ルビンの壺が割れた
宿野かほる 著
新潮文庫
海外に住んでいて本が手に入りにくいので、遊びに来る友人に、なんでも良いので文庫本を買ってきて欲しいとお願いして持ってきてもらった2冊のうちの1冊。
めちゃくちゃ読みやすい現代風書簡体小説
登場人物2名のFacebook(Messenger)上のやり取りのみで進みます。
小気味よいテンポで進行し、しかも話の切れ目が多いので移動中などちょっとした隙間時間で読むのにちょうど良い小説でした。
先が気になるのでどんどん読み進んでしまい、東京↔︎新大阪間の移動で読むのにももってこいです。

ルビンの壺
タイトルの1部となっている「ルビンの壺」はデンマークの心理学者、エドガー・ルビン氏が考案したとされる、壺にも向かい合う2人の横顔にも見える有名な多義図形です。
本著内においては、「ルビンの壺が割れた」という演劇作品として登場します。
ものごとには表と裏がある、1つの事象も見方によって解釈は多数ある、これはこの物語自体に当てはまりますし、読み終わった時に読者もそう感じる、ということなのかもしれません。
甘酸っぱい・・・
本筋からは少し外れてしまいますが、Facebookで昔の恋人、好きだった人を見つけて、思い切って連絡するという、この小説の土台はなんだかキュンとするような甘酸っぱい印象です。
ただ読み始めたときは、思わずFacebookを開きそうにもなりましたが、読み終わったあとはまたちょっと違う気持ちになるのが本著のすごいところ。
気軽に読むには
あまり深刻にならず、さらっと何か小説を読みたいときにぴったりの1冊です!

