5月の前半に観た舞台ですが、
大好きなミュージカルですので感想を簡単に。
『ラ・マンチャの男』、ご存じ松本幸四郎さんの、
すでに上演回数1100回を超えるライフワークとも言うべきミュージカルです。
http://theaterbrava.com/public/200905rama/index.html
大阪のシアターBLAVA!にて上演していることを知り、
5月11日(月)に代休が取れたのを幸いに我慢できずに出かけました。
10数年ぶり2度目の観劇だったのですが、
オーヴァーチュアが流れ始めた途端に、
♪夢は稔りがたく、敵は数多なりとも、
胸に悲しみを秘めて、我は勇みて行かん♪
…で始まる「見果てぬ夢」を始め、どの曲も口ずさめる自分がいて、
我ながらちょっとびっくりしました(さすがに歌詞は完ぺきではありませんが)。
10数年前は先輩に薦められて一緒に日生劇場(か青山劇場)で観たのです。
その頃は、「ミュージカルって観ていて楽しくて元気になったり、
豪華な舞台でスケール感のある作品を楽しめたりするけど、
複雑なテーマや繊細な表現を扱うには向かない演劇形態かもな…」
なんて生意気なことを考えていた時期でもあったので、
この作品を見て衝撃を受けたのをよく覚えています。
①主人公のセルバンテスがいる獄中、
②セルバンテスが語る物語の主人公:田舎の郷士アロンソ・キハーナ、
③キハーナが頭の中に作り出した想像上の遍歴の騎士:ドン・キホーテ。
この3重構造の中を行ったり来たりしながら物語は進み、
理想と現実、夢と現実逃避などのテーマが描き出されます。
当日券のA席でしたので2階席最後尾上手端からの観劇でしたが、
休憩なしの2時間半強、引き込まれるように観入ってしまいました。
(隣の席のおじさんは最後号泣してました)
幸四郎さんの芸には磨きがかかっているというか、
年齢を重ねた分、より渋さと味わいが増しているという感じ。
10数年前はアンドレア役だった松たか子さんが、
アルドンサ役を熱演してるのも感慨深かったです
(しかし、どんな役をやってても品の良さは隠せませんね…いい意味で)。
「最も憎むべき狂気は、
ありのままの人生に折合をつけて
あるべき姿のために戦わぬことだ」
このセルバンテスの名セリフに、
このミュージカルのエッセンスが凝縮されています。
理想主義といわれればそれまでかもしれませんが、
人生の節目節目でこの作品を観て、
自分を振り返るのもいいのかなと思います。
そのためには、森光子さんの『放浪記』のように、
長く続けて行ってもらいたいですね。