『がん消滅の罠 完全寛解の謎』
岩木 一麻
宝島社
Book Off On Line \220-
あるがんの専門医に通院する患者の中に、末期のステージのがん患者なのに、突然がんが消滅して(あるいは小さくなっていき)、治癒する(寛解する)例が複数現れる。医師らは、生命保険のリビングニーズ狙いの詐欺事件ではないかと疑うが、末期がんの患者の突然寛解の謎が判らない。彼らは寛解の原因究明に乗り出す。
(ネタバレ)がん消滅のカラクリは二つあって、
①初期のがんの外科手術の時に、他人のがん細胞を移植して、排除されない様に免疫抑制剤をがんの薬だと言って服用させる。免疫抑制剤の服用を止めれば、がんは他人の細胞なので、排除される。
②外科的に採取したがん細胞に「特殊な薬剤の刺激を受けるとそれが引き金となってがん細胞が自己死する」遺伝子を組み込んで培養して増やし、それを患者に戻す方法でがん細胞を移植する。その後に、予定していた薬剤を投与すると、がんが自己崩壊を始める。
二作続けて、遺伝子操作ネタの小説を読んだ。どちらも謎解きがサイエンス的で面白かった。