとなるのは判っており、やがてヘディングは西から東へ、8:34に地上を視認、ギアダウン。降下したら空港近所の地上も見え、8:37ランウェイ07着陸。

 19K窓から新ターミナルの様子を見たが、エプロンを見てもデッキを見ても人がたくさんといるという感じではなく、普段同様の到着となりそう。

 曇天下で2番スポットに8:40停止。降機も通常だったが、内心はかなり高揚していた。

 

 到着口まで割と歩くが、以前のターミナルで6番に着いた時も相当歩いており、これについてはあれこれ言わん。そこを出たところで新ターミナルオープングッズを頂き、そして9:00からのANAオーケストラを聴くなど周辺を見回っていたらtrico会員「ぐっさん」さんから声を掛けられた。

 当人に案内されて無料の送迎デッキへ。私が見入ったのは人出よりも遠景、わぁ~視界が悪そう。降りるのが遅れたら出発も遅れてとなって、見ているだけでも頭を抱えたくなる新ターミナル初日の熊本空港だ。

 

 けれども新装記念の1階ステージはそれを忘れさせ、ANAオーケストラのみならずJALダンスパフォーマンスも13:00から催される。これを知ったのは当日が迫ってからだったが、JL2383便で来てMZ202で発つまでの間に、全部という訳ではないがかなり見られ、JALのステージの第一部も見られるのが判って、自分の旅程にしめしめという具合。

 JALのダンスチームは男女混成で様々な部署から集まっており、例えば普段がグランドスタッフというメンバーがいたらCAというメンバーもいる。チーム名は後で知ったのだが「W-PIT DDD(ダブルピーアイティー・ディーディーディー)」、DDDとはダンス×3とのこと。

 

 ぐっさんさんの話では羽田からtrico会員ジャスミンさんも来るとのことで、待っていたら最後のほうで出て来た。ここからぐっさんさんとジャスミンさんはJAL熊本支店長&ふるさとアンバサダーCAと合流し、新ターミナル巡りへ行くそうな。そのきっかけはくま川鉄道ツアーだそうだが、幅広い趣味活動に感心する。

 そのターミナル巡りには私も参加することになり、搭乗ロビーの店舗を眺めたり、展望デッキへ行ったり。そこにはW-PIT DDDメンバーもいてJALメンバー記念撮影会へと至った。

 

 羽田から来た知人はまだ他にもいて、これが「そんなん聞いてへんで!」。朝の条件付き運航JL623便で来たtrico会員ろばぁと師匠・・・って、当人と熊本空港の関わりって知らんで~!

 DDDのステージの前のプログラムが終わると私は観客席に座り、いっぽう他のJALメンバーは立ち見。ステージが始まれば「カマーンベイビーアメリカ」など演舞し、さらにはくまモンとくまモン体操まで!終了後はANAオーケストラも加わっての記念撮影へ!!

 

 次回ANA演奏は14:30~15:00、いっぽう私が乗るMZ202便出発は14:50で、演奏開始時には保安検査場の向こう側・・・。ところがAMXが午前の遅延をひきずって伊丹往復。それらのため15:45発となっており、これならANAオーケストラ演奏を見られる!災い転じて、否、遅延はよろしくないと建前を記しておこう。

 かくしてANA演奏第2部が始まり、DDDの面々は観客席後方からその演奏を聴いたり、その後ろで写真を撮ったり。だが15:00になっても終わらず、というのはアンコールに応えるため。演奏者からは「アンコールでは何かあるかもしれません」と面白そうなことの示唆を。

 そして盛り上がる中、演奏中にDDDが入って来てダンスパフォーマンス、こいつはサプライズ演出であった。この後だったか、ANA演奏者から「赤も青も関係ない」と聞こえて来て、これは印象的な言葉であった。

 

 ともあれAMX遅延のおかげでANAオーケストラ&W-PIT DDDのコラボを見られたのだが、いよいよ出発15:45が迫って私は最終シーンを見る前に1番搭乗口へ。

 いっぽうステージ近辺に残ったろばぁと師匠・ジャスミンさんは遅くに帰京する予定だが、この夕刻以降の熊本発着便は視界不良でイレギュラー発生しまくりだったとのこと。2人がどうなったかは私は把握せず。

 

 搭乗ロビーは、店舗の先に搭乗口があるという感じだ。1番へ達していたらAMX趣味人がいて、当人は今年もAMX全レク搭乗実行中。さて15:45発だがさらに遅れ、搭乗開始時刻も15:50予定が15:55になり、実際始まったのは15:58だった。

 エプロンへ出て、これから乗り込む機材は鶴丸ハイビスカスATRのJA01JC。01AMが整備に入っているためドライリースとなっているが、件の01AM整備入りは前月からで、そのため81AM塗装変更に始まる現行「みぞか」塗装10周年の2月24日には運用に入らず、そしてAMX就航23周年を迎えた今日も。

 よって就航記念日にAMX機材が飛ばない事態となって、こういうのは81AMトラブルによる2007年以来じゃなかろか。

 

 後方ステアを昇って厳選CAへ挨拶、今回私が座る所は最前列反対向きの1C。小雨の中16:11ランプアウト、厳選CAがJAC機材で運航の旨を告げる。熊本空港新ターミナル初日にJAC機、これもまた味わい深いが、みぞかファンならボヤくところかもしれない。

 ランウェイ25から16:15離陸、すぐ雲の中へ。ベルトサインは消えることなく、16:28ギアダウン。天草空港ランウェイ31進入、16:33着陸、こうして私は23周年記念日にこちらへ到達することが出来、やれやれ。

 

 厳選CAがAMX就航記念日であり降機時にささやかなプレゼントを渡す旨をアナウンス、そして熊本空港新ターミナル供用開始の記念品も到着口にて・・・って、天草空港でそれを頂けるのも変?否、いずれにせよ202便旅客へ手渡すのであれば、手渡し易い天草空港のほうが好かろうと思う。

 雨天の下、16:36スポットイン。降り際に23周年グッズとCAスタンプを頂き、ステア上から反応の有無を度外視しつつ手を振り、手荷物受取場でターミナル新装の記念品を受け取る。

 

 「天草空港・天草エアライン就航記念日 新・阿蘇くまもと空港就航日 令和5年3月23日 AMX」のラベルが貼ってある透明袋の中は・・・これって熊の縫いぐるみ?色がオレンジならJJPのジェッ太くんみたいだが、背中側には「ATR」ロゴ。これってATRのオフィシャルグッズとちゃうん!? 最後に気分が高揚した。

 なお201便搭乗AMXファン氏はそちら搭乗時にもATRグッズを頂戴しているが、201便と202便では別物とのこと。そしてそれを聴きつつカウンター周辺を見たが、「23周年」装飾は見られなかった。

 

 これを見たら私は本渡バスセンターへ向かうのが、202便接続シャトルバスはバス停に停まっていない。定刻15:15着が16:36になると、天草産交バスは待ってくれないのか。どないすんねん?とカウンターへ行けばスタッフが「大井様!」。私は事情を説明したら2000タクシーチケットを支給され、またタクシーもAMXが呼んでくれた。

 タクシーに202便から2名が乗り込んで本渡バスセンターへ。料金は2150円なので、チケットを上回るぶんは75円ずつ出し合って降りた。この後私は17:35発快速バスに乗って、20:04熊本駅着。

 

 私は翌朝福岡空港7:05発のJ-AIRで帰阪予定のため、まだここから福岡へ移動しなければならない。JR普通電車で大牟田へ、西鉄の急行電車で天神へと移動し、博多駅バスターミナルのネットカフェで待機。24日未明に博多駅から福岡空港国内線ターミナルへ徒歩移動の後、E170で帰阪という行程だった。

 もし24日朝に熊本空港から帰る予定を組んでいたら、23日夜の熊本着が欠航になっていたので予定便には乗れずというところだった。新しくなったのはあくまでターミナルであり、航空機発着環境がそうなった訳ではないのだ。