私の実家は農業やってます。
このあいだお墓参りに帰省して
兄が作った野菜をたくさんもらってきたので キャベツをおすそ分けしたら
ロールキャベツになって かえってきました。
具が チキンとか栗とか・・・ 初めての組み合わせでしたが
とても美味しかったです。
私は１５年ぐらい前からずっと同じ職場で働いていて
お昼ごはんをときどき食べに行く定食屋さんが職場の近くにありました。
御夫婦でやっていて、カウンターのほかは、小上がりがちょこっとあるだけのアットホームな店で
焼きたてのお魚と温かいお味噌汁が、コンビニのお弁当にはない魅力で
毎日ではないけれど、通ったものでした。
よく行くのは 私だけじゃなくて
同僚と一緒に行くこともあったし
カウンターを見渡すと うちの職場の誰かが座っていることもよくありました。
職場で昼食会をするときには
予算の乏しい私たちのために 破格の安さで お弁当の仕出しをやってくれました。
お店のお客さんが少ないときは、マスター御夫婦と雑談なんかもして
かなり近い地域に土地勘があることがわかったり
私と同僚が「栗御飯食べたいけど、栗むくのが大変で、なかなか作れないよ」なんて ぐちぐち言ってると
数日後のランチメニューに栗御飯を入れてくれたりもしました。
自分の家族構成、子供が○年生で・・なんて話もしてたと思います。
数年前、実家の亡き母の病状が急に悪くなり
長く実家に帰ったことがありました。
当時、うちの末っ子は中学に入ったばっかりでした。
その定食屋さんには毎日行ってたわけではないけど
あんまり長いこと私を見かけないので
マスター御夫婦は 「ららんさんを最近見かけないけど・・」って
私の同僚に聞いたらしいんです。
私の同僚は 「お母さんの具合が悪くて 田舎に帰ってるらしいですよ」みたいに答えたそうです。
田舎にいた私の携帯電話が鳴ったのは、日曜日で お店がお休みの日でした。
職場のお弁当の予約をしたりする関係で、マスターは私の携帯電話番号を知ってたんです。
「ららんさん、お子さんたち、ちゃんと食べてる？
家は大体 あの辺でしょう？ お子さんか誰か △△の前までちょっと出てこられるかな？」
と言って
マスターは東京に残っている夫と子供たちに たくさんのお弁当やらおかずやらを届けてくれました。
その後、母は持ち直して、私は東京に戻りましたが
結局翌年には見送ることになりました。
で、そのまた翌年だったか、
マスター御夫婦はお店を閉めました。
家賃の値上げを要求されて、折り合えなかったんだそうです。
別の土地でお店を再開したりすることはなく、飲食業には戻らずにいらっしゃいます。
閉店のとき、仕出しに使ったお重の幾つかを私は頂きました。
お店によく行っていた人たちは、皆、湯飲みとか お店で使われていたお品を記念に頂きました。
その後も、お世話になったので年賀状の交換をさせていただいたり
住まいが割に近かったので、
筍だの、タラノメだの、山芋だのと 東京では手に入りにくい田舎のお土産があると
届けたりしていました。
私の実家には、亡き母自慢の栗の木があって、それはそれは大きい実をつけて、ほっくほくの美味しさなので
その栗を届けては 甘えて 栗御飯を炊いてもらったりもしました。
そんな ごくたまの行き来をしていたのですが
今年の８月の最初の手術のときは、自分の病気をわざわざ知らせることもなく 入院しちゃいました。
（このマスター御夫婦に限らず、職場と実家以外には ほとんど知らせずに私は入院しちゃいました。
入院期間は短そうだったから、誰も知らない間に入院して退院しちゃえ、とね）
そしたら、手術後２日後ぐらいに 携帯電話が鳴ったんです、
「ららんさん、今日家にいる？」って。
何か届けてくれようとしたらしいんですね。
「すみませんー、今 病院なんです。 私 入院しちゃって・・」と白状せざるを得ませんでした。
私の留守宅に また いろいろ御飯が届けられました。
２度目の入院もあっさり ばれて
退院後の自宅療養の期間も
おでんだの カレーだの ちらし寿司だのと
私が動かなくてもいいように これまたたくさん作って持ってきてくれました。
このあいだ、職場復帰前に お墓参りに田舎に帰ったとき
田舎のりんごをマスター御夫婦に届けたくて
それと一緒に 兄が作った野菜とかを マスター御夫婦のおうちに運びました。
で、その中の荷物にあったキャベツが
今日 ロールキャベツになって かえってきました。
こちらは お漬け物になってかえってきた かぶ。
とうがらしと柚子がきいてて これまた美味しかったです。
（読んでくれた皆さん
長い話に付き合ってくださってありがとうございました）