#14 危険物の消化方法


危険物の分類

第一類 酸化性 固体 不燃

第二類 可燃性 固体 可燃

第三類 自然発火性および禁水性 固体または液体 可燃

第四類 引火性 液体 可燃

第五類 自己反応性 固体または液体 可燃

第六類 酸化性 液体 不燃


危色四七


危険物は色

さかしいじさ

坂しい時差


第四類危険物の分類

特殊引火物 引火点−20℃以下

第一石油類 引火点21℃未満

アルコール類 アルコール

第二石油類 引火点70℃未満

第三石油類 引火点200℃未満

第四石油類 引火点250℃未満

動植物油類 引火点250℃未満


第四類危険物は七まで

問い兄さよ同色

−20以下、21未満、ー、70、200、250、250


消防法の危険物気体は含まれない

□同じ物質でも形状と純度によって危険性状を示さないもの危険物に該当しない

□第一類の酸化性物質の危険物は、酸化性の固体であり、酸素を発生しやすく第四類の引火性物質と相性が悪いので同一場所、混載は禁止されている

禁水性第三類自然発火性物質の危険物である

□第四類引火性物質は禁水性ではない

第五類自己反応性物質分解の自己反応が起こると激しく発熱して爆発的に燃焼する

□第五類の自己反応性物質は燃焼性があり、自己に可燃物と酸素供給体を持つので外部からの酸素供給がなくても燃焼する。一方の第一類酸化性物質(固体)と第六類酸化性物質(液体)は酸素を発生するが不燃性物質なので燃焼しない

第四類引火性物質の危険物1気圧かつ20℃の常温では全て液体で固体は含まれていない

第四類引火性物質の蒸気比率全て空気の1より大きく、空気より重たいので低所に流れて滞留する

第四類引火性物質の水比重全て水の1より小さく、水より軽いので水に浮く

第四類引火性物質アルコール類以外は水に溶けない

第四類引火性物質の危険物酸化熱によって液温が上昇して点火源がなくても自然発火する

第四類引火性物質の危険物電気の不良導体が多く、パイプを流れる際に摩擦熱で静電気が発生して放電時の火花が点火源となって引火する

□静電気により引火する恐れのある危険物を室内で取り扱う際は、静電気は空気が乾燥していると蓄積しやすいので、床面に散水して75%以上の湿度に保つ

第四類引火性物質の危険物を扱う際は、静電気が発生しやすい絶縁性のある合成繊維ではなく帯電防止の作業着を着用する

ガソリンの貯蔵タンクの修理または清掃する場合は、貯蔵タンク内に残っている可燃性蒸気を窒素などの不活性ガスを使用して置換する

第四類引火性物質の危険物の消化は可燃物の冷却と除去は難しいので窒息消化で鎮火させる

□ガソリン火災で注水消化が不適切な理由は、ガソリンは水に浮くので、側溝にガソリンが流れて火災が拡大するからである

第四類引火性物質の消化剤窒息効果がある二酸化炭素、泡、粉末、ハロゲン化物、霧状の強化剤を使用する

□メタノールなどの水溶性液体に一般的な泡消火剤を使うと、泡が消えて窒息効果が見込めないので、水溶性液体用泡消火剤を用いる

水溶性液体用泡消火剤他の泡消火剤より溶けにくく、溶解されにくく、引火点を低くする

□油火災のベンゼンの粉末消化には窒息効果があるリン酸塩または炭酸水素塩を用いる


特殊引火物

□水没貯蔵するのは特殊引火物では水に溶けず、水より重い二硫化炭素だけである

□特殊引火物の二硫化炭素とジエチルエーテルの沸点はジエチルエーテルの沸点35℃が低い。二硫化炭素の沸点は46℃。特殊引火物の中で最も沸点が低いのはアセトアルデヒドの沸点21℃である

□特殊引火物の二硫化炭素とジエチルエーテルの引火点はジエチルエーテルの-45℃が最も低い。二硫化炭素の引火点は-30℃以下である

□特殊引火物の二硫化炭素とジエチルエーテルの発火点は二硫化炭素の90℃が最も低い。ジエチルエーテルの発火点は160℃である

□特殊引火物の二硫化炭素とジエチルエーテルの水の比重は二硫化炭素の水比重1.3が最も大きい。ジエチルエーテルの水比重は水比重0.7で水に浮く

特殊引火物にはジエチルエーテル、二硫化炭素と水溶性のアセトアルデヒド、酸化プロピレンがある

特殊引火物のジエチルエーテルの蒸気甘い刺激臭と麻酔性がある

特殊引火物のジエチルエーテルは水には溶けにくくエタノールによく溶ける

特殊引火物のアセトアルデヒドと酸化プロピレン水によく溶ける

特殊引火物は引火点も沸点も両方低い

□特殊引火物の二硫化炭素の水比重は1.3で水より重いので水による窒息消化が出来る

□特殊引火物で発火点が100℃以下のは二硫化炭素だけである。二硫化炭素の発火点は90℃で、高温の配管に接触しただけで発火する。

□第四類危険物の中で沸点が1番低いのは特殊引火物のアセトアルデヒドである。アセトアルデヒドの沸点は21℃で常温で沸騰している。アセトアルデヒドは熱または光だけで分解してメタンと一酸化炭素を発生させる

□ジエチルエーテルは水より軽い

□二硫化炭素は水より軽い


第一石油類

□ガソリンの蒸気比重は3〜4で空気より重い

□ガソリンは引火点が−40℃だが沸点が40℃以上なので特殊引火物ではなく第一石油類に分類されている。

□ガソリンの燃焼範囲は1.4〜7.6vol%なのでおよそ1〜8vol%がガソリンの燃焼範囲と言える

□第一石油類はガソリン、ベンゼン、トルエンの非水溶性とアセトン、ピリジンの水溶性がある

□ガソリンは20℃の常温では液体である。気体は40℃以上にならないと気化しない。

□ガソリンは無色だが特有の臭いがある。

□第一石油類可燃性物質の危険物は酸素を含み酸化力が強いので第一類可燃性物質のガソリンと他の第一類可燃性物質を混ぜると激しく燃焼を起こして発火する

□自動車用ガソリンは無色のガソリンにオレンジ色の着色をしている

□灯油の発火点は220℃で、ガソリンの発火点は300℃なので灯油の方が発火しやすい

□ガソリンの引火点は-40℃で、灯油の引火点は40℃なのでガソリンの方が危険性が高い。

□ガソリンの燃焼範囲は1.4〜7.6vol%で、灯油の燃焼範囲は1.1〜6.0vol%で燃焼範囲の差は小さい。

□第一石油類のベンゼンは無色だが芳香族で臭気がある

□ベンゼンとトルエンは水より比重が軽く水に浮いて水に解けない

□アセトンは水より比重が0.8と軽くて水に溶ける。

□アセトンにジエチルエーテルにも溶ける

□特殊引火物のジエチルエーテルは水に溶けない

□アセトンの蒸気比重は2.0、ベンゼンの蒸気比重は2.8でガソリンの蒸気比重は3〜4で空気より重いので低所に滞留する

□ベンゼンの引火点は-11.1℃、トルエンの引火点は4℃で20℃の常温で引火する


アルコール類

アルコール炭化水素の水素が水酸基に置き換わった化合物の総称である

消防法のアルコール類とは炭素数が1〜3個までの飽和1価アルコール類である

消防法のアルコール類炭素数が1個のメタノール、2個のエタノール、3個のn-プロピルアルコール、n-プロピルアルコールの異性体のイソプロピルアルコールの4種類が該当する

アルコール類は全て水溶性で水に溶けるので、消火剤は水溶性液体用泡消火剤の耐アルコール泡を使用する

□メタノールのメチルアルコールの引火点は11℃、エタノールのエチルアルコールの引火点は13℃で共に20℃の常温で引火する

□アルコール類の中で1番沸騰が低いのはメタノールの沸点64℃である。エタノールの沸騰は78℃である。

□メタノールの燃焼範囲は6.0〜36vol%でガソリンの燃焼範囲の1.4〜7.6より広いが下限値が高い。

□メタノールの蒸気比重は1.1で空気より重い。

□メタノールとエタノールの水の比重は0.8で水より軽いので水に浮くが水に溶ける水溶性なので水に溶けないガソリンとは異なる

□水溶性液体は良導体で静電気は発生しにくい

□メタノールとエタノールは良導体で流動での静電気は発生しにくい

□メタノールとエタノールは芳香族の無色の液体である


第二石油類

□ディーゼル油は軽油のことで第二類石油類に分類される

□第二石油類の灯油と軽油は炭化水素の混合物である

□クロロベンゼンと酢酸は純物質の化合物である

□第二石油類の灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレンは非水溶性である

□第二石油類の酢酸、プロピオン酸、アクリル酸は水溶性である

□灯油は炭素数11〜13の炭化水素を主成分としていて、第一石油類のガソリンは炭素数4〜12の炭化水素を主成分としており、分子がガソリンより灯油の方が大きく、精製度によって白灯油1号と茶灯油2号に区別される

□白灯油1号の方が茶灯油2号より灯油の精製度が高い。いま市販されている灯油は全て白灯油1号である。

□第二石油類の軽油と灯油は水比重1より軽く水に浮くが、蒸気比重は4.5で空気より重く低所に滞留する

□軽油はディーゼル油とも呼ばれて、ディーゼル機関やディーゼルエンジンの燃料として使用されている

□第二石油類の灯油と軽油は水に溶けない

□第二石油類のキシレンは構造が異なる3つの異性体がある。キシレンの3つの異性体はオルトキシレン、メタキシレン、パラキシレンである。3つの異性体ともに無色だが臭気がある。キシレンの引火点は27〜33℃で灯油より低い。キシレンは水に溶けないが有機溶剤のエタノール、ジエチルエーテルには溶ける。

□第二石油類のクロロベンゼンは無色だが得異臭がある。水比重は1.1で水より重い。水に溶けないが有機溶剤には溶ける。クロロベンゼンの引火点は28℃で灯油より低い。

□第二石油類の酢酸は有機酸で強い腐食性がある。酢酸は無色だが刺激臭がある。高純度の酢酸は17℃で凝固して氷酢酸になる。酢酸の引火点は39℃で灯油の40℃の引火点よりわずかに低い。酢酸は水より重く、水に溶けるので水溶性液体用の泡消火剤を使って消火する


第三石油類

□第三石油類のグリセリン、エチレングリコールは水溶性である

□第三石油類の重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼンは非水溶性である

□第三石油類の重油は動粘度により、1種A重油、2種B重油、3種C重油の3種類に分類される。引火点は1種A重油と2種B重油が60℃以上、3種C重油が70℃と規定されている。

□1種A重油と2種B重油と3種C重油の違い

1種A重油 引火点60℃ 90%の軽油に残渣油を混ぜたもの。1種A重油は硫黄分によってさらに1種A重油1号と1種A重油2号に小別される

2種B重油 引火点60℃ 50%の軽油に残渣油を混ぜたもの

3種C重油 引火点70℃ 90%以上が残渣油

□第三石油類の重油は燃焼温度が高くて火災になると消化が困難である。重油の水比重は0.9〜1.0で水より比重が軽いので水に浮く。燃えている重油は水と接触すると瞬時に沸騰して水蒸気爆発を起こして危険である。

□第三石油類の重油に含まれる硫黄は燃えると有害な二酸化硫黄の亜硫酸ガスを発生させる

□第三石油類のクレオソート油は芳香族の炭化水素との混合物で特異臭がある。液体は黄色または暗緑色をしている。クレオソート油の引火点は73.9℃である。クレオソート油は水より重い。

□第三石油類のアニリンは水より重い。引火点は70℃である。アニリンは特異臭があり、無色または淡黄色の液体で、空気中で酸化して褐色に変化する。

□第三石油類のグリセリンは甘味がある無色無臭の液体で水比重は1.3で水より重たい。グリセリンは水に溶けて吸湿性が高い。引火点は199℃である。

★200℃未満の引火点の潤滑油は第三石油類になる。ただし、引火点が200℃未満でもギヤー油とシリンダー油だけは第四類石油類に分類される。


第四類石油類

第四類石油類の全て蒸気比重1より大きく空気より重い

□引火点が200℃未満の潤滑油は第三類石油類に分類されるが、例外的にギヤー油とシリンダー油だけは引火点に関わらず第四類石油類に分類される。

□第四類石油類は水より比重が軽いかつ水に溶けない。


動植物油類

□動植物油類はヨウ素価が小さい順に、ヨウ素価100以下の不乾性油、ヨウ素価100〜130の半乾性油、ヨウ素価130以上の乾性油に分類される

□ヨウ素価は100gの油脂が吸収するヨウ素の量で、ヨウ素は脂肪酸の不飽和部分に付加される。よって、ヨウ素価が高い乾性油のアマニ油は不飽和脂肪酸が多い。不飽和脂肪酸は多いと酸化しやすい。よって不飽和脂肪酸が多いアマニ油は酸化しやすく自然発火しやすい。

□ヨウ素価100以下の不乾性油は空気中で固化しない菜種油、オリーブオイルとヨウ素価100〜130の半乾性油は空気中で酸化して流動性が低下する大豆油、胡麻油、コーン油とヨウ素価130以上の乾性油で空気中で酸化して固化するアマニ油、えごま油、ひまわり油に分類される

□消防法の動植物油類は1気圧における引火点が250℃未満の動植物油に限られる。全ての動植物油ではない。

□全ての動植物油は水より比重が軽く浮くかつ水に溶けない。

□動植物油類のアマニ油は酸化しやすく酸化熱で自然発火する

□20℃の常温で引火するものが引火点-45℃のジエチルエーテルと引火点-20℃のアセトン、第一石油類の引火点-40℃のガソリン、第一石油類の引火点4℃のトルエン、特殊引火物のアセトアルデヒドの-39℃、アルコール類の引火点11℃のエタノールである

□20℃の常温で引火しないものは第二石油類の引火点40℃の灯油、第四石油類のクレオソート油、第四石油類のギヤー油である

□0℃より引火点が低いのは特殊引火物の酸化プロピレンの引火点-37℃と第一石油類のアセトンの-20℃である

□0℃より引火点が高いのはアルコール類のメタノール、第三石油類の重油である

□水より重いのは特殊引火物の二硫化炭素、第一石油類のクロロベンゼン、第二石油類の酢酸である

□水より軽いのは特殊引火物のジエチルエーテル、第二石油類の灯油である

□水に溶けるのは第一石油類の酢酸、特殊引火物の酸化プロピレン、第一石油類のアセトン、アルコール類のメタノールである

□水に溶けないのは特殊引火物のジエチルエーテル、特殊引火物の二硫化炭素、第二石油類の灯油、第一石油類のクロロベンゼン、第三石油類の重油、第二石油類の軽油である

□水比重1より軽いものはアルコール類のメタノール、第三石油類の重油、第一石油類のアセトン、特殊引火物の酸化プロピレン、第二石油類の軽油である

□特殊引火物の二硫化炭素とジエチルエーテルは水に溶けない。ジエチルエーテルは水に浮いて、二硫化炭素は水に沈む。

□ベンゼンは水に溶けないが、メタノールとエタノールは水に溶ける

□第一石油類のアセトンは水に溶けるが水の比重より軽い。

□特殊引火物の酸化プロピレンは水に溶けるが水の比重より軽い。

□アルコール類のメタノールは水に溶けるが水の比重より軽い

□第一石油類のクロロベンゼンは毒で水に溶けない

□第三石油類のクレオソート油の方が第四類石油類のシリンダー油より引火点は低い

□第一種石油類の引火点-40℃のガソリンの方がアルコール類の引火点11℃のメタノールより引火点は低い

□第二石油類のクロロベンゼンの方が第三石油類のアニリンより引火点は低い

□特殊引火物のアセトアルデヒドは水に溶ける


第一石油類 ガソリン

第二石油類 軽油、灯油

第三石油類 重油


自己対策

□ガソリン蒸気に引火して火災が怒らないように、伝導率が良い金属製のドレンを使用して、接地のアースを取り、流速を遅くして静電気の発生を抑えて、地面に水を撒いて湿度を上げておく

□地下タンクの計量口は計量時以外は閉鎖しておく。ただし地下タンクの通気管は閉鎖してはいけない。

□地下貯蔵タンクの解体は窒素で置換させたあとに水を充填させる

□運搬容器は上方に向けて積載する

□河川に危険物を流出させた場合は近隣住民に火気を使用しないように呼びかけてから、オイルフェンスや油吸着材、油回収装置を使って流出油を回収する