2016.2.6.Sat.
サロン・ド・安閑園
台湾影視研究所
1月9日(土)に、渋谷のユーロスペースで見たドキュメンタリー映画、
『老兵挽歌』の林雅行監督のお話を聞きに行って来ました。
大陸から台湾に渡って来た国民党軍の残党というと、228事件から来るイメージもあり、あまり良い感情を持っていませんでした。
でも、この映画を見て、そのイメージは変わりました。
湾生の日本人や本省人と同じように、この老兵たちもまた、運命に翻弄され、戦争の傷を負った犠牲者だったのです。
年端もいかないうちに国民党に絡め取られ、誰と、何のために戦うのかもわからないまま戦場に駆り出され、気付けば故郷を遠く離れ、台湾まで来てしまった兵士たち。
自分たちは「中国人」だという意識はあるものの、帰るべき、彼らの「中国」はもうすでになく、台湾で余生を送るしかなすすべはないのです。
2011年の作品ですが、尖閣問題の発生から上映延期となり、今年やっと上映されることとなったそうです。
今回上映が決まった時も、林監督に対して、中共の関係者なのか、とか、国民党の手下だとか、ひどいバッシングを受けたそうです。
(ちなみにすべて日本人からのバッシングだったそうです。)
林監督がこの作品を撮ろうと思ったのは、例えば高砂義勇軍についてはすでに他の人が撮っていたので、まだ触れられていない、台湾人にとっての戦争を描きたかったから、だそうです。
林監督からは興味深いお話をたくさん聞けたのですが、きちんとメモを取っていなかったので、うまくまとめることが出来ません。
今回のお話と重なる部分も多い記事があったので、貼っておきますね。
『老兵挽歌』は林監督のもうひとつの作品、『呉さんの包丁』とともに3月12日(土)から大阪のシネ・ヌーヴォ、シネ・ヌーヴォXでも上映されます。
横浜のシネマ・ジャック&ベティでも上映されますが、まだ日程は未定のようです。
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