『社説』
産経新聞
自転車の交通違反に反則金の「青切符」を交付する新制度が始まった。16歳以上が対象で、自転車の事故を減らす狙いがある。自転車は身近で手軽な移動手段であるだけに、ルールが守られなければ誰もが被害者にも加害者にもなりうる。免許がないと運転できない自動車と違い、自転車の交通法規を学ぶ機会は少ない。
警察庁によると、全体の交通事故件数が減少傾向にある中、自転車事故は毎年7万件前後と横ばいで推移している。このうち令和7年の歩行者との接触事故は3269件で、過去20年で最多だった。多くは自転車側に法令違反があった。
自動車の違反取り締まりで広く使われている青切符は、期限内に反則金を納付すれば刑事手続きが取られず、前科もつかない制度だ。
『私見』
4月1日から開始された交通反則通告制度。自転車は...30年以上乗っていないんじゃないかな。私は移動手段に自転車を使う予定はないけど、こういう機会でしか詳しく調べることがないので、最低限のことは知っておこうと思う。
運転免許がなくても乗れる自転車へ、青切符が導入されるようになった。これまで、自転車の違反には、注意or赤切符(酒気帯び等の危険運転で事故を起こす刑事事件)しかなかった。その中間となる青切符が導入されたことで、これまで注意だけで済まされてきた違反に対しても反則金が科せられるようになる。
高校生を含む16歳以上が対象で、16歳未満には基本注意のみ。対象の違反を行った場合、基本は口頭や書面での注意だが、危険・悪質な場合は青切符の対象となる。反則金を支払えば前科は付かないが、無視すれば刑事手続きとなる。
自動車事故が減少傾向にあるのは、自動ブレーキなど技術の進化があるから。当然、飲酒運転の厳罰化が運転者の意識に影響していることは考えられるが、過去と現在で運転自体を安全に行おうという意識が劇的に高まったかというと疑問がある。自転車に青切符を導入して、自転車の運転者の意識を変えられるのか⁉新ビジネスが開拓されて、自転車にも事故を未然に防ぐ技術が注がれるのか⁉どうなんだろう。
歩行者との事故は2025年に過去最多となり、ざっくり言うと4件に3件が自動車、4件に1件が自転車が相手という比率。技術の進化で自動車事故が減少しているのに対し、運転者任せの自転車の事故はほぼ横ばいの為、割合で言えば自転車事故は増加している。その対策が青切符の導入ということになる。
対象の違反は113種類もあるが、多い違反をランキングにすると以下のようになる。
1、信号無視
2、一時不停止
3、通行区分違反
4、安全不確認
5、歩道での危険走行
2023年4月の道路交通法改正で自転車の利用者にヘルメット着用が努力義務となった。自転車の死亡や重傷事故の内、約75%が違反を伴っていることから、ヘルメット着用に次いで、運転者の意識を変えることが本人や歩行者の命を守ることに繋がる。
今回の新制度は自転車のみを対象としたものではなく、自動車が自転車の横を通過する際は十分な間隔を保つか、安全な速度で走行することが義務付けられるようになった。法律上「○m以上の間隔」との明記はないものの、目安として1m以上と考えた方がいい。間隔が取れない狭い道路では、徐行(直ぐ停まれる速度)まで減速する必要がある。違反すると側方通過義務違反で反則金+違反点数2点が科せられる。一方で、自転車も左端に寄らなければならず、違反すると反則金が科せられる。
個人的な疑問として、「青切符始めます!でも、取り締まる警察官は増えてません」だと意味ないよね?という点。赤切符は手続きが多いことから、これまで自転車の取締りに警察官は後ろ向きだったようで...。青切符導入はその手続きを簡素化し、刑事事件を伴う赤切符の対象でなくても、青切符で取り締まることを可能にした。つまり、警察官自体が増えていなくても、取締りは増加することが考えられる。
今回の新制度導入における弊害は二つ。一つ目は、日本の道路はそもそも狭いということ。欧州などは自転車専用レーンがあるのに対し、日本は自転車が走りやすい道路設計ではない為、自転車利用者は肩身が狭い状態になる。そして、二つ目は認識の問題。自転車は軽車両(車の仲間)扱いである為、車と同じ信号に従う必要がある。私が学生だった数十年前、自転車通学していた時は自転車は歩行者と同じ認識が強く、歩道の信号が変われば歩道を渡っていた。1990年代後半から歩行者分離信号が本格導入され、自動車で交差点を左折する際、歩行者専用信号が赤でも自転車が直進してくる可能性があり、巻き込み事故のリスクがある。曖昧だった自転車の交通規則を新制度で明確にしよとしているが、私みたいに自転車は歩行者と同じだと誤認したままの人は、認識を更新する必要がある。
先日市内を運転した際、左車線側の歩道を逆走してくる自転車がいた。ぱっと見、技能実習生などで日本で生活している外国人のようだった。外国人でなくても、ニュースに無頓着な日本人だっているだろう。新制度の効果が出るには時間を要すると思うけど、自転車の安全利用が進んで事故件数の減少に繋がることを願いたいです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。