芸能人の話なんか聞きたくねえ。あなたがそこから何かを学んでるなら別 | 星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る

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 所謂「親ガチャ」に当たった人が羨ましくてしょうがありません。

 

 愛情深く民主的で世界観の歪んでいない親に育てられたかったのは誰でもです。

 両親が円満で愛されて育ちたかったのは誰でもです。


 大方の人がそうかどうかは知りませんが、そういう人はそうでない人のことを全く想像できないのは確かです。
 想像する必要もありませんし。

 「親ガチャ」という言葉を毛嫌いする人がありますが、「ガチャ」というのは単に「自分に選択権がない」状態を端的に言い表した比喩表現であり、それ以上でも以下でもありません。

 「どんな親にどう育てられるかは誰にも選べない」というだけの話です。

 残酷なことに、「どんな親にどう育てられたか」は一生個人を縛るのです。

 突きつめて言えば自分に選択権のあることなど何もないのですけどね。
 釈尊の言う「一切皆苦」というのはそういうことでしょう。

 

 さて、本日の話題。

 うちの親はTV依存です。

 

 この間、久々に実家に帰ったのですが、はっきり言って帰ってもつまらないです。
 母はあたしの話を聞かずにTVばかり観ています。
 そしてあたしに一生何の関係もないTVの中のセレブの話を長々とします。
 子供の時からそうでした。一緒に住んでても離れて住んでも何も変わりません。
 あたしは母と一緒にTVを観ていても大抵の場合、何もおもしろくないですから、離れて住んだ方がストレスが少なくてずっといいのです。
 あたしはTVそんなに好きじゃない、TVより実際に目の前にいる人、ネットで繋がっている人の方が大事だし関心があるからです。

 そんなこと書いてお母さんがここを読んだら傷つくんじゃないか、腹を立てるんじゃないかと思う人があるかも知れませんが、読まないので大丈夫です。
 あたしに関心ないんです。TVや芸能人の方が関心あるんです。
 子供の時からそうでした。

 「一人よりも二人の方が尚更孤独な時もあるさ」
 と矢沢永吉が歌っていますが、あたしと母のことだと思います。

 

 友だちや猫に会いたいから実家に帰るのです。
 一緒にいたっていなくたって母はあたしの話なんか聞かないんですから。

 

 新居には一応TVがあって、観る時もあるのですが、この間大事な電話がかかってきたのですぐに消音しました。
 相手が「出先ですか」と訊いたのは珍しくTVの音がしたからでしょう。

 人の話を聞く時はTVを消す。
 当たり前の話です。
 うちの家族はこの当たり前のことができない人たちでした。

 いつもいつも、あたしの話よりもTV視聴の方を優先されてあたしはどんなに傷ついたことか。

 

 ある人に「名倉さんは言うことが端的」と褒められたことがあるのですが、冗談で言うと、子供の頃やごく若い頃、一分間のCMの間に如何に自分の言いたいことをまとめて言うかの技術を磨いたからかも知れません。

 何喋っても否定されて話の腰を折られるんですけどもね。
 母や亡くなった祖母のあたしに対する態度は、基本的に否定無関心でした。
 だからあたしも何も言いたくなくなりました。
 自分の方から話さないから相手も聞かないのに、「やっぱり相手は聞いてくれないんだ」と思ってますます悲しくなる。
 でも話したって否定か無関心なんだよな、という堂々巡りで、鶏が先か卵が先かみたいな話です。
 あたしはあんまり母のことを悪く書かないので(べつに嫌いじゃないんでね)、びっくりした人もあるかも知れませんが、絵に描いたような毒親とACでしょう。

 あたしだけじゃなくて、母の他者に対する基本姿勢は否定か無関心だと思います。
 母が肯定的な関心を向けるのは自分の好きな芸能人・有名人くらいでしょうか。つまりTVに出てるセレブですね。
 べつに他人に関心なかったら関心ないでいいですけどね。我が子に無関心はよくありませんね。

 あたしは子供を持ったことがないので(なくて幸いですが)、想像力が及ばない所はありましょうが、あたしだったら絶対にそんな対応はしない、と思うことが沢山あります。

 

 あんまり書くと母がかわいそうなので書きませんけれども、先月からの家を出る過程で色々ありましたよ。

 ちょっとセラピーに行ってきたいんだけどまだ行けてない。

 

 「外国の女優かミュージシャンかなんかが、成功して故郷に帰ったのに母親から『おまえなんか産むんじゃなかった』と拒絶されて、翌日自殺した」

 とかいうかわいそうな話をうちの母から何回も聞かされましたが、自分はその母親と一緒だとなんで思わないんでしょうね。

 「えっ。あんたがいつ成功した芸能人になったの?」
 「いつ自殺したの?」

 「そもそもわたしがいつ『あんたなんか産まんかったらよかった』と言ったの?」
 と言われると思います。

 

 一応母の名誉のために言っておきますと、母はそれは言ったことはないです。

 でも、あたしが言いたいのは、

 「幼い時から子供の遊ぶこと、読む本、話すこと、好きなものなどに関心を示さず、否定してばっかり、というのは『産まなきゃよかった』と言うのと同じことなんやで」

 ということと、

 「そのケースを何度も反復できるほど読みこんでるなら、そこから何かを学んで自分と娘との関係に活かしなさいよ」

 ってことです。

 芸能人だろうが一般人だろうが同じことなんですよ。