2019年3月27日(水)のJALエリアニュースの見出しに「エンブラエル170導入10周年記念イベント」とあり、その実施は4月6日(土)、イベント対象便は伊丹8:00発山形行き。
 当初「就航10周年記念イベント」と取り違えていた私は「就航日は2月1日だったのに、何故4月6日?」、2009年の4月上旬といえば「静岡空港開港初便搭乗」を巡って旅客機趣味人が騒いでいた時ではないか。
 後に「導入10周年」と改めて見て、それならば就航日及びその初便の目的地だった松山にこだわることはなかろうと自らを納得させる。4月6日というのは何かの都合だろう、軽くそう思っておこう。

 当日の早朝は晴れ、予定通り6:20過ぎに保安検査場へ向かうと、何この長い行列?JGC検査場にも何人か並んでいた。そして新装オープンのサクララウンジ、ここでも飲み物を入れる人たちの列が出来ており、すぐに取れることでは先月までのリフレッシュラウンジに軍配が上がる。
 2階で知り合いKDへ挨拶したら即「20番ゲートのイベントへ?」と返され、もはや私の行動が読み切られている。そして当初予定より1分遅れの6:46に20番ゲート到達、既に行事用装飾は整えられていた。J-AIR/JALスタッフも来て、輪になってのブリーフィング。
 さてスタッフと私が談笑している所へ他のスタッフが集まって来て何かの打ち合わせが始まり、傍から見たら私もそれに加わっているみたいであろう。この際「私がいる所でこういう展開が多いのは、どういう訳でしょうね~」と言っておく。

 整備士・パイロット・CAの制服スタッフもおり、CA 3人が本日記念品を持ったところを取材のカメラマンが撮っていた。片やJ-AIRスタンドの前では機長たちが記念撮影に興じている。
 10周年セレモニーは7:15からで、館内放送ではそのことと当該便に乗らなくても時間があればお越し下さいとの旨を告げている。始まる前は客よりも関係者・スタッフのほうが多い状況で、そりゃ8:00発に対して7:10とあらば客がまだ来ていないのは尤もかも。またそれゆえこの時間帯にいる客には旅客機趣味人もいる。
 CA 3名・J-AIR部長・エンブラエルスタッフ・パイロット2名・整備士が並んで記念行事スタート。始めは部長挨拶からで、その言葉にはE170を導入してからのJ-AIR史に触れるところがあり、小牧での就航・大阪本社移転・東日本大震災に言及、私には重みのある話だった。
 機長は2008年10月の受領時のことに触れる。当時私は初日搭乗はもちろんだが、予約するを初便の4391便にするか次便の4401便にするか等々を案じていた。小牧~松山でカート使用ドリンクサービスを実施するかどうかが判らなかったからで、最終的には天王洲へ問い合わせ4391便でも実施と知った。
 エンブラエルスタッフは英語で挨拶、私には一部の単語しか判らないが、部長は肯きながら聴いていた。思い返すと、昨秋伊丹フェスタにてエンブラエルスタッフと私の間で通訳してくれたのも部長であった。

 スタッフ挨拶が終われば記念撮影そして客を交えての撮影会、私を含む旅客機趣味人もそれに興じる。ここには伊丹フェスタにいたもう1人のエンブラエル社スタッフもいて、私を憶えていた当人と就航初日のことを偲ぶ。
 初便4391便は初号機JA211Jではなく212Jだったことを私が言い、その日1機がメンテに入ったことをスタッフが言及。思えば、意外・不本意が見られた2009年2月1日だった。なおメンテ入りは最終の福岡→小牧だったが、私は小牧→松山→小牧で212J、小牧→福岡で211Jに乗った後J-AIR CRJで関空へ帰ったのでトラブルには巻き込まれていないのだ。
 3人のCAにも就航初日画像を見せ、今日の行事には往時の司会を担ったCAが来ると思っていたことも言っておこう。

 搭乗改札向こうにはエンブラエルスタッフ・J-AIRメンバーが記念グッズを持って並び、その向かいではスタッフが見送り横断幕を掲げる。搭乗が始まると私はグッズを受け取り、そしてボーディングブリッジでストップ。昨日J-AIRメンバーから聞いた「PBBにも注目」とはこれか!
 通路左右にE170写真パネルが飾られており、要は写真展だ。印象的だったのが小牧でCRJと並んでいる写真で、部長の言葉もそうだったが、10年の歴史を感じさせるここまでであった。
 L1のところにいる先任CAが私へ「今日乗られると思っておりました」、中程・後方にもう2人がいて、中程にいたCAへ今日は客室3人乗務かと訊けばその通り。
 19Aに私、19Cに旅客機趣味人、19Hが空き、19Kに趣味人、それから前方にも何名かの趣味者がいるようだ。いっぽうエプロンにはさっきゲートで送っていたスタッフが降りて来て、見送り幕と「エンブラエル170導入10周年」を記した幕を掲げる。

 8:00ランプアウト、グラハン・幕を掲げるスタッフたちがこちらへ手を振る。その後のタキシングが長く、というのはランウェイ32Lからの離陸で、8:08空へ。
 ベルトサインが8:14に消え、先任が前方からやって来て、私へ往復搭乗かと訊くものの、私は片道のみである。「帰りは何もありませんからね~」と聞き、それはそれで私は心置きなく山形から青春18きっぷで帰阪を始められるではないか。
 8:36に入った副操縦士からアナウンスでは、高度は36000フィート。機窓は、ん、富山湾?ならばあの谷は黒部峡谷?
 ドリンクサービスではホットコーヒーを頂戴、その後グッズが当たる福引実施のアナウンスがあり、私は紙コップ下を見たが何もなく、つまり外れ。これが本日「E170導入10周年」機内行事だったが、私については昨年のひなまつりフライト以来この福引は3連敗、いずれもE170搭乗に於いてのことである。
 そのいっぽうだが、こういうイベントフライトでは私からクルーへ何か見せることが多いのだけど、「E170 10周年」については今年2月1日の「就航10周年」当日にセルフ記念搭乗を実施しており、その時にデビュー当日の新聞記事等を持ってきたりしているため、今日はネタ切れ。デビュー当日画像を携帯電話画面で見られるようにしたが、それだけ。
 客室を見ていたら、CAと乗客とのやりとりは19A以外でも見られ、私が見た限りでは楽しそうだった。余裕あるキャビン、というのはさほど混んではいないという訳。

 ヘディングが東へと変わり、新潟から山形へ向かい始めたと推察。8:48ベルトサイン点灯、8:51に機長から「大きい揺れが予想される」とアナウンスが入った。降下、雲にかかれば上下左右にやや大きめの揺れ。こりゃ座っておかんと危ない、と思う程の揺れだったが、雪雲へ入った時によく遭うタイプである。
 雲の下へ出たら高速道路が見え、ヘディングを北へ変えたら奥羽本線を視認。なおも降下するが、このままランウェイ10降りなのか?2006年10月にこちらへ来た時は山形空港直上まで来て、そこから反時計回りで山形駅近くを通って「01」進入だったが・・・今日は上の通り、9:03着陸。吹き流しが西から東へ勢いよく泳いでおり、つまり横風を受けての着陸であった。
 先任が「エンブラエル170は導入10周年を迎えました」とアナウンス、そこでは「今日のためにお時間を取って頂いた・・・」って俺らのことか!? 自分に都合よく解釈するのが私だ。降機前に何冊かのログブックが依頼者へ返されるが、中には折り返し便で返してもらうという人も。
 
 以上で導入10周年フライトは終了、私は50分歩いてさくらんぼ東根駅か神町駅へ向かうのだが、時間があるのでターミナル館内を見て回る。カウンターで風のことを訊いたら、9:32時点で21ノット、10m/sを上回っていた。
 小雨が止むのを待って神町駅へ、ランウェイ沿いを歩いていたら伊丹へ戻るJA211Jに抜かされた。機体はターンしてランウェイ01を離陸滑走、空へ上がれば左旋回で青空から雲の中へ消えていった。いっぽう私だが、駅まで55分かかった。