2001年4月1日、J-AIRに50人乗りジェット機CRJ200そして客室乗務員がデビュー!

 J-AIRで初めて飛行中の機内サービスが行われることになり、ドリンクサービスはその日朝の広島西~福島XM520便で初実施。同便に搭乗し11H席にいた私は回って来たCAに「ホットコーヒー!」。だが温かい飲み物は無く、冷たいウーロン茶を私は頂いた。
 J-AIRのCRJには温かい飲み物は無いのかと初日に思う私であったが、RACの39人乗りDASH8ではドリンクサービス無しであることから、「JAL系100席未満旅客機でのドリンクサービスは簡素または無し」と解釈した。
 
 月日は経ち、何時頃からか知らないがJ-AIRサイトに「大阪~札幌線でコンソメスープ」と載るようになった。即ち同路線は同社でホットドリンクが唯一飲める訳だ。
 私はJ-AIR大阪~札幌線には2002年10月と2005年11月に乗っているが、いずれも冷たいものしか飲んでおらず、よって次回の札幌発着の際にはJ-AIRでスープを頂くことを目論む。
 
 ところで2006年4月以降J-AIR大阪~札幌 JL2019・2000便は、金銭節約旅行をする私には非常に乗り辛いフライトになってしまった。
 それまでは「前売り21」設定があったのに、新しい割引「特便28」「先得」がこれら2便には設けられず。またJALツアーズのパッケージプランでもこれら2便には乗れず、安く乗るには「バーゲンフェア」だけ。思い立った時に使えるのは普通運賃かそれに準じた運賃だけになり、それは私には非常に高額である。
 尤も本邦CRJに安く乗ろうといった考え自体が甘いのだが、金券屋で株主優待券を買えたのでそれを用いて2019便航空券購入を試みた。4月下旬にJALプラザ大阪で「5月2日、大阪~札幌2019便」と希望、だが満席のため空席待ちに。
 私の前に立つ次なるハードルは「席が無い」ことだった。
 
 2007年5月2日(水)18:10頃の伊丹空港、サクララウンジから14番ゲートに来るとレジャーまたは帰省風女性客の姿が目立つ。背広ビジネスマンは?新千歳行き搭乗口はここなのかと思うほどの客層である。
 当該便機材は旧塗装即ち「JALフライトアカデミー」塗装で残るJA204J。同機がこのカラー最後の1機になったと数ヶ月前に聞いたがまだ残っており、よって4月から付いた「one world」マークとこの塗装との組み合せも期間限定だ。
 ステアを昇り客室乗務員と顔を合わせると、CAの表情が変わって私に会釈。私も笑って挨拶するが「はて、どのフライトで会ったか?」と私は2C席に座って過去のJ-AIR搭乗歴を思い返す。そうだ、2006年11月1日の小牧~福岡開設での小牧就航行事の時!つまり搭乗時には一緒になっていない訳だが、それにしてもCAの記憶力には感心する。
 
 客室を見渡すと50席中10席ほど空いており、ネクタイを締めた男性客もいるが先述のようにレジャー風の比率が大きい。「いつもの2019便の客室と違うのでは?」と私が言えば「ゴールデンウィーク中だからではないでしょうか」とCA。休前日の平日とはいえ連休に挟まれたら「いつもの平日」ではなかったのだ。だから私にもこの便の席が、キャンセル待ち申し出の後しばらくして取れたのだろうが。
 この後CAから今回の搭乗目的を訊かれ、私が答えたのは「J-AIRでホットドリンクを飲むこと!」。
 CAは驚きの表情を見せるが、私は「加えて小樽からコレに乗ること」と言って新日本海フェリーの高速船パンフを示す。だが、それはCAをさらに驚かせる結果になってしまった。往路CRJ、復路フェリー・・・。18:35ランウェイ32Lから離陸。
 
 ドリンクサービスの選択は冷たいのがスカイタイム・緑茶、温かいのがコンソメスープで、私は当初目的通りコンソメスープ。こうして私は遂にJ-AIRで初めて温かい飲み物にありつけた。
 ここで記念写真を、と思ったが画像を見ても「温かい」かどうか判別不可能であろうから止めた。湯気が出ていればホットだと判るかもしれんが。とにかく飲みほし、これにてJL2019便搭乗目的は終了、私は6年来の悲願達成である。
 「お味は濃くなかったでしょうか?」CAが訊いてきた。「うん、濃かった」「それでは薄いのを作り直します」「?」・・・私は今回で702回目の航空機搭乗だが、ギャレイ業務に関してはほとんど知らない。他便で容器に入れてあるホットコーヒーもどこで仕立てるのかすら知らない、というか関心を持たなかった。唯一JTAの「さんぴん茶」だけ粉末を加えて作るのを見てはいたけれど、コンソメスープの味もギャレーで調整できたのか?
 
 ともあれ2杯目を頂き、確かに味が薄くなっていた。それ以上にJ-AIRで「スープの味の濃淡を調整する業務」に遭遇できたのは収穫であった。同時に客室乗務員の仕事について少しでも関心を持てば、乗客が客室で過ごすことにおいてプラスになるかもしれないとも思った。
 「これをするには時間がどれ程かかるか」など知っておけば、乗客も客室に於いて時間を有効に使えるかもしれない。と今頃になってこんなことをいう私は、先述のように「一般旅客がギャレイ業務を知っても何もならん」と思っていたからで、この考えは今日から改めよう。
 
 伊丹~成田線のことや来年度導入予定エンブラエル170、さらに今月15日登場国際線ボーイング737-800の話題を出していたら「大井一般旅客説」は覆されてしまい、この際私から見たCRJの長所をメモ書きして渡しておこう。
 機長アナウンスで告げられた飛行高度は29000フィート、速度は時速880km、当初は夕日を見ての飛行だったが行路後半は闇の中。先述の客層はWCへ行く時に判ったのだが、ビジネスマンは普通運賃に準じる運賃あるいは「eビジネス6」で乗っているだろうが、それらは出張旅費として支給されるので費用は気にすまい。対してレジャー風旅客はどんな運賃で乗っているのだろうか。
 通常想定される「伊丹夕刻発新千歳行き」ならビジネスマンで満杯、皆出張旅費が出ると私は思うところだが、この通常ではないレジャー客比率の高さが私に新たな興味を呼ぶ。そのレジャー客の中には飛行機の旅を楽しもうとする人もおり「小さい飛行機だからこそ飛行機に乗った感じがする」と言う婦人グループがいた。これを珍しいというか、CRJも市民権を得たというべきか。
 
 高度を下げ、旋回して南へ進んだ末に新千歳空港ランウェイ19Lに着陸したのは20:08。明かりに照らされる3機のHAC SAAB340Bを見ながらスポットイン。ランプバスが走って来る。客室から出たら2019便クルーに手を振ろう。