『花降る午後』宮本 輝
1988年11月25日 第10版
株式会社角川書店
@book off \105-
神戸北野異人館街あたりにあるフランス料理店『アヴィニョン』の女性オーナー甲斐典子が主人公。彼女は若くして料理店店主の夫、義直を喪い、店を引き継ぐ。店には、『白い家』という油絵があった。絵は典子にとって義直との最期の思い出だった。
ある日、絵の作者だと名乗る青年が店を訪れる。未亡人典子の恋話と料理店アヴィニョンを乗っ取ろうと企む悪人との攻防が並列に描かれていく。
軽い軽い読み物。舞台は神戸の観光名所の一つなので、訪れたことがある人にとっては、街の雰囲気が思い起こされて、旅情に浸れるかも。
物語の中で、『愉楽の園』という絵がたびたび登場する。初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスが描いた三連祭壇画らしい。私は見たことは無いが、マドリードのプラド美術館にあるらしい。
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花の降る午後
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