#13 危険物の化学
□物質には純物質と混合物がある
□純物質には単体と化合物がある
□単体は1種類の元素からなる純物質である
酸素、水素、鉄
□化合物は2種類以上の元素からなる純物質である
水、二酸化炭素、食塩
□混合物は純物質が混じり合ったものである
空気、ガソリン、食塩水
同素体と異性体
□同素体は元素の原子の結合が異なるもの
□同素体は全て単体で化合物ではない
炭素 ダイヤモンドと黒鉛
リン 赤りんと黄りん
赤りん P4 第2類の可燃性固体
黄りん Pn 第3類の自然発火性物質および禁水性物質
□赤りんと黄りんは同素体である
□異性体は同じ分子式を持つ化合物で分子内の構造が異なるもの
□異性体は全て化合物
□異性体は同じ分子式だが分子内の構造と性質が異なる
□異性体はエタノールとジメチルエーテル、n-プロピルアルコールとイソプロピルアルコールがある
□元素は原子の100種類の分類のこと
□原子は元素の実体の粒子という
□物質を構成する基本粒子を原子という
□原子に電荷が帯びたものをイオンという
□分子は1個または複数個の原子で構成される物質の特性を持つ最小の粒子のことである
□原子量は12C炭素原子の原子量12を原子の質量の基準として相対的に表すもの
水素1
炭素12
酸素16
ナトリウム23
□分子は1個または複数個の原子からなる粒子のこと
□分子量は原子の原子量の合計したもの
化合物 水 H2O
原子量 H水素の原子量2+O酸素の原子量1
分子量 1×2+16×1=18
化合物 二酸化炭素 CO2
原子量 C炭素の原子量1+O酸素16の原子量2
分子量 12×1+16×2=44
□molモルは極めて小さい原子や分子を6.02×10^23個を1molとして扱う
5molの水の質量
化合物 水 H2O
原子量 H水素の原子量2+O酸素の原子量1
分子量 1×2+16×1=18
5mol 18×5=90
5molの水の質量は90gである
□化学式は元素記号を用いて物質構成を示したもの
□化学式は分子式、組成式、示性式、構成式などがある
酢酸
分子式 C2H4O2
組成式 CH2O
示性式 CH3COOH
構成式
H O
| //
H-C-C
| \
H O-H
□食塩NaClは組成式である
□物質を構成する原子やイオンの数を整数比で表したものが組成式である
□分子を持たない食塩(NaCl)のような物質は組成式で表す
□1つの分子の中の原子の種類と数は分子式で表す
□原子同士の結合を棒で結んだ式を構造式という
□原子団、官能基が分かるように分子中の特定の性質を抜き出した分子式を示性式という
□反応熱は物質の中心部の1molの熱量を表す
□反応熱は発熱反応と吸熱反応がある
□発熱反応は熱の発生を伴う反応で、元の物質はエネルギーの一部を熱として放出するので、小さなエネルギーの物質になる
□吸熱反応は熱の吸収を伴う反応で、元の物質はエネルギーの一部を熱として吸収するので、大きなエネルギーになる
□熱化学方程式は化学反応式の右辺に反応熱を書き加えて両辺を等号で結ぶ式をいう
□熱化学方程式は化学反応式に反応熱を記入して両辺を等号(=)で結ぶ。反応熱は+、吸熱は−で表す。また物体の固体、液体、気体の状態を(固)、(液)、(気)で付記するのが原則だが省略することもできる。
C(固)+O2(気)=CO2(気)+394kJ
□1molの気体は22.4L
溶液
□溶解は溶媒に溶質を溶かして均一にすること
□溶媒は溶かす液体のこと
□溶質は溶かす物質のこと
□溶解した液体を溶液という
□溶液の濃度を質量パーセント濃度のwt%で表す
□wt%=溶質÷gの溶液×100
□モル濃度はmol/Lで表す
□mol/L=溶質÷Lの溶液×100
□ある温度において溶媒に溶ける溶質の最大量をその溶質のその温度における溶解度という
□質量パーセント濃度はwt%で表す
□質量パーセント濃度wt%=溶質÷溶液×100
※溶液=溶質+溶媒
□体積パーセント濃度はvol%で表す
□重さ=密度×体積
□100ml=100cm^3
□モル濃度(mol/L)は1リットルの溶液に何モルの溶質が溶けているかを表す
※溶液=溶質+溶媒
酸と塩基
酸
□酸は、水溶液中で電離して、水素イオンH+またはオキソニウムイオン(H3O+)を発生させて、リトマス試験紙の青色を赤色に変える。
□塩酸と硫酸は強酸といって電離度が高い
□酢酸と炭酸は弱酸といって電離度が低い
□酸は水に溶けると電離して水素イオン(H+)が生じる
□塩基は水に溶けると電離して水酸化イオン(OH−)が生じる
□酸は強酸の塩酸、硫酸、硝酸と弱酸の酢酸、炭酸がある
□アルカリの塩基は強塩基の水酸化ナトリウムと弱塩基のアンモニアに分けられる
□pHの水素イオン指数は0からの酸性から14までのアルカリ性と7の中性の数値で表す
□酸の中和反応で水素イオンのH+と塩基の水酸化イオンのOH−が1:1で結合してH2Oの水と同時に酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結合して塩が出来て水と塩が出来る
HCl+NaOH→NaCl+H2O
□電離度が大きい水素イオン(H+)を多く生じる酸を強酸という
□強酸は塩酸、硫酸、硝酸である
□電離度が小さいアルカリの塩基を多く生じる酸を弱酸という
□弱酸は酢酸、炭酸である
塩基
□塩基は、水溶液中で電離して、水酸化物イオン(OH+)を発生させて、リトマス試験紙の赤色を青色に変える。
□水酸化ナトリウムは強塩基といって電離度が高い
□アンモニアは弱塩基といって電離度が低い
□酸(HCl)と塩基(NaOH)から塩(NACl)と水(H2O)が出来る反応を中和反応という
□酸性、塩基性の度合いを0から14までの数値で示したものを水素イオン指数と言ってpHで表す
□pH<7が酸性、pH7が中性、pH>7が塩基である
酸化と還元
□酸化は物質が酸素と化合することで水素と電子を失う
□還元は酸化物が酸素を失うことで水素と化合して電子を受け取る
□酸化と還元は同時に起こる。物質が酸化すると反応相手は還元が起こる
□酸化は酸化物が酸素と化合または物質が水素と電子を失うことをいう
□還元は酸化物が酸素を失うまたは物質が水素と化合して電子を受け取ることをいう
□還元されやすい物質を酸化剤という
□酸化剤は塩素と過酸化水素である
□酸化されやすい物質を還元剤という
□還元剤は硫化水素と一酸化炭素である
□ガソリンの燃焼は炭化水素が酸素によって酸化する熱と光の発生を伴う酸化反応である
酸化反応
硫化水素→硫黄 酸化反応
木炭→一酸化炭素 酸化反応
銅→酸化銅
還元
水→水蒸気
金属
□金属はアルカリ性なので酸化しやすい
□元素は典型元素の金属元素と遷移元素の非金属元素に大別できる。
□非金属元素は周期表の右上に位置している。
□周期表の縦の並びは1族から18族まである
□周期表の1族元素のうち水素を除く6元素をアルカリ金属という
□周期表の2族元素のうちベリリウムとマグネシウムを除く4元素をアルカリ土類金属という
□周期表の17族のフッ素、塩素、ヨウ素をハロゲンという。単体のハロゲンは強い酸化作用がある。
□周期表の18族のヘリウムは希ガスである
□金属は無機酸に溶けるものが多い。ただし、イオン化傾向の小さい金、銀、白金は無機酸に溶けにくい。
□金属は比重4より小さい金属を軽金属、4より大きい金属を重金属という
軽金属
ナトリウム 0.97 軽金属
アルミニウム 2.7 軽金属
重金属
鉄 7.8 重金属
水銀 13.5 重金属
金 19.3 重金属
□金属の特性は光沢がある展性と延性の導体で、水銀以外は融点が高く常温で固体の比重が大きいもので無機酸に溶ける
□金属は電子を放出して陽イオンになろうとする性質を持つ。これをイオン化傾向という。
□鉄がイオン化して溶け出す現象を腐食という
□イオン化傾向が大きい陽イオンになりやすい金属はKカリウム、Caカルシウム、Naナトリウム、Mgマグネシウム、Alアルミニウム、Zn亜鉛、Fe鉄、Niニッケル、Snスズ、Pb鉛、H水素、Cu銅、Hg水銀、Ag銀、Ptプラチナ、Au金の順である
□鉄の腐食を防ぐには、鉄よりイオン化傾向が大きい金属、酸性土壌、温度変化、直流電気、水分、塩分を避ける。またはエポキシ樹脂の合成樹脂で被覆して塗覆装面を傷付けないこと。
□金属が電子を放出して陽イオンになろうとする性質をイオン化傾向という
□イオン化傾向の大きい金属は還元力が強く酸化しやすい
□イオン化傾向が大きい金属と水素をイオン化列という
イオン化列
Kカリウム>Caカルシウ>Naナトリウム>Mgマグネシウム>Alアルミニウム>Zn亜鉛>Fe鉄>Niニッケル>Snスズ>Pb鉛>H水素>Cu銅>Hg水銀>Ag銀>Pt白銀>Au金
□アルカリ金属はイオン化傾向が大きく、常温で水と激しく反応して水素を発生させる
□イオン化傾向の大きい金属は塩酸に溶けて陽イオンになると同時に水素イオンを還元して水素を発生させる
□硫酸銅に鉄を入れると、鉄の方が銅よりイオン化傾向が大きいので、鉄が陽イオンになって溶け出し、銅イオンが銅として鉄の表面に析出(せきしゅつ)する
□鉄よりイオン化傾向が大きい金属と鉄を接続すると、その金属がイオン化されて鉄の腐食を防止出来る
イオン化列
Kカリウム>Caカルシウ>Naナトリウム>Mgマグネシウム>Alアルミニウム>Zn亜鉛>Fe鉄>Niニッケル>Snスズ>Pb鉛>H水素>Cu銅>Hg水銀>Ag銀>Pt白銀>Au金
有機化合物と無機化合物
□有機化合物は二酸化炭素と炭酸塩を除く炭酸原子を含む化合物のこと
□無機化合物は有機化合物以外の化合物
□有機化合物と無機物化合物の違いは、二重結合が出来るのは炭素原子だけで、有機化合物かは炭素炭素を含む化合物であるかで決まる。ただし、単体の炭素と一酸化炭素と二酸化炭素は無機化合物である。
□有機化合物は鎖式化合物と環式化合物に大別出来る。さらに飽和化合物と炭素原子の二重結合、三重結合の不飽和化合物に小別できる。さらに、環式化合物でベンゼン環を持つものを芳香族化合物に小別される。
□有機化合物がどのような官能基を持っているかで化合物のおよその性質は決まる。官能基にはヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシ基(カルボキシル基)、ニトロ基、アミノ基がある。
□有機化合物の融点、沸点は低い
□有機化合物はアルコールの有機溶媒に溶けやすい
□有機化合物は構成元素の種類が少なく炭素、水素、酸素、リンで構成される
□有機化合物は融点と沸点が低い
□有機化合物は水に溶けにくく可燃性のものが多い
□有機化合物は可燃性で完全燃焼すると二酸化炭素と水が発生する
□第四類の危険物のうち二流化炭素以外は有機化合物である
官能基
□官能基は特定の性質を持つ原子団で、分子内にどの官能基を含むかによって有機化合物の性質が変わる
有機化合物の分類
1.有機化合物
1−1.鎖式
1−1−1.鎖式飽和(プロパン)
1−1−2.鎖式不飽和(エチレン)
1−2.環式
1−2−1.脂環式
1−2−1−1.脂環式飽和(へクロヘキサン)
1−2−1−2.脂環式不飽和(シクロヘキサン)
1−2−2.芳香族(ベンゼン、トルエン)
□1つの物質が2種類以上の物質に分かれることを分解という
□2つの物質が結び付いて別の物質が出来ることを化合という
□木炭が燃えて灰になるのは酸化の化学変化で起こる
□木炭が燃焼すると有機物の二酸化炭素と水蒸気が出来て、無機物の灰だけが化学変化で残る
□電気抵抗があるニクロム線に電気を通すと赤熱するのはジュール熱による物理変化である
□水に砂糖を入れた砂糖水の液体は溶解の物理変化である
□食塩と砂糖は化合物
□食塩水と砂糖水は混合物
□空気中の水分を個体物質が吸収することを潮解の物理変化である
□結晶水を含んだ物質から結晶水が抜けて粉末状に変化した物質は風解の物理変化である
□混合物の蒸留は物質の沸点の違いを利用して2種類以上の物質を分離する
□混合物は物質の割合によって融点と沸点が変わる
□水は酸素と水素の化合物
□空気は酸素と窒素とアルゴンの混合物
□酸素は単体
□二酸化炭素は炭素と酸素の化合物
□ガソリンと灯油は複数の炭化水素の混合物である
□硫黄(S)は1種類の元素から出来ている単体である。
□単体は水素(H2)、窒素(N2)、酸素(O2)、塩素(Cl2)、鉄(Fe)、リン(P)、硫黄(S)、アルミニウム(Al)である
□赤錆は単体の鉄が酸化した鉄と酸素の化合物である
□異性体は全て化合物
□異性体は同じ分子式だが分子内の構造と性質が異なる
□元素を原子番号順に並べると性質の似た元素が一定間隔で現れる。これを周期律という。周期律を縦に配列したものを周期表という
□原子核の陽子数を原子番号という
□原子量は原子の質量を炭素原子を基準に相対的な数字で表すだけで単位はない
□原子量は陽子数6と中性子数6の炭素原子を1mol集めると12gになる。12g、1molの原子の質量を相対的に表したものが原子量である
□水素原子の原子量は1である
□通常の電子は正電荷の陽子と負荷電荷の電子の両方を持つ中性である。負荷電荷の電子を得ると陰イオンになる。負荷電荷の電子を失うと陽イオンになる
□分子量は分子式と構成元素の原子量から計算して求める
□分子の中に含まれる元素の原子量をその分子の分子量という
□原子の中に含まれる元素の原子量をその原子の原子量という
□1molの分子の質量は分子量にgの単位を付けたものである
□1molの原子量の質量は原子量にgの単位を付けたものである
□酸素 O2 単体
□二酸化炭素 CO2 化合物
□水 H2O 化合物
□空気、ガソリン、石油 混合物
化学反応式
□化学反応式は同じ元素の数が左辺と右辺で等しくなるように係数を付ける
窒素N2+水素3H2→アンモニア2NH3
N 2 N 2
H 6 H 6
エタノールの燃焼化学反応式
C2H6O+3O2→二酸化炭素2CO2+水3H2O
C 2 C 2
H 6 H 6
O 1+6 O 4+3
水素の燃焼化学反応式
2H2+O2→2H2O(2つの水素と1つの酸素)
H 4 H 4
O 2 O 2
燃焼と消化
燃焼
□燃焼には熱源の点火源、可燃性物質、酸素供給体の3つの燃焼要素のうち1つでも欠けると燃焼反応は起こらない
□1molの物質が完全燃焼するときに発生する熱量を燃焼熱という
C炭素+O2酸素=CO2二酸化炭素+394J
□有機物は不完全燃焼すると有毒な一酸化炭素を発生させる。これを不完全燃焼という。
燃焼形態
1.液体
1−1.蒸発燃焼 ガソリン、灯油、軽油
2.個体
2−1.蒸発燃焼 ナフタリン、硫黄
2−2.表面燃焼 木炭、コークス、金属粉
2−3.分解燃焼 石炭、木材、紙
2−4.自己燃焼(内部燃焼)セルロイド、ニトロセルロース
□燃焼範囲とは蒸気濃度が燃焼範囲内のとき点火されると燃焼する下限値と上限値のこと
Vol%蒸気濃度=蒸気体積÷混合気体体積×100
※混合気体は蒸気と空気の体積のこと
消化方法
1.除去消化 可燃性物質を取り除く
2.冷却消化 燃焼物の温度を下げる
3.窒息消化 酸素供給体を取り除く
4.抑制消化 化学的に燃焼の連鎖反応を遮断する
消化薬剤
□消化器の消化薬剤は除去消化を除く、冷却消化、窒息消化、抑制消化の3つの消化方法のうち1つ以上の効果を有するものをいう
消化薬剤
1.水
1−1.棒状の水 冷却消化 A
1−2.霧状の水 冷却消化、窒息消化 AとC
2.強化液
2−1.棒状の強化液 冷却消化 A
2−2.霧状の強化液 冷却消化、抑制消化 ABC
3.泡 冷却消化、窒息消化 AとB
4.二酸化炭素 冷却消化、窒息消化 BとC
5.ハロゲン化合物 窒息消化、抑制消化 BとC
※周期表の17族のフッ素、塩素、ヨウ素をハロゲンという。単体のハロゲンは強い酸化作用がある。
6.粉末
6−1.ABC りん酸アンモニウム 窒息消化、抑制消化 ABC
6−2.Naナトリウム、Kカリウム、Ku 窒息消化、抑制消化 BとC
A火災 普通火災 白ラベル 木材の一般的可燃物
B火災 油火災 黄ラベル 第4類のガソリン、灯油の引火性液体
C火災 電気火災 青ラベル 変圧器、電線の火災
粉末消化器の主成分
ABC リン酸アンモニウム
Na 炭酸水素ナトリウム
KとKu 炭酸水素カリウム
□粉末消化器は粉末で燃焼面を覆う窒息効果と抑制効果を利用した消化方法冷却効果はない
□消火剤は冷却効果、窒息効果、抑制効果(負触効果)の3つのうち1つの効果があれば良い
□大型消化器は第4種消火設備である
□小型消化器は第5種消化設備である
□消火栓は第一種消火設備である
□スプリンクラーは第二種消火設備である
□水蒸気、泡消火設備は第三種消火設備である
□霧状の水消火器は普通火災と電気火災に対応する
□泡消火器の化学泡と機械泡はどちらも普通火災と油火災に対応する
□水は油火災の消火剤には適さない
□二酸化炭素とハロゲンは普通火災には適さない
□強化消火剤は霧状にすることで全ての火災に対応するが棒状だと普通火災にしか使えない
□泡は普通火災と油火災に対応するが電気火災には使えない
□二酸化炭素消化器は窒息効果と冷却効果があり、油火災と電気火災に対応するが普通火災には適さない。
□ハロゲン化物消化器はフッ素、臭素、塩素のハロゲン元素を含むハロゲン化合物でヨウ素は含まない
燃焼
□燃焼とは熱と光の発生を伴う酸化反応である
□燃焼の酸素供給体として空気は絶対に必要というわけではない。過酸化水素は分解すると酸素を発生させる。
□燃焼にはある濃度以上の酸素が必要である。このときのある濃度以上の酸素のことを限界酸素濃度という。限界酸素濃度は可燃物の種類によって異なる。また限界酸素濃度以下にすると可燃物は消火出来る。
□一酸化炭素は可燃性物質である
□二硫化炭素(CS2)は可燃性物質である
□酸素は支燃性物質の不燃性物質である
□燃焼は常に発熱反応である。
□燃焼で発生する熱量を燃焼熱という。
□有機化合物が不完全燃焼すると無色無臭の有毒な一酸化炭素が発生する
□体膨張率は燃焼の難易に関係がない
□熱伝導率が高い金属等は熱が逃げやすく燃焼しにくい
係数
□係数2は全てに紐付けされる
2CH3OH
C 2
H 6 + H 2 = 8
O 2
□固体の燃焼には3つの分解燃焼、表面燃焼、蒸発燃焼がある
分解燃焼 石炭、紙、木材、プラスチック
表面燃焼 木炭、コークス
蒸発燃焼 石油、灯油、ガソリン、ジエチルエーテル
※コークスとは石炭を蒸し焼きにした炭素の塊
□固体の自己燃焼は分解燃焼の中に含まれる
自己燃焼 ニトロセルロース、セルロイド
□石炭は分解燃焼、コークスは表面燃焼
□固体のナフタリン、硫黄は蒸発燃焼
引火点
□引火点は可燃性液体が点火されたときの燃焼可能な濃度の蒸気を発生させる最低液温をいう
□発火点は自ら発火する最低温度である
□ガソリンの引火点は−40℃以下である
□灯油の引火点は40℃以上である
□軽油の引火点は45℃以上である
□引火点が40℃の可燃性液体は気温が40℃でも液温が40℃なければ蒸気は発生しない
□引火点が40℃の可燃性液体は液温が40℃になると燃焼範囲の下限値の蒸気を発生させる
□発火点は液体または固体のみの引火点とは異なり、固体、液体、気体の全てで起こる
□−40℃のガソリンは40℃の灯油より引火点は低いが、発火点は300℃のガソリンより220℃の灯油の方が低い
自然発火性物質
□自然発火は酸化熱、分解熱、吸着熱、発酵熱で起こる
□動植物油、石炭、原綿、ゴム粉の自然発火は酸化熱で起こる
□セルロイド、ニトロセルロースの自然発火は分解熱で起こる
□油田火災で爆発を用いて可燃性蒸気を吹き飛ばす消化方法は除去消化である
□物理変化は物質を構造する分子は変化しない
□化学変化は物質を構造する分子が化合して異なる物質が発生する