2021年12月27日JR四国キロ47「伊予灘ものがたり」ラストラン!2022年春から185系特急「伊予灘ものがたり」となり、列車としてはリニューアルされるが、キハ47改造キロ47充当としては先述の期日が最後。

 空気ばね台車を履く47形ディーゼルカー、そこで上質のサービスを受けられる・・・とあらば、私も過去2回乗っているけれどキロ47勇退に際して乗っておきたい。

 かくして11月27日午前9:40「みどりの窓口」へ出向き、12月27日ラストランとなる道後編指定券確保のため「1ヶ月前10時打ち」に臨む。駅スタッフから「ラストランですね」とも言われ、さあ10:00。スタッフは「無理だ!」。私は礼を言って帰宅した。

 

 ならば仕事が休みの12月10日に松山へ行って道後編に乗ろう。ところがJR四国サイトを見たら、同日の4本は全て満席。いやいや当日になれば空席があるやろと思い、私はJALPAK 1泊2日プランで空路大阪から松山へ。

 午前10:30頃松山駅にて「伊予灘ものがたり、今日午後の八幡浜発」と窓口で申し出、スタッフがマルスをささっと操作、それを見る私はその時点では取れると思っていたが、満席・・・。では八幡浜行きは・・・これも満席。ではもうちょい待とう。

 待合室で待機、そこには「伊予灘ものがたり」ラストランに因む写真展が開催されていた。四国に於いて47形ディーゼルカーがここまで取り上げられるとは、国鉄時代から通じてこれが初めてではなかろうか。

 12:30過ぎに再度窓口へ行き、道後編・八幡浜編空席を訊いたがその時点でも無し。即ち、今回の松山遠征では「伊予灘ものがたり」目当てだったのに、それが果たせないまま翌朝帰阪することとなった。さて今日はこれからどないしょ。

 

 双海編到着~八幡浜編出発を見てから三津浜へ行くことにして、3番乗り場へ。折り返し準備の「伊予灘ものがたり」スタッフや八幡浜編から乗務するアテンダント、そして乗客が来て何やらこれから大物が来るという雰囲気が高まる。

 テーマソングがホームに流れ、またキロ47からも音楽を流して双海編が到着。降車客・乗車客が混じり、折り返し準備がなされホームは賑わう。その客層は団体御一行様や鉄道趣味者?平日とはいうものの、こりゃ空きが出るのは期待できんわ。

 出発準備が整い、地上スタッフが横断幕を用意。ただし向いているのは3番乗り場の「伊予灘~」ではなく、1番乗り場の高松・岡山行き特急列車。これの発車に際してスタッフたちが手を振って見送るのだが、これを見られた特急乗客は「伊予灘~」気分に浸れるかもしれぬ。

 その後振り返って13:28発八幡浜編の見送り。私も先頭車付近で手を振り、これにて最初のミッションは終了。

 

 いや待った、地上スタッフへ見聞記書面を渡しておこう。「いつもありがとうございます」と私が常連客であるかのような対応・・・否、私にそう思わせるような台詞もまた上質のサービスである。そう、アテンダントのみならず、バックアップスタッフもハイグレードであると思わせるやり取りだった。

 これにはまだ続きがあり、「乗り来たけれど満席で乗れなんだ」「どちらから?」。ここで大阪と言えば、当該女性スタッフは驚いた様子。大阪から当日キャンセル待ちで乗れることを期待して来たけれど、結局乗れずに帰阪する松山来訪者、間抜けだ・・・という訳。「どうされるんですか?」「ひとまず三津浜へ」、7000系で移動開始。

 

 三津の街を見てから松山駅へ戻り、18:17の道後編到着を見届けるが、これは私が初めて見る「伊予灘~」ナイトシーンとなるのだ。今回3番ホームに来る地上スタッフは昼より少なく、客を下ろしておしまいだからそうなるか。

 到着、客が降りたら地上スタッフがお礼を言い、その言葉は「見ているだけ」の私にもかけられた。

 大勢が降りた後で私は恨めしそうにホームから車内を眺めていたら、アテンダントから「何かお忘れ物ですか?」、いえ、見ているだけでございます。これが営業に当たっているキロ47とその車内を眺める最後の機会となろうから、しっかりと目に焼き付けておこう。ん・・・私は4ヶ月前に乗っていることもあって、何か見慣れた車内と思えてきた。

 

 やがてアテンダントたちが1列で階段を上がっていき、地上スタッフたちも引き上げた。ドアも閉まり、車両基地へ引きあげようとする「伊予灘ものがたり」キロ47。夜空の下で孤高感を漂わせ、これが私が見るこの車両の最後の姿となろう。