ベトナムのデジタルバンク、Timoで口座開設したので簡単にまとめてみます。

 

 

 Timoとは?       

 

Timoはベトナムのデジタルバンクです。

「デジタルバンク」の定義はさまざまかと思いますが、Timoは店舗を持たず(※)全ての取引をスマートフォンアプリ、オンラインで行う金融サービスを提供しています。

 

※本人確認、カード受け取りなどを行うためのTimo Hangoutと呼ばれる事務所が2023年4月現在ベトナム国内4ヶ所(ホーチミン市、ハノイ、ダナン、カントー)にあります。

 

写真を撮り忘れて、後日前を通りかかった時に車の中から撮った写真です・・・

 

 

 

 Timoで口座開設

 

Timoでの口座開設はスマホのアプリ上で申し込むだけでとてもシンプルでした。

Webサイト上からの申し込みはできませんが、スマホアプリのダウンロード、またアプリ上からの口座開設申請の説明は記載されています。

Timoの口座開設説明ページ

 

 

 

 口座開設の条件

 

いまはどこの国でもマネーロンダリングや脱税対策で銀行口座の開設が厳しくなっているようです。

ベトナムもご多分にもれず銀行で口座を開設するにはいくつかの条件があります。

Timoの場合、

 

✓ インターネットに接続できるスマートフォン(を持っていること)

 

✓ 18歳以上で、<外国人の場合>きちんと中身が確認できるパスポートと12ヶ月以上の有効期間を持つ(※)以下のいずれかの書類を保有していること

  1.  ベトナム滞在ビザ
  2.  一時在留許可証(テンポラリーレジデンスカード)
  3.  永住者カード(パーマネントレジデンスカード)
 ※書類の残存有効期間は1年未満でも構わないが、申し込み時点でそれらの書類の有効期間内でないといけない
 

✓ 数分の時間(があること)

 

がその条件となっています。

(上記条件は本記事を執筆時点の情報となります。お申し込みをご検討の際には必ずTimoのWebサイトで最新情報をご確認ください!)

 

残念ながら観光旅行で訪れた時に口座開設することはできないようです。

 

 

 

 アプリで申し込み

 

アプリをダウンロードすると、アプリの説明(英語対応していますが日本語はありません)に従って必要情報を入力するだけです。

途中、自分の顔写真を撮ったり、上記の身分証明書類をスキャンしてアップロードするプロセスがありますので、書類を手元に用意して自宅などから申し込むと良いと思います。スムーズに進めば5分ほどで申し込みが完了します。

 

必要情報が揃っていれば、次にカード受け取り場所、時間の指定画面が出てきます。

 

ベトナム内に4ヶ所あるTimo Hangoutのなかから1ヶ所選択し、続いて希望日時を選びます。私の場合、翌日午前中の枠が空いていました。

 

 

 

 カードの受け取り

 

翌日、ホーチミン市内のTimo Hangoutに行くとそこは銀行というより小洒落たカフェかシェアオフィスといった雰囲気の店舗でした。(写真は別の日に車の中から撮ったので少し見づらいですが・・・)

 

店舗に入るとTimoのロゴ入りシャツを着たスタッフが声をかけてくれて、カードを受け取りに来たことを伝えるとテーブルに案内してくれました。身分証明書類を渡すと、数分後には別のスタッフの方がカードを持って来られました。その場でiPadを使って再度身分証明書類を撮影したり、サインをしたあと、アプリの使い方説明をしてもらいました。

 

Timoの口座へは、①他行からの送金か、②Timo HangoutにあるATMを利用して入金が可能です。

※現金の引き出しは、Timo HangoutにあるATMだけでなく、napas(ベトナムの国内決済カードの統一ブランド)マークのついたATMでできますのでご安心ください、見てみると大体のATMにはnapasマークが付いています

 

店舗に入って案内してくれたスタッフ(男性)と書類確認など対応してくれたスタッフ(女性)、2人ともめちゃくちゃ愛想が良い!ってわけではなく、どちらかというと物静かな印象なのですが、丁寧かつ的確な対応でとても気持ちが良かったです。

 

ちなみにカードデザインが2つから選べるのですが、どちらもおしゃれでカッコ良かったです。

 

 

 

 Timoの口座番号

 

アプリの説明なんてしてもらわなくても大体分かるよ!と思っていたのですが、「では試しに入金してみましょう!」と言われて(やや)渋々トライしてみて良かったです。

Timoの口座番号は、自身の携帯電話番号になっています。自分がすでに開設していたベトナムの別の口座から送金を試みたところ、なぜかうまくいきませんでした。そうしたらスタッフの方が慌てることなく、「では送金先銀行に"Viet Capital Bank"を指定して、こちらの口座番号を入力してみてください」と仰るので、その通りやってみると今度はうまくいき、無事Timoの口座に入金することができました。

 

Timoに口座を開設すると、Timoに出資するViet Captial Bankにも口座開設されるようで、そちらの口座番号も使うことができるとのことでした。(結局なぜTimoの口座ではうまくいかなかったのかは分からずじまいです・・・)

 

 

 

 定期預金(Term deposit)

 

Timoで口座開設してみようと思ったきっかけは定期預金が簡単にできそうだったからです。すでに持っていたの別の銀行だとアプリ上では申し込みができませんでした。あとはデジタルバンクだからか金利も一般の銀行よりも少し高めなのも魅力です。

 

※本記事執筆時点でベトナム大手行の一角、Vietinbankの定期預金金利が6ヶ月で5.80%、12ヶ月で7.20%に対してTimoは6ヶ月で7.40%、12ヶ月で8.00%です

 

試しに少し定期預金してみましたが作業はアプリ上で定期預金の名前(メモ)、金額を入力して期間を選択するだけ。1、2分で完結してしまう簡単なものでした。しかも申し込みボタンを押すと「定期預金は満期前に引き出すと予定金利を受け取ることができません、定期預金を分割しますか?」というご丁寧な提案をしてくれます。途中解約することはないと思いましたが、損するわけではないので試しに「はい」を選択すると自動的に申し込み金額が4分割されて個別の定期預金として申し込みが完了しました。

たしかに万が一、想定外に現金が必要になった場合でもこうしておけば定期預金全体を解約することなく、必要な金額分だけ引き出す事ができるので親切なサービスだなと感じました。

 

※定期預金はベトナム在留資格(ビザ、TRC)の有効期限内でのみ預け入れが可能です

 

 

 

 送金

 

Timoを使い始めてみて面白いなと思ったのは、送金方法です。シンガポールだと「PayNow」という(当時)画期的なサービスがあり、そのサービスに申し込みしている人同士であれば携帯電話だけで送金することができました。

たまたま知り合いから、ベトナム人に少額のお金を振り込みたいのだけど何か良い方法はないか、と相談を受けました。シンガポールなら電話番号だけで送金できますけどベトナムはどうですかね・・・と言いながらわずかばかりの期待を持ってTimoアプリを探してみたところ、Transferの方法の中に「Share a Link」というメニューを見つけました。

 

これはもしや?!と思って進めてみると、入力項目は

  • 金額
  • メモ(空欄でもOK)
のみ!
 
次の画面で
  • パスワード設定有無:有にすると受け取る人はパスワード入力が必要 ※パスワードは自動生成
  • SMS OTP:有にすると受取人がSMSで配信されるワンタイムパスワード(OTP)の入力が必要
を設定するだけで、その金額を受け取るためのリンクが作成されます。
 
あとはそのリンクをメールなどで送信すれば、受け取った人はそのリンクにアクセスして自分の銀行口座を入力するだけですぐに送金が完了するという仕組みでした。
 
もちろん、Timoを信用するかというところで気になる人はいらっしゃるでしょうけど、あまり深い知り合いでない人同士の場合、互いの銀行口座情報が分かってしまうよりはあっさりしていて、何より操作が簡単なので気に入ってしまいました。
 
 

 

 まとめ

 

Timoで最初に発行されるデビットカードはVISAなどの国際ブランドが付いていないnapas debit cardです。つまりベトナム国内でしか使用することができません。アプリ上ではバーチャルのVISA debit cardが設定されていますのでオンライン決済であれば海外の支払いにTimo口座を利用することができるようです(まだ試したことはありません)。

そこに少し制約がある以外はアプリもとても使いやすいので重宝しています。

TRCをお持ちであれば駐在員家族でも簡単に口座開設できると思いますので(それは一般の銀行でも同じですが)2つ目の口座やご家族との使い分け用に開設する候補に入れてみると良いと思いました。