ゆりとの会話が1時間
2時間と過ぎていく。
相変わらず僕が一方的に話しては
ゆりが「うん」と一言返事する。
楽しくないのか?
それとも眠たいのか?
文字で僕に連絡をしてた、ゆりとは全く違う。
文字では、あんなに積極的にやり取りしててのに?
まるで違う相手と電話では話してる気分にさえなった。
文字と電話と何が違うのか?
電話で話すのを求めて来てのは
ゆりの方なのに...
二時間も電話し一方的に僕が話をしても
話すネタも尽きてしまう。
長電話で疲れたのか?と思い
「疲れた?」
「電話切ろうか?」

すると
「嫌だ!!」
「切りたくない!!」と
ゆりが今までより少し大きな声で答えた。

「でも、ゆりさんから何も話をしてくれないから...」
「疲れて眠たいのかな?と思って」

すると、ゆりが
「ひろさん疲れた?」と
僕に聞いてきた。

「僕は大丈夫だけど...」

すると、ゆりが
「私、ひろさんて呼んでるけど普段は何と呼ばれてるの?」
「何と呼んだら良い?」
今まで「うん」としか返事をしなかった
ゆりが、僕にたずねて来た。

「呼びたい様に呼んでもらって大丈夫」
「僕は別に好きな様に呼んでもらって良いけど?」

「反対に僕は何と呼べば良い?」

ゆりが
「ひろ。て呼んでも良い?」
「誰か、ひろ。て呼んでる人いる?」との質問に対し

「ひろ。て周りからは呼ばれて無いと思うけど?」
「ひろ。だね」
「わかった!!」
「僕は何と呼べば良いのかな?」

すると、ゆりが
「ひろて、ゆりさんて呼んでるけど名前ゆりじゃないから」
そう僕に少し笑いながら伝えてきた。
「渡しの名前は、ななこ」
「家族は、なな。て呼んでる」
「家族だけの呼び方」
そう、ゆりが伝えて来た。

「じゃあ僕も」
「なな。て呼んでも大丈夫?」

すると、ゆりが
「うん!!」
「家族だけが呼んでる、なな。て呼んで」

僕が「ひろ」
ゆりが「なな」

二人の呼び方が決まった。

ゆりは自分だけが呼ぶ「ひろ」に特別感を得たようで凄く喜んでくれてる様に感じた。
それは2時間以上の会話の中で
「うん」としか返事をしなかった、ななが返事以上の会話をしてくれたからだ。
それと同時に僕の中でも
ななに対し特別な感情が芽生えたのも事実。
それと同時に電話する前に告白されてる事に対し複雑な心境もある。
これから二人が、どの様になるのか?
その時は考える余地もなく、ただ僕の中で、ななを悲しませる事はしなくない。
そう強く思った。